Project/Area Number |
23K27854
|
Project/Area Number (Other) |
23H03164 (2023)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58030:Hygiene and public health-related: excluding laboratory approach
|
Research Institution | Keio University (2024) Kyoto University (2023) |
Principal Investigator |
佐藤 豪竜 慶應義塾大学, 総合政策学部(藤沢), 講師 (20867965)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 晴子 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (90329318)
中込 敦士 千葉大学, 予防医学センター, 准教授 (70792711)
近藤 克則 千葉大学, 予防医学センター, 教授 (20298558)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
Budget Amount *help |
¥18,590,000 (Direct Cost: ¥14,300,000、Indirect Cost: ¥4,290,000)
Fiscal Year 2026: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2025: ¥6,110,000 (Direct Cost: ¥4,700,000、Indirect Cost: ¥1,410,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
|
Keywords | 高齢者の健康 / 引退 / 因果推論 / ハーモナイズドデータ / 国際比較 / 認知機能 / 身体機能 / 主観的健康 / 効果の異質性 / causal forests / 操作変数法 |
Outline of Research at the Start |
世界的に高齢化が進展する中で健康寿命の延伸に関心が寄せられているが、高齢者の生活と健康に関する研究の多くは一か国内で行われており 、一般化可能性に限界がある。このため、本研究は、国際比較可能な「世界標準」の高齢者の長期追跡データベースを整備・公開し、一般化可能性の高いエビデンスを創出することを目的とする。これにより、日本と諸外国の共通点と相違点は何なのか、日本(他国)の事例は他国(日本)にも応用できるのかという問いに答えられるようになる。35か国以上の多国間比較が可能なデータベースが整備されることで、国内外の研究者が日本のデータを活用し、質の高いエビデンスが継続的に創出されることが期待される。
|
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、米国のHealth and Retirement Studyとその姉妹調査のハーモナイズドデータを用い、引退が認知機能、身体機能、主観的健康といった慢性的な健康状態に与える効果とその異質性を検討した。 性別でのサブグループ分析を行ったところ、男性では引退が主観的健康を0.100標準偏差(SD)増加させる効果が見られたが、その他のアウトカムでは明確な関連は認められなかった。一方、女性では、引退すると認知機能で0.100 SDの増加、身体的自立で3.8%ポイントの増加、主観的健康で0.193 SDの増加が認められた。さらに、女性では、引退すると身体不活動が4.3%ポイント、喫煙が1.9%ポイント減少することが示唆されたが、男性ではこのような関連は認められなかった。これらの結果から、男女での引退後の健康行動の違いが、健康アウトカムの性差の一部を説明している可能性がある。 また、instrumental variable forestsによって引退が認知機能に与える効果の異質性を分析した結果、引退した者は労働者と比べて平均して1.348個多くの単語を思い出すことができた。また、引退が認知機能に与える効果の異質性が示唆され、特に女性、高学歴、高資産、高収入、専門職、事務職、パートタイム職、健康状態が良い者、日常的に運動を行っている者は、引退が認知機能にもたらす正の効果が大きい傾向にあった。引退に効果の異質性があることを踏まえると、個人が引退のタイミングを選択できるよう年金制度を設計した方が得策であるという政策的含意が導かれる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、引退が慢性的な健康状態(認知機能、身体機能、主観的健康)に与える影響について操作変数法を用いて分析し、結果を得た。また、引退が認知機能に与える効果の異質性について、機械学習を基にしたinstrumental variable forestsを用いた分析も行った。これらの研究成果は、2本のプレプリントとして公開されている。 さらに、引退が心疾患リスクに与える影響についても、同様のハーモナイズドデータを用いて分析し、2023年6月に米国ポートランドで行われたSociety for Epidemiologic Researchの学術総会でポスター報告を行うとともに、結果は疫学分野におけるトップジャーナルの一つであるInternational Journal of Epidemiologyに掲載された。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き、米国のHealth and Retirement Study(HRS)とその姉妹調査のハーモナイズドデータを用い、高齢者の健康の社会的決定要因に関して一般化可能性の高いエビデンスの創出を進める。 また、日本老年学的評価研究(JAGES)の2025年度調査に向けて、HRS等との質問票のハーモナイゼーションを進める。
|