Project/Area Number |
23K27946
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Project/Area Number (Other) |
23H03256 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59010:Rehabilitation science-related
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Research Institution | Nippon Sport Science University |
Principal Investigator |
中里 浩一 日本体育大学, 保健医療学部, 教授 (00307993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 一茂 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (00451849)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,330,000 (Direct Cost: ¥14,100,000、Indirect Cost: ¥4,230,000)
Fiscal Year 2026: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
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Keywords | 筋萎縮 / 毛細血管 / 運動神経 / 骨格筋 / 萎縮 / 不動化 / 筋線維タイプ |
Outline of Research at the Start |
骨格筋は身体動作の維持のみならず、糖代謝や内分泌物質分泌を介した多臓器・組織の健全性維持とも関わる。従って骨格筋萎縮の予防は重要である。 骨格筋萎縮を誘発する主要因は不活動による力学的免荷である。力学的免荷時における筋萎縮には毛細血管退縮の関与が指摘されているが運動神経変化とその寄与に関する研究は乏しい。 本研究は不活動に誘発される骨格筋萎縮時に筋と運動神経の接続部である神経筋接合部(neuromuscular junction, NMJ)と毛細血管がどのように変化するかを検討することである。さらに得られた成果を用いて不活動による骨格筋萎縮の効果的な抑制法の開発に挑戦する。
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Outline of Annual Research Achievements |
骨格筋萎縮を誘発する主要因は不活動による力学的免荷である。力学的免荷時において筋力は筋量の減少に先行しかつその変化量は大きい。すなわち力学的免荷時の骨格筋変化には骨格筋力に強い影響を与える運動神経の関与が推定される。ただし力学的免荷時における運動神経の変化は十分に検討されているとは言い難い。本研究の目的は特に運動神経および筋と運動神経の接続部である神経筋接合部が不活動によってどのように変化するかを検討することである。 本研究において不活動による神経筋接合部の変化を検討するにあたり、2023年度は不活動条件の設定をまず行った。本研究では以下の2つを主要な力学的免荷モデルとして設定した。それらモデルのうちひとつは無重力状態を模しているとされる尾懸垂モデル、もうひとつは尾懸垂とギプス固定を組み合わせることによる完全不動化モデルであった。尾懸垂モデルでは下腿筋群に対して力学的には完全に免荷されるが骨格筋自体の動きは自由である。一方尾懸垂とギプス固定を組み合わせることで動きが著しく制限されるため、結果的に下肢骨格筋ほぼ完全に不動化することを見出した。そこでこの二つのモデルを用いて下肢骨格筋の萎縮率および筋線維タイプの変化を検討することとした。 免荷による骨格筋萎縮にて筋線維タイプの変化は速筋と遅筋において応答が異なるとされるが必ずしも統一した見解が得られていない。そこで尾懸垂モデルにおいて筋線維タイプによる萎縮率を検討したところ、多くの既報と同じく遅筋線維が萎縮することを確認した。一方で不動化モデルでは速筋線維が萎縮することを見出した。すなわち同じ力学的免荷であっても神経による入力のある尾懸垂モデルと神経入力が著しく低下された不動化モデルでは筋線維タイプ別に萎縮率が大きく異なることが分かった。特に不動化による筋線維タイプ移行はサルコペニアと類似していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今回得られた力学的免荷モデルによって異なる筋線維タイプが萎縮するとの結果は、本研究で予定されている神経筋接合部の変化がタイプ別に起きる可能性を示唆している。2024年度にはさらにこのタイプ別の差異が運動神経や神経筋接合部に起因するものであることを明らかにしていく。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は2023年度に見出した免荷モデルによる筋線維タイプ別の萎縮率の差がNMJ変性の差によるものなのかを確認するために、アセチルコリン受容体を染色するブンガロトキシンおよび運動神経終末を染色するシナプトフィジンを用いてそれぞれ骨格筋側および運動神経側のNMJの構造を観察し、遅筋線維特異的ミオシン重鎖の共染色によって遅筋線維と速筋線維のいずれのNMJが変性しているのか、かつ筋側と運動神経側のどちらがおもに変性しているのかを検討する。現在は尾懸垂の場合は遅筋のNMJが、完全不動化の場合は速筋のNMJが変性することを仮定している。かつ、我々が加齢時のNMJ変化において運動神経側の変性が主であることを見出した観察に基づき、これらの変化は骨格筋側のアセチルコリン受容体よりも運動神経側で発生していることを仮定している。さらに不活動時における外的刺激の種類がこのような差異を生むことを仮定し、生体内に電極を埋め込むことで生きたままの状態で腓腹筋より筋放電を測定することを試みる。本測定が成功すれば完全不動化モデルと尾懸垂モデルで下肢筋群の筋放電量に有意な差が得られることが確認できる予定である。 2025年度以降は得られた結果に基づき骨格筋萎縮の分子メカニズムおよびその介入に挑戦する。分子メカニズムとしてアグリン、LRP4,MuSKおよびDok7などの骨格筋側のNMJ形成に関わる分子群の発現および運動神経の成長に関与する神経栄養因子群の発現を検討する予定である。これらの分子群の中でもし鍵分子が見つかった場合、AAVによる強制発現系を用いて骨格筋萎縮に対する介入を試みる。さらに、不動化による筋萎縮が加齢による筋萎縮において主要な割合を占めるのであれば、不動化で有効であったAAV介入がサルコペニアでも有効であることが期待できる。そこで加齢動物を用いてAAV介入による骨格筋萎縮抑制を試みる。
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