上咽頭癌におけるEBVと宿主細胞相互作用の分子機構解明と新規治療法の開発
Project/Area Number |
23K27744
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Project/Area Number (Other) |
23H03053 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56050:Otorhinolaryngology-related
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
吉崎 智一 金沢大学, 医学系, 教授 (70262582)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 一平 金沢大学, 附属病院, 講師 (30547154)
近藤 悟 金沢大学, 附属病院, 講師 (70436822)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,200,000 (Direct Cost: ¥14,000,000、Indirect Cost: ¥4,200,000)
Fiscal Year 2026: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,940,000 (Direct Cost: ¥3,800,000、Indirect Cost: ¥1,140,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,330,000 (Direct Cost: ¥4,100,000、Indirect Cost: ¥1,230,000)
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Keywords | 上咽頭癌 / Epstein-Barr ウイルス / 再活性化 / オートファジー / 細胞競合 |
Outline of Research at the Start |
上咽頭癌とEpstein-Barr ウイルス(EBV)の病因論的解析において血中EBV抗体価の上昇およびEBV-DNA増加は上咽頭癌発癌の最上位リスクファクターである。上咽頭癌においてEBV潜伏感染が維持されているならばEBVは細胞内に存在しても細胞外には放出されず血中EBV-DNAの起源について説明がつかない。 本申請では、上咽頭癌細胞にEBVが発見されて50年間未解明なウイルス学の定説と実臨床で耳鼻咽喉科・頭頸部外科医が遭遇する現象の乖離、すなわち、EBV感染細胞におけるウイルス複製とがん化という相反する生物学的命題にアプローチする。そして臨床的に有効なウイルス複製誘導療法確立を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本申請では、上咽頭癌細胞にEBVが発見されて50年間未解明なウイルス学の定説と実臨床で耳鼻咽喉科・頭頸部外科医が遭遇する現象の乖離、すなわち、EBV感染細胞におけるウイルス複製とがん化という相反する生物学的命題にアプローチする。そして臨床的に有効なウイルス複製誘導療法確立を目指す。上咽頭癌細胞にEBVが発見されて50年間未解明なEBV感染細胞におけるウイルス複製とがん化という相反する生物学的命題にアプローチし、初年度は血中cell-free EBV-DNAと腫瘍細胞からのEBVシークエンス解析を行なった。 血中EBV-DNAの起源は同定されておらず、長年議論が続いている。本申請ではこの議論に終止符を打つべく以下の研究を遂行した。血中EBVが潜伏感染腫瘍細胞の崩壊によって放出されたEBVであれば、EBVのターミナルリピート(TR)コピー数は同一である。一方で複製誘導の結果放出されたものであればターミナルリピートコピー数はバラバラである(Raab-Traub et al. Cell 1985)。i)すでに腫瘍からEBVを抽出してシークエンス解析に用いた42例の上咽頭癌患者について、保存されている血清からDNA精製キットを用いてcell-free DNAを抽出し、腫瘍から抽出したEBVと患者血清から抽出したEBVにおいてTRの3’末と5’末側に相補的なプライマーを作成しPCRでTRを増幅した。 ii)PCRプロダクトの全長を比較し、cell-free DNAは腫瘍壊死の結果放出された潜伏感染ウイルス(親ウイルスと同じTRコピー数)であるか、ウイルス複製サイクル誘導により産生されたウイルス(親ウイルスと異なるTRコピー数)であるかを検討した。血清中のEBV-TRからは腫瘍内の親ウイルスと異なった複数の種類のTRが検出され、ウイルス複製サイクル誘導により産生されたものであることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本申請では、上咽頭癌細胞にEBVが発見されて50年間未解明なウイルス学の定説と実臨床で耳鼻咽喉科・頭頸部外科医が遭遇する現象の乖離、すなわち、EBV感染細胞におけるウイルス複製とがん化という相反する生物学的命題にアプローチしている。すなわち、上咽頭癌においてEBV潜伏感染が維持されているならばEBVは細胞内に存在しても細胞外には放出されず血中EBV-DNAの起源について説明がつかない。令和5年度は上述のようにEBVターミナルリピートPCRプロダクトの全長を比較し、cell-free DNAは腫瘍壊死の結果放出された潜伏感染ウイルス(親ウイルスと同じTRコピー数)であるか、ウイルス複製サイクル誘導により産生されたウイルス(親ウイルスと異なるTRコピー数)であるかを検討した。血清中のEBV-TRからは腫瘍内の親ウイルスと異なった複数の種類のTRが検出され、ウイルス複製サイクル誘導により産生されたものであることが判明した。よって順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
血中cell-free EBV-DNAと腫瘍細胞からのEBVシークエンス解析血中EBV-DNAの起源は同定されておらず、長年議論が続いていた。本申請ではこの議論に終止符を打つべく昨年度から以下の研究を開始した。血中EBVが潜伏感染腫瘍細胞の崩壊によって放出されたEBVであれば、EBVのターミナルリピート(TR)コピー数は同一である。一方で複製誘導の結果放出されたものであればターミナルリピートコピー数はバラバラである(Raab-Traub et al. Cell 1985)。令和5年度は血清中のEBV-TRからは腫瘍内の親ウイルスと異なった複数の種類のTRが検出され、ウイルス複製サイクル誘導により産生されたものであることが判明した。したがって令和6年度は上記課題について引き続き取り組むとともに、新たにウイルス感染細胞に様々な条件でウイルス複製を誘導する。 まず、ブチル化ナトリウムによる強力なウイルス複製誘導とエストロゲンによるマイルドなウイルス複製誘導における腫瘍細胞の生存率を比較してウイルスイコール細胞死でないことを確立する。次にウイルス複製誘導時のEBV分泌現象をナノスーツ法を用いた電子顕微鏡解析で明らかにするべく研究を進める。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)