Project/Area Number |
23K27735
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Project/Area Number (Other) |
23H03044 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56040:Obstetrics and gynecology-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
加藤 聖子 九州大学, 医学研究院, 教授 (10253527)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片山 佳樹 九州大学, 工学研究院, 教授 (70284528)
森 健 九州大学, 工学研究院, 准教授 (70335785)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,590,000 (Direct Cost: ¥14,300,000、Indirect Cost: ¥4,290,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥9,100,000 (Direct Cost: ¥7,000,000、Indirect Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 子宮体がん / がん幹細胞 / DUSP6 / CT45 |
Outline of Research at the Start |
我々はがん幹細胞形質維持にはDUSP6、治療抵抗性や癌幹細胞の可塑性にはYBX2やCT45A5、浸潤能や転移能獲得、がん細胞周囲の微小環境にはS PARC・fibronectinがそれぞれ重要であることを報告した。本研究では細胞株、臨床検体組織を用いて上記の蛋白を発現する細胞の生物学的特 性、臨床病理学的特徴を検討するとともに、幹細胞の多様性に関与するゲノム情報の詳細を解析する。また、CT45A5の腫瘍免疫への関与の検討 を行うとともにSPARCやDUSP6を標的とした新規治療薬の開発を試み、がん幹細胞の多様性やその周囲微小環境を標的とした治療法を開発する。
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Outline of Annual Research Achievements |
子宮体がんの罹患率は最近15年間で3倍と増加しており、対策が急がれる婦人科がんの一つである。その予後は病期と組織型に規定され、特に進行期の低分化癌、漿液性癌、癌肉腫は治療抵抗性である。その要因として、がん組織に存在するがん幹細胞の存在が考えられている。幹細胞は自己複製能と多分化能を持つ細胞と定義されるが、がん幹細胞には可塑性や多様性があること、周囲のがん微小環境と相互作用を持つことが近年報告され、それらを克服する多角的な治療戦略が必要である。 がん幹細胞の標的治療が困難である理由の一つは、それが持つ可塑性・多様性だと考えられている。我々は子宮体癌がん幹細胞の解析を行い、浸潤能や転移能獲得、周囲の微小環境への上皮間葉移行(EMT)や癌幹細胞から分泌されるSPARC・fibronectinの重要性を報告してきた。また胚細胞や癌細胞で発現が報告されているYBX2遺伝子を癌細胞に導入し脱分化させ未分化ながん幹細胞の誘導に成功し、YBX2が可塑性に関与していることを示した。さらにこの手法を用い、がん幹細胞形質維持にはERKリン酸化阻害酵素のDUSP6、治療抵抗性や癌幹細胞の可塑性にはcancer testis antigenであるCT45A5が重要であることを明らかにした。DUSP6はERKリン酸化を阻害するが、AKTリン酸化を亢進させており、子宮体癌のdriver遺伝子の一つRASを介する経路に関連すると考えられる。 本研究では子宮体癌細胞株、子宮体癌や癌肉腫の臨床検体組織を用いて上記の蛋白を発現する細胞の生物学的特性、臨床病理学的特徴を検討するとともに、シングルセル解析により幹細胞の多様性に関与するゲノム情報を解析する。またCT45A5の腫瘍免疫への関与の検討とSPARCやDUSP6を標的とした新規治療薬の開発を試み、がん幹細胞の多様性やその周囲微小環境を標的とした治療法を開発する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、 DUSP6発現とKRAS変異の臨床病理学的検討と治療薬の開発に関してはTCGAの解析や子宮体癌細胞株にDUSP6を形質導入し、PI3K阻害剤alpelisibの効果を確認できた。また、CT45A5発現癌細胞の腫瘍免疫への影響の検討に関しては、子宮体癌組織より組織浸潤T 細胞をFACSでCD3陽性CD4陽性T細胞、CD3陽性CD8陽性T細胞を分取し、それぞれのシングルセルRNAシークエンスへ提出するところまではできた、 SPARCを用いたがん幹細胞と周囲の微小環境を標的とした新規薬剤の開発に関しては Aldoxorubicinの効果は確認できたが、まだ新規薬剤の開発ができていない。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、DUSP6発現とKRAS変異の臨床病理学的検討と治療薬の開発に関してはDUSP6ノックダウン細胞を樹立し、alpelisibの効果を強制発現細胞株の結果と比較する。また、3次元培養での解析も加える。CT45A5発現癌細胞の腫瘍免疫への影響の検討に関しては、前年度提出したシングルセルRNAシークエンスの結果を確認し、免疫細胞の機能解析および、CT45A5発現と免疫チェックポイント阻害剤の治療効果を検討する。SPARCを用いたがん幹細胞と周囲の微小環境を標的とした新規薬剤の開発に関しては、アルブミン結合型エルブリンを完成させ、aldoxorubicinの結果と比較する。
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