Project/Area Number |
23K27724
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Project/Area Number (Other) |
23H03033 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56020:Orthopedics-related
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
渡邉 航太 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (60317170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 守雄 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (40209656)
八木 満 国際医療福祉大学, 医学部, 教授 (40338091)
寺尾 知可史 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, チームリーダー (60610459)
鈴木 悟士 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (80573360)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,850,000 (Direct Cost: ¥14,500,000、Indirect Cost: ¥4,350,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥7,020,000 (Direct Cost: ¥5,400,000、Indirect Cost: ¥1,620,000)
Fiscal Year 2023: ¥7,800,000 (Direct Cost: ¥6,000,000、Indirect Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 思春期特発性側弯症 / 発症関連遺伝子 / 進行関連遺伝子 / 脊柱側弯症 / ポリジェニックスコア / 疾患感受性遺伝子 / メタ解析 |
Outline of Research at the Start |
思春期側弯症の遺伝子学的なアプローチによる病態解明とその結果の臨床応用を目的とする。病態解明のための遺伝子学的なアプローチ:本疾 患に対して全国20の大学・病院の協力で6,000人の遺伝子サンプルからゲノムワイド関連解析を行い、側弯症の発症に関与する疾患感受性遺伝 子を3個、進行に関与する遺伝子を2個、2019年には14個の新規伝子座(SNP)を同定した。本研究ではGWASで高い相関が見られたSNPに対し、in silico解析、SNP周辺のsgRNAを使用したCRISPR-dCAS9によるエピジェネティックなゲノム編集技術を使用し、疾患の発症に関わる真の感受性 遺伝子多型、感受性遺伝子を同定する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2019年にAIS患者5,327人、非患者73,884人を用いたGWASを行い、新たに14の新規領域を同定した。これにより同定された疾患感受性領域は20となった。既知の疾患感受性遺伝子であったLBX1, BNC2, GPR126の他に、新たに同定された神経系の発達、機能に関わるUNCXでもゼブラフィッシュを用いた実験で容量依存的に側弯症を発症することを示した。 そして、今回はAISの更なる遺伝的背景の解明のため日本人に加えて香港、米国、アイスランドのグループと連携して、合計AIS患者8,098人、非患者433,412人においてGWASの国際メタ解析を行った。結果として更に22の新規領域を同定した。続いてメタ解析結果から遺伝統計学的手法を用いて様々なpost-GWAS解析を行った。結果として、東アジア人種と欧米人種の集団間に強い遺伝的相関(相関係数ρ:0.87)があること、AISの遺伝的要因が横紋筋肉腫、軟骨細胞、筋芽細胞などの転写調節領域において強い関連を示すことなどが示された。強い関連を示した転写調節領域を統合すると全ゲノムの9.4%の領域で72%の遺伝的要因を説明できると推定された。更にポリジェニックリスクスコア(PRS)を用いた予測モデルを作成した。日本人、東アジア人種、全人種と人種を加えるごとにモデルの予測能が向上することを示した。上記の強い関連を示した領域をPRSに優先的に組み込むことで最大予測能を持つモデル(AUC=0.733)を作成した。 また、AIS特異的な細胞種や細胞種ごとの発現変動遺伝子の同定により、解像度の高い病態解明を実現するためにAIS組織を用いたシングルセル/核 RNA-seq解析も並行して行なっている。現在は候補関連組織である筋肉に着目し、AIS患者と非患者の傍脊柱筋を用いたシングル核RNA-seqを実施中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要、今後の推進方策でも記載したように、計画は順調に進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
国際メタ解析においては、予定していた解析の大部分を終了し、2024年度中に解析結果をまとめて論文投稿をすることを予定している。 AIS患者の傍脊柱筋を用いたシングル核RNA-seqに関しては、筋肉組織においてAISと関連する細胞種や組織特異的に起きている遺伝子発現の変化を同定し、AIS GWAS国際メタ解析の結果と照合することでより病態の解明や新たな予防法、治療法の開発に近づくことができると考えている。実際にGWAS国際メタ解析では横紋筋肉腫や筋芽細胞の転写調節領域において、AISの遺伝的要因が集積しているという結果も得られており、筋肉組織を用いた本研究にて興味深い結果が期待される。 傍脊柱筋サンプル収集の基準として、AIS患者は骨成熟の過程で側弯が進行中と考えられる12-16歳、risser sign4未満の手術患者と対照群として12-16歳の非側弯腰椎疾患(腰椎椎間板ヘルニアや骨軟部腫瘍患者)による手術患者を設定し、それぞれから傍脊柱筋組織を手術時に採取して実験を進めている。現在、AIS症例8件、対照群2件を収集している。核抽出は10x genomics 社のNuclei isolation kit を用いて行い、繰り返し検証を行い、多すぎないdebris の量と十分な核数を両立して抽出できる実験系の確立を行った。核抽出後のシークエンスに向けたライブラリー作成には同じく10x genomics 社のChromium 5' GEM シングルセルキットを使用し、現時点で4サンプルのライブラリーを作成した。ライブラリーの品質を浅いシークエンス(Miseq)にて確認済であり、本解析用の深度の深いシークエンス(Novaseq)を今後行う予定である。最終的には8-10 サンプルを用いた解析を予定している。将来的には軟骨、神経など他の組織も用いたシングルセル/核解析も検討している。
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