Project/Area Number |
23K27800
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Project/Area Number (Other) |
23H03110 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 57070:Developmental dentistry-related
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
森山 啓司 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (20262206)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 卓也 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (50401360)
東堀 紀尚 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (50585221)
小林 起穂 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 助教 (20596233)
小笠原 毅 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 助教 (50844669)
淺原 弘嗣 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (70294460)
高橋 暁子 公益財団法人がん研究会, がん研究所 細胞老化研究部, 部長 (60380052)
仁木 佑紀 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 医員 (10964819)
宮崎 貴行 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 特任助教 (60964971)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,980,000 (Direct Cost: ¥14,600,000、Indirect Cost: ¥4,380,000)
Fiscal Year 2027: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2025: ¥5,330,000 (Direct Cost: ¥4,100,000、Indirect Cost: ¥1,230,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2023: ¥8,320,000 (Direct Cost: ¥6,400,000、Indirect Cost: ¥1,920,000)
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Keywords | 細胞老化 / 歯科矯正学 / SASP因子 / 歯の移動 / senolytic drug / 矯正学的歯の移動 / Senolytics drug |
Outline of Research at the Start |
オーラルフレイルの起点ともなる咬合の崩壊は、認知機能に影響を与えることが報告されており、適切な咬合状態は、将来の加齢性疾患の予防に寄与することが報告されている。一方、加齢に伴う歯周組織の加齢性変化のため、高齢者への矯正歯科治療の適応に大きな制限があるのが現状である。そこで本研究は、老化モデルマウスを用いた矯正学的歯の移動実験を行い、歯周組織のリモデリングにおける細胞老化に着目して口腔内の老化細胞を治療標的としたsenolytic drugの作用を検討することを目的とする。得られる成果は、歯科臨床におけるsenolyticsの概念に基づいた新たな治療戦略開発の基盤創成につながると期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
矯正学的歯の移動は、歯周組織にメカニカルストレスを付与し、低酸素ストレスが生じることも知られているが、このような局所における特異的なストレス条件が細胞老化に与える機構や、分泌されるSASPの種類などは全く未知である。近年、矯正歯科治療の対象となる患者の年齢層は中高年齢層へと拡大傾向にあるが、中高年層の矯正治療患者は、歯周組織のターンオーバーが低下し、歯の移動速度の遅延による矯正歯科治療期間の遷延や、治療後の顕著な歯肉・歯槽骨退縮による支持組織の喪失といった加齢に伴った合併症をしばしば呈する。オーラルフレイルの起点ともなる咬合の崩壊は、食事の多様性を低下させ、脳の萎縮や認知機能に影響を与えることも報告されており、適切な咬合状態の確立と維持は、将来の加齢性疾患の予防に寄与することが明らかにされつつある。すなわち、良好な歯列形態や咬合の確立と維持は健康寿命伸展に寄与するが、加齢に伴って矯正治療の介入が困難となっているのが現状である。現在、さまざまな老化現象の仕組みが明らかとなり、老化を食い止めることで加齢性疾患を予防するアプローチが開発されている。そこで本研究は、老化モデル動物を用いた矯正学的歯の移動実験を行い、歯周組織のリモデリングにおける細胞老化(cellular senescence)に着目して口腔内の老化細胞を治療標的としたsenolytic drugの作用を検討することを目的とする。得られる成果は、歯科臨床におけるsenolyticsの概念に基づいた新たな治療戦略開発の基盤創成につながると期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在、マウスおよびラット由来の歯周組織細胞における細胞老化について、in vitro実験系にて確認を行っている。各週齢(7~24週齢)の野生型C57BL/6マウスまたはラットおよび老齢(72週齢~)マウスまたはラット由来の歯周組織より細胞を採取したのち、SA-β-gal(senescence-associated beta-galactosidase)染色、DNA損傷応答の評価、細胞老化マーカーの発現様相、senescence-associated secretory phenotype(SASP)遺伝子群の発現変動をRT-qPCR、蛍光免疫組織染色、Western blotにより評価中であり、結果の再現性について、また週齢との相関について統計学的解析を検討している。 また、in vitro実験系において、歯根膜細胞をコラーゲンスポンジ内で三次元培養を行い、加重を付加することで細胞にメカニカルストレスを付与し、細胞老化マーカーの発現様相やSASP因子の発現変動について分子生物学的手法により解析を行っている。本実験系では過重負荷の期間、加重の大きさなどにより実験データにばらつきが認められたため、現在再現性の確認と最適な実験系の確立を目指している。 また当初、培養歯根膜細胞の細胞老化を促進させる方法としてX線照射を検討していたが、選択的な老化細胞の除去を行うことを視野に入れ、細胞老化誘導薬剤の適応を検討し、予備実験を予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
1.歯周組織特有の細胞老化マーカーまたはSASPの同定 既知のSASP因子として知られている代表的なマーカーの他、歯周組織由来の細胞特異的なマーカーについて明らかにするため、アレイ解析を予定している。細胞老化を誘導したマウスまたはラットの歯根膜細胞および歯槽骨骨芽細胞を採取し、コントロール群と比較して発現の変化が有意に認められる遺伝子群をマイクロアレイから抽出する予定である。また、GO解析やpathway解析より、どの様な機能を持った遺伝子群の発現変動が起きているかをスクリーニングすることを検討している。 2.老化誘導モデル動物におけるsenolytic drugの矯正学的歯の移動に対する影響についての検討 老化細胞特異的に細胞死を誘導するsenolytic drugとして、ダサニチブ+ケルセチンやARV825など既にいくつかの薬剤が同定されている。早老症モデル動物および歯周組織において細胞老化の誘導を確認できた動物を用いてsenolytic drugの投与を行う。老化モデル動物において矯正学的歯の移動量に有意な差が見られた場合、senolytic drug投与前後で老化細胞の発現量の低下や歯の移動量の回復が見られないか、またその他の表現型の変化をマイクロCT・組織学的手法・RT-qPCR・Western blot法にて評価することを検討している。
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