Development of preemptive preventive care based on pharmacological mechanism for Docetaxel therapy related lower extremity edema
Project/Area Number |
23K27877
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Project/Area Number (Other) |
23H03187 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58050:Fundamental of nursing-related
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
須釜 淳子 藤田医科大学, 社会実装看護創成研究センター, 教授 (00203307)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
間脇 彩奈 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 助教 (10533341)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,980,000 (Direct Cost: ¥14,600,000、Indirect Cost: ¥4,380,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2023: ¥11,830,000 (Direct Cost: ¥9,100,000、Indirect Cost: ¥2,730,000)
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Keywords | ドセタキセル / 浮腫 / 血管透過性 / 予防 / in vivo / 生体イメージング / 慢性浮腫 / 動物モデル |
Outline of Research at the Start |
乳がんなどの化学療法の代表的な治療法として使用されているドセタキセルは有効性が高いが、副作用として浮腫を生じ、QOLを著しく低下させる。さらに浮腫が増強し、ドセタキセル療法の中止を余儀なくされる場合もある。がん患者におこる浮腫としてリンパ浮腫は注目され、ケアが実践されているが、ドセタキセルによって起こる浮腫はリンパ浮腫とは発症機序が異なり、血管内皮細胞等の破綻によると言われる一方で、組織間質液の増加機構については明らかでない点も多いためケア開発が遅れている。本研究では動物モデルを用いてドセタキセル療法によって起こる組織間質液の増加および細胞傷害を可視化し、浮腫予防ケアについて検証する
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Outline of Annual Research Achievements |
乳がんなどの化学療法の代表的な治療法として使用されているドセタキセルは有効性が高いが、副作用として「浮腫」を生じ、これまでの洋服や靴が履けず外出することが億劫となり閉じこもりがちになるなど、ボディイメージの変化への戸惑いとともに、QOLを著しく低下させ、社会活動への影響を生じさせている。さらに浮腫が増強し、ドセタキセル療法の中止を余儀なくされる場合もある。がん患者におこる浮腫としてリンパ浮腫は注目され、ケアが実践されているが、ドセタキセルによって起こる浮腫はリンパ浮腫とは発症機序が異なり、血管内皮細胞等の破綻によると言われる一方で、組織間質液の増加機構については明らかでない点も多いためケア開発が遅れている。本研究では動物モデルを用いてドセタキセル療法によって起こる組織間質液の増加および細胞傷害を可視化し、浮腫予防ケアの効果について検証することを目的としている。 2023年度は第一段階として動物モデル作製の検討およびドセタキセル投与後の間質液の増減を明らかにすることを目的に研究を行った。使用動物にはマウスを選択し、先行研究をもとに投与量や投与経路を検討し投与方法を決定した。間質液増減を評価するため、薬剤投与前後に体重と生体インピーダンスの測定を行い、薬剤投与後にはMiles assayによる血管透過性評価、in vivo生体イメージング装置を使用してリンパ管機能評価を行った。動物選択、投与方法の検討についてと血管透過性評価の結果についてはそれぞれ学会発表を行った。 今後もドセタキセルによる血管透過性の亢進が間質液貯留に及ぼす影響についてさらに検討する必要があるが、併せて第2段階として、看護ケア開発に向けた実験プロトコールの検討、実験を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は動物モデル作製のための検討とドセタキセル投与後の間質液の増減を明らかにするための評価方法の検討を行った。使用動物としてマウスを選択し、先行研究をもとに投与量や投与経路を検討し投与方法を決定した。また、間質液の増減を評価するため、薬剤投与前後に体重と生体インピーダンスの測定を行い、薬剤投与後にはMiles assayによる血管透過性評価、in vivoイメージング装置を使用してリンパ管輸送評価を行った。 検討の結果、ドセタキセル誘因性浮腫モデルは、マウス(ICR)の尾静脈から薬剤を5日間連続で投与して作製することとした。このモデルは血管透過性評価では、血管透過性の亢進を明らかにすることができなかった。しかし、生体インピーダンス測定による細胞外液量の増加があり、リンパ管輸送評価による輸送量がコントロール群と比較して多かったことから、ドセタキセル投与により血管透過性が亢進していることが考えられ、このモデルがドセタキセル誘因性浮腫モデルとなる可能性が考えられた。この動物選択と投与方法の検討、血管透過性評価の結果についてはそれぞれ学会発表を行った。しかし、今回作製したモデルは肉眼的な浮腫を発症することは無かった。 今後はこのモデルを基準として、担癌マウスや血管障害を持つ動物を使用して検討するなど、より血管透過性の亢進と間質液貯留が増加すると考えられる方法を用いて、より適切な浮腫ケア開発に向けた動物モデルの作製を続ける必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
ドセタキセル誘因性浮腫モデルマウスの作製についての方策:2023年度は正常マウス(ICR)の尾静脈から5日間連続でドセタキセル投与を行ってドセタキセル誘因性浮腫モデルマウスを作製した。しかし、このモデルでは血管透過性亢進状態を確認できたものの、マウス皮膚の肉眼的な浮腫の発症を認めることができなかった。今後は今回作製したモデルを基準として、担癌マウスや血管障害を持つマウスを使用するなど、更に血管透過性が亢進する方法を検討し、動物モデルを作製する必要がある。 浮腫ケア開発についての方策:2023年度に実験を行う中で、血管透過性やリンパ管輸送状態といった間質液動態はケアに係る少しの介入でも大きく変化するという現象を見ることがあった。今後、これらの現象を参考にして、浮腫ケアの技術開発につなげるための実験プロトコールの検討や実験を進めたい。具体的には、動物の皮膚に圧迫等の刺激を加えたり、体位変換を行ったりする前後での間質液動態を観察、評価するような実験プロトコールを考えている。 細胞モデルを用いた実験:これまでに作製したモデルは5日目の状況を評価したものであったが、実際にはいつから間質液の増減が始まりいつ終わるのか、細胞障害や修復はいつ起こるのか等、細胞モデルによる実験を行い、ドセタキセルが内皮細胞に及ぼす障害過程や修復過程についても検討していきたい。これらが明らかになることでより適切な浮腫ケアの介入時期や予防方法の検討が行えると考えている。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)