Project/Area Number |
23K27868
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Project/Area Number (Other) |
23H03178 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58040:Forensics medicine-related
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
垣本 由布 東海大学, 医学部, 教授 (40734166)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯崎 翔太郎 東海大学, 医学部, 講師 (60834504)
上田 篤 東海大学, 医学部, 助教 (90728560)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,980,000 (Direct Cost: ¥14,600,000、Indirect Cost: ¥4,380,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,330,000 (Direct Cost: ¥4,100,000、Indirect Cost: ¥1,230,000)
Fiscal Year 2023: ¥9,490,000 (Direct Cost: ¥7,300,000、Indirect Cost: ¥2,190,000)
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Keywords | 心臓性突然死 / 心肥大 / 質量分析 / タンパク質 / 異方性 / 突然死 / プロテオーム / MYH1 / CTNNA3 |
Outline of Research at the Start |
心臓性突然死は内因性突然死の原因として最多である。とくに働き盛りの中年男性に起こりやすく、その社会的影響は大きい。中年期の心臓性突然死の背景には、肥満や高血圧などの生活習慣病があり、慢性ストレスによる心筋のリモデリングが突然死の素因となっている。 心臓のポンプ作用を担う左室壁の筋肉は、解剖学的に内縦走筋・中輪状筋・外縦走筋の3層に分けられ、走行の異なる心筋群が共働して心臓の精緻な収縮能を維持している。本研究では、心臓タンパク質の異方的発現変化が心臓性突然死の素因となっている、という仮説を検証する。 本研究の達成により、心臓性突然死の正確な死後診断法と発症予防法の確立が期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
心不全のない心肥大群(CH)5例、心肥大のない健常群5例の剖検心臓組織を用いて検討を行った。初めに、各標本について組織学検査を行い、内縦走筋・中輪状筋・外縦走筋で心肥大や線維化に差がないかを検討した。次に、レーザーマイクロダイセクションを用いて、心臓左室自由壁から3層に分けてサンプリングを行い、計30検体について質量分析によるラベルフリー定量を行った。 健常群では、3層で心筋径や筋層線維化に差はなかった。健常群の3層タンパク質プロファイルは近似性が高く、主成分分析では明確に分離されなかった。いずれの筋層でも、MYH7・TTN・MYL3といった少数のサルコメアタンパク質が多量に発現にしていた。その一方、同定された1,220タンパク質のうち、92タンパク質に層間差を認めた。とくに、内層ではCTNNA3・MYH9・MYH14、外層ではMYH1・ACTN3・TNNC1といったアクチンフィラメント結合タンパク質が多く発現していた。MYH1は筋肉の運動耐性に関わるミオシンタンパク質であり、心臓の生理的な異方性収縮能の差に寄与する可能生が示された。また、CTNNA3は介在板に局在し心筋接着に関わるタンパク質であり、減少すると虚血時に不整脈を惹起することが知られている。心臓内層は生理学的に虚血に陥りやすい部位であり、内層でCTNNA3が高発現していることは伝導安定性に寄与すると考えられる。 CH群では、内層と中間層で著明な心筋肥大と線維化を認めた。外層でも一部心筋の肥大を認めたが細胞間差が大きかった。タンパク質プロファイルとしては、とくに外層で変化が大きく、同定された1,210タンパク質のうち204タンパク質に差を認めた。なかでも、MYH1・MYH6・MYH14といったアクチンフィラメント結合タンパク質が減少しており、圧負荷時に心臓長軸方向の収縮能変化に寄与する可能生が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
プロテオーム解析で得られたデータ量が想定より多く、突然死群の解析まで終えられなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
健常心筋層内と心肥大外層で発現に差が見られたMYH1については、培養心筋細胞に強発現させて機能解析を行う。 虚血性心不全や高血圧性心不全などの心臓性突然死群についても、同様の組織学検査とプロテオーム解析を行い、心肥大群・健常群と比較する。
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