Project/Area Number |
23K27689
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Project/Area Number (Other) |
23H02998 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55040:Respiratory surgery-related
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Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
千場 隆 公益財団法人がん研究会, がん研究所 発がん研究部, 研究員 (30897682)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石本 崇胤 公益財団法人がん研究会, がん研究所 発がん研究部, 部長 (00594889)
黒滝 大翼 熊本大学, 国際先端医学研究機構, 特任准教授 (10568455)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,720,000 (Direct Cost: ¥14,400,000、Indirect Cost: ¥4,320,000)
Fiscal Year 2025: ¥5,590,000 (Direct Cost: ¥4,300,000、Indirect Cost: ¥1,290,000)
Fiscal Year 2024: ¥6,890,000 (Direct Cost: ¥5,300,000、Indirect Cost: ¥1,590,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
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Keywords | 腫瘍関連線維芽細胞 / C-JUN N-terminal Kinase / 腫瘍微小環境 / シングルセルマルチオミクス / CAFs / 細胞間相互作用 |
Outline of Research at the Start |
腫瘍微小環境は、腫瘍細胞の増殖や治療への反応性に強い影響を与えている。腫瘍関連線維芽細胞(CAFs)は腫瘍細胞や免疫細胞との相互作用によって、腫瘍増殖や腫瘍免疫応答の調節に深く関わっている。C-JUN N-terminal Kinase(JNK)はMAPKファミリーの一員で、ストレス刺激や炎症により活性化され、線維芽細胞や免疫細胞の機能を制御している。 本研究の目的は、シングルセルマルチオームおよび多重免疫組織染色解析を用いて、腫瘍微小環境におけるJNKを介したCAFsと免疫細胞との細胞間相互作用および抗腫瘍免疫抑制メカニズムを明らかにすることである。
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Outline of Annual Research Achievements |
腫瘍関連線維芽細胞(Cancer-associated fibroblasts:CAFs)は腫瘍微小環境を構成する主要な細胞成分の一つであり、CAFsは腫瘍細胞や免疫細胞との相互作用によって、腫瘍増殖や腫瘍免疫応答の調節に深く関わっている。本研究の目的は、腫瘍微小環境におけるCAFsを介した細胞間相互作用および抗腫瘍免疫抑制メカニズムをマルチオミクス解析によって明らかにし、腫瘍微小環境の改善を目指す新たな治療戦略の基盤開発を行うことである。 現在、ヒト手術検体から樹立したCAFsを用いてRNA-seqやATAC-seq、CUT&Tagを行い、C-JUN N-terminal Kinase(JNK)経路が制御するシグナルの網羅的解析を行なっている。また、生体内におけるCAFsと免疫細胞との相互作用を解析するため、さまざまな癌腫のシンジェニックマウスモデルを樹立しシングルセル解析の予備実験を行っている。さらに、JNKシグナルの活性化状態を予測する遺伝子シグネチャーを開発し、様々なデータベースや臨床試験サンプルを用いてJNK活性と腫瘍微小環境の解析を行なっている。国際臨床試験IBCSG 22-00 trialにおけるトリプルネガティブ乳がん患者のトランスクリプトームデータを解析した結果、免疫反応に関連する遺伝子群が高発現し浸潤リンパ球が多いことで知られるImmunomodulatory(IM)サブタイプにおいて、 JNKシグナルが活性化している症例は予後不良であることがわかった。また、JNKシグナルが活性化した腫瘍では、リンパ球浸潤が抑制されているとともに細胞外マトリクスの産生に関わる遺伝子がエンリッチされていることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マルチオミクス解析にむけ、各シーケンシングや画像解析の条件検討は問題なく遂行できている。また、研究結果の一部を学会や論文にて発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、マウス腫瘍組織のシングルセル解析を行い、ヒトCAFsの解析で得られた知見に照らし合わせて細胞間相互作用に着目した解析を進める予定である。また、CAFsにおける代謝動態に着目した研究も行っており、CAFsの代謝と細胞間相互作用の関係について解析を行う。
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