Role of Muscle Nrf2 in Exercise-Induced NASH Improvement - Focusing on EVs
Project/Area Number |
23K27963
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Project/Area Number (Other) |
23H03273 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59020:Sports sciences-related
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Research Institution | R Professional University of Rehabilitation |
Principal Investigator |
呉 世昶 アール医療専門職大学, リハビリテーション学部, 教授 (10789639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小峰 昇一 帝京平成大学, ヒューマンケア学部, 助教 (10839088)
三浦 征 福岡大学, スポーツ科学部, 助教 (20982317)
磯辺 智範 筑波大学, 医学医療系, 教授 (70383643)
岡田 浩介 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (80757526)
正田 純一 筑波大学, 医学医療系, 客員教授 (90241827)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,850,000 (Direct Cost: ¥14,500,000、Indirect Cost: ¥4,350,000)
Fiscal Year 2025: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2023: ¥8,450,000 (Direct Cost: ¥6,500,000、Indirect Cost: ¥1,950,000)
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Keywords | 非アルコール性脂肪肝炎 / 運動 / Nrf2 / 細胞外小胞 / p62 / 非アルコール性脂肪性肝炎 / 非アルコール脂肪性肝炎 / 運動療法 |
Outline of Research at the Start |
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)は肥満を基盤とした肝外の複数臓器組織異常と関連する慢性肝疾患で、運動療法はNASHに対する数少ない予防・治療法であるが,そのメカニズムの詳細は不明である.我々は、運動の効果が骨格筋以外にも広がり、Nrf2転写因子の活性化に関与することを発見した。一方、細胞外小胞(EVs)は運動で抗酸化因子が全身に運搬され、NASH抑止に寄与する可能性がある。本研究では、筋Nrf2の役割と運動による循環EVs中の抗酸化因子の発現変化とNASH改善の関連性を検討する。これにより、運動療法の効果や筋Nrf2の重要性が明らかになり、NASHの治療法開発に寄与することが期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,非アルコール性脂肪性肝炎(Non-Alcoholic Steatohepatitis;NASH)の増加に対処することを目的とした.NASHは深刻な肝疾患であり,日本では肥満人口の増加により患者数が急増している.2030年までにNASH患者が100万人を超えると予測され,その予防と治療法の確立が急務である.運動がNASH改善に与える影響を明らかにするため,本研究では運動が骨格筋のNrf2(酸化ストレス応答転写因子)を活性化し,EVs(細胞外小胞)を介して抗酸化因子を全身に伝達するメカニズムを解明する.我々は,p62(オートファジー・シグナル伝達に関与する多機能性タンパク)とNrf2を二重欠失させたマウスモデルを用いて,運動によるNASH関連臓器の抗酸化反応とその改善効果を分析する.また,中年肥満男性を対象に行った運動介入試験を実施し,運動が体重減少に依存せず,肝脂肪化と線維化の改善に効果的であることを確認する.さらに、運動の強度や頻度、継続期間がNrf2の活性化とEVsの分泌にどのように影響するかを詳細に検討する.運動がNrf2活性化とEVs分泌を通じてNASH改善に寄与する具体的なメカニズムを解明することで,本研究の学術的意義があり,これによりNASHの予防・治療法としての運動療法の臨床的価値を高め,新しい治療戦略の基盤を築くことが期待される.研究成果はNASHモデルと臨床データを基にした新規運動療法の開発可能性を示し,今後の研究や実践に重要な示唆を与えるものと期待される.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究に使用する全身Nrf2::p62遺伝子二重欠失マウス(DKOn),筋細胞特異的Nrf2遺伝子レスキューマウス(DKOn-mRes)の繁殖・供給は計画通りに進行しており,現時点で運動群(DKOn+Ex,DKOn-mRes+Ex)に対する13週間の高脂肪高果糖食の摂餌およびトレッドミル負荷試験(13m/min,60分)は終了した.介入期間中の経時的解析項目として,握力(6,12,16週齢実施),腹腔内糖負荷試験(ipGTT:16週齢実施),腹腔内インスリン負荷試験(ipITT:17週齢実施)を実施しており,各データは記録済みである.また,NASH病態の評価および骨格筋の形態学的評価を実施するため,筑波大学オープンファシリティ推進機構医学医療系組織標本作製室にHE染色(肝臓・骨格筋)・Sirius Red染色(肝臓)標本の作製を委託した.サンプリングした骨格筋の一部(soleus,TA,EDL)は筋組成の評価を行うために,イソペンタンによる急速凍結を行った.安静群(DKOn+Rest,DKOn-mRes+Rest)については,現在も繁殖・供給を行っており,2024年度内には全ての動物の食餌介入および経時的解析を終え,解剖を完遂する予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
①「運動を介した筋Nrf2によるNASH病態抑止機序の評価」,②「EVsを介した抗酸化因子の伝達機序の解明」を中心に以下の解析を進め,運動によるNASH改善において筋Nrf2が果たす役割の解明を目指す. 1. 肝病理学的解析: 運動群(DKOn+Ex,DKOn-mRes+Ex),安静群(DKOn+Rest,DKOn-mRes+Rest)の4群の肝組織の一部に対して,HE染色,Sirius Red染色を実施し,肝脂肪化(Steatosis),肝炎症(Activity),線維化(Fibrosis)の評価をSAF scoreによるスコアリングを行い,運動を介した筋Nrf2によるNASH病態の抑止効果を評価する 2. 筋病理学的解析: 運動群,安静群の4群のSoleus,TA,EDLに対して,HE染色,SDH染色,免疫蛍光染色(IF)を実施し,骨格筋の形態学的な変化,筋組成の変化(Type移行)の評価を行い,運動を介した筋Nrf2が筋代謝に対して与える効果を評価する. 3. 血液生化学的解析: 運動群,安静群の4群の血清をサンプリングし,肝障害(AST,ALT),筋障害(LD,CK),脂質代謝(TG,NEFA,LDL-C,HDL-C)について解析を行う.さらに,EVsを介した抗酸化因子の伝達機序の解明するために,血清からEVsを調整し,プロテオーム解析を実施することで,EVs中に含まれるタンパク発現量を網羅的に解析し,筋Nrf2によって制御される因子の探索を行う. 4. 分子生化学的解析: 運動群,安静群の4群の肝臓を対象に,肝炎症(Tnf-α,Il-1β),肝線維化(αsma,Tgf-β1,col1a1)を評価するために,qPCR解析を行う.さらに,RNA-seq解析により,運動を介した筋Nrf2によるNASH病態の抑止効果を網羅的に評価する.
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Report
(1 results)
Research Products
(17 results)