Project/Area Number |
23K27758
|
Project/Area Number (Other) |
23H03067 (2023)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56070:Plastic and reconstructive surgery-related
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
田中 里佳 順天堂大学, 医学部, 教授 (70509827)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤村 聡 順天堂大学, 医学部, 特任助教 (00517542)
古川 聖美 順天堂大学, 大学院医学研究科, 博士研究員 (00896475)
内藤 尚道 金沢大学, 医学系, 教授 (30570676)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
Budget Amount *help |
¥18,720,000 (Direct Cost: ¥14,400,000、Indirect Cost: ¥4,320,000)
Fiscal Year 2025: ¥6,630,000 (Direct Cost: ¥5,100,000、Indirect Cost: ¥1,530,000)
Fiscal Year 2024: ¥6,110,000 (Direct Cost: ¥4,700,000、Indirect Cost: ¥1,410,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,980,000 (Direct Cost: ¥4,600,000、Indirect Cost: ¥1,380,000)
|
Keywords | マクロファージ / 血管再生 / 組織再生 |
Outline of Research at the Start |
申請者は、末梢血中の血管再生と組織再生を促す新しいマクロファージを発見し、『ReMa細胞 (Regenerative Macrophage Cell) 』と名付けた。ReMa細胞は我々独自の培養方法より見出された細胞であるため、ReMa細胞が誕生するメカニズムを明らかにすることでマクロファージの血管再生能をコントロールする手法を見出すことができるのではないかと考えた。本研究では、ReMa細胞の細胞生物学的特性を明らかにして新たな血管再生療法を見出す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
末梢血の単核球中のマクロファージは、CCR2+の炎症性M1マクロファージのフェノタイプを有する細胞が90%以上を占め、5%未満が再生M2マクロファージである。末梢血単核球生体外培養増幅法にて培養することでM2マクロファージがCDXを発現し、ReMa細胞である血管再生マクロファージへと変化しReMa細胞になれなかったNon-Rema細胞は血管再生能を有さない。本機序を解明するため、Single Cell RNA SeqにてReMa細胞とNon-Rema細胞の遺伝子発現を比較しReMa細胞への運命決定因子候補Aを探索した。 解析の結果、ReMa細胞とNon-Rema細胞では、ReMa細胞に複数の遺伝子が有意に発現していることがわかった。複数の血管新生因子に加えて、細胞接着や細胞遊走関連因子も有意に発現していることが新たに判明し、real time PCRによる遺伝子解析でも同様の結果を得た。検出された遺伝子の中から血管再生因子においてTube formation assayを実施し、因子を添加すると血管形成が促進し、阻害すると血管形成は抑制した。細胞遊走においては、ReMa細胞とnon-Rema細胞を線維芽細胞と共培養したところ、ReMa細胞は線維芽細胞の遊走を亢進し、遺伝子解析結果と細胞生物学的特性の相関関係を裏付けた。 糖尿病患者由来ReMa細胞も同様に解析し、疾患特異的因子の検出にも取り組んだ。健常者由来ReMa細胞と比較すると、糖尿病患者由来ReMa細胞は健常者よりも非常に幼弱な細胞であることが示唆され、更に糖尿病患者ReMa細胞に有意に発現している遺伝子を発見した。この遺伝子が疾患特異的因子となるかは現在追究中である。 上記成果より、ReMa細胞に特異的に発現する遺伝子を複数発見し、これらの因子中にReMa細胞の運命決定に最も重要となる因子が含まれている可能性が非常に高い。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
末梢血の単核球中のマクロファージは、CCR2+の炎症性M1マクロファージのフェノタイプを有する細胞が90%以上を占め、5%未満が再生M2マクロファージである。末梢血単核球生体外培養増幅法にて培養することでM2マクロファージがCDXを発現しReMa細胞である血管再生マクロファージへと変化し、ReMa細胞になれなかったNon-Rema細胞は血管再生能を有さない。本機序を解明するため、Single Cell RNA SeqにてReMa細胞とNon-Rema細胞の遺伝子発現を比較しReMa細胞への運命決定因子候補Aを探索した。 解析の結果、ReMa細胞とNon-Rema細胞では、ReMa細胞に複数の遺伝子が有意に発現していることがわかった。複数の血管新生因子に加えて、細胞接着や細胞遊走関連因子も有意に発現していることが新たに判明し、real time PCRによる遺伝子解析でも同様の結果を得た。検出された遺伝子の中から血管再生因子においてTube formation assayを実施し、因子を添加すると血管形成が促進し、阻害すると血管形成は抑制した。細胞遊走においては、ReMa細胞とnon-Rema細胞を線維芽細胞と共培養したところ、ReMa細胞は線維芽細胞の遊走を亢進し、遺伝子解析結果と細胞生物学的特性の相関関係を裏付けた。 糖尿病患者由来ReMa細胞も同様に解析し、疾患特異的因子の検出にも取り組んだ。健常者由来ReMa細胞と比較すると、糖尿病患者由来ReMa細胞は健常者よりも非常に幼弱な細胞であることが示唆され、更に糖尿病患者ReMa細胞に有意に発現している遺伝子を発見した。この遺伝子が疾患特異的因子となるかは現在追究中である。 上記成果より、ReMa細胞に特異的に発現する遺伝子を複数発見し、これらの因子中にReMa細胞の運命決定に最も重要となる因子が含まれている可能性が非常に高い。
|
Strategy for Future Research Activity |
2023年度の成果よりReMa運命決定因子Aを特定し以下の研究課題に取り組む。 Ⅰ 運命決定因子Aの発現と機能解析:ヒト末梢血及び皮膚組織のReMa細胞の因子AをRNAi法のレンチウイルスベクターにてノックダウンし、ReMa細胞表面抗原の一つであるCDX+の発現変化をFACSで観察し、その細胞生物学的特性変化をTube Formation Assay、EPC Colony Forming Assay等にて解析、運命決定因子Aを同定する。 Ⅱ In Vitro単核球細胞より運命決定因子A導入によるReMa細胞の作成:運命決定因子AをRNAi導入された単核球においてCDX+の発現変化を上記と同様の解析を行い、ReMa細胞が単核球より直接作成可能かを検証する。ⅠとⅡのレンチウイルスがReMa細胞への影響が大きい場合は、他の導入法を検討、十分な導入効率を得るため数種類のRNA配列検討を行い、最適な条件を選択する。 Ⅲ 運命決定因子Aノックアウト(KO)マウスを用いた血管再生機構の検証:運命決定因子AのKOマウスをCRISPR/Cas9システムを用いて作製する。その後下肢虚血または皮膚潰瘍モデルを作成し、経時的な血管再生過程と潰瘍縮小率を測定し再生障害を確認する。各時間の虚血及び潰瘍組織においてReMa細胞CD31を免疫染色法にて検出し、組織中の遺伝子やタンパク質変化を評価する。 Ⅳ 生体内ReMa細胞増幅法の検証:運命決定因子A複数候補より、生体内でのReMa増幅因子を検証する。糖尿病潰瘍または下肢虚血モデルに運命決定因子Aを投与し、創傷治癒や虚血改善が可能か検証する。続いて、因子AのKOマウスに上記同様のモデルを作成し、運命決定因子Aを投与、あるいは放射線照射因子KOマウスに因子Aを発現するWild typeマウス骨髄を移植したうえで因子A活性化因子を投与し虚血環境改善の有無を検証する。
|