ラグビー競技の頭頸部外傷予防を目的とした情報工学(IT)を用いた新しいシステムの開発
Project/Area Number |
23K27965
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Project/Area Number (Other) |
23H03275 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59020:Sports sciences-related
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
川崎 隆之 順天堂大学, 医学部, 客員准教授 (20445521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 賢治 佐世保工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (40311112)
廣瀬 圭 公立小松大学, 生産システム科学部, 教授 (50455870)
長山 格 琉球大学, 工学部, 教授 (80274885)
野尻 宗子 順天堂大学, 革新的医療技術開発研究センター, 准教授 (80763466)
尾形 邦裕 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (40641436)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥19,500,000 (Direct Cost: ¥15,000,000、Indirect Cost: ¥4,500,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2023: ¥15,860,000 (Direct Cost: ¥12,200,000、Indirect Cost: ¥3,660,000)
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Keywords | ラグビー / 頭頚部外傷 / 人工知能 / 慣性計測装置 / 映像解析 / スクラム / タックル |
Outline of Research at the Start |
コンタクト競技であるラグビーでは、タックルやスクラムによって脳振盪や頸髄損傷などの重症頭頸部外傷が発生する。研究代表者はこれまで知見を重ね、安全性向上には競技環境の充足が最重要と結論して、情報工学(IT)を用いた新しいシステム開発を着想した。本研究は【1】物体認識ならびに姿勢推定人工知能アルゴリズムを活用した危険なタックルと脳振盪の自動検出システムの開発と【2】慣性計測装置(IMU)を用いたスクラム動態解析ならびに崩壊の機序解明を目的とする。本システムがラグビー競技の幅広いカテゴリに普及すれば、頭頚部重度外傷の予防や啓発が進み、世界競技人口290万人の安全性や競技スキルの向上が見込まれる。
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Outline of Annual Research Achievements |
【課題1】『ラグビー競技映像における脳振盪のリアルタイム検出』 ラグビー競技において試合中の脳振盪はときに見逃され、選手はプレー継続により頭部へのダメージがより重症化する危険に暴露されている。そこで多人数を含む映像から特徴的な人物を自動認識するAI技術を活用し、リアルタイムに危険なタックルや脳振盪受傷選手を自動検出してレフェリーやメディカルスタッフの目視判断を支援するシステムの開発を目指す。初年度はオープンソースの姿勢推定人工知能アルゴリズムを組み合わせた独自アルゴリズムを用いて試合映像内の選手とその姿勢認識の精度向上に取り組んだ結果、80%から90%の識別精度を達成した。今後は識別の難しい映像に関しても選手の識別精度を上げるためにさらなるアルゴリズム開発を目指す。同時に危険なタックル、ならびに倒れたりふらつきなど異常行動のみられる選手の自動認識を目指す。 【課題2】『ラグビー競技におけるスクラムの挙動解析』 スクラムは1ユニット8人の選手が敵味方に分かれて組みボールの主導権を争うプレーであり、ときに力の均衡が破れてスクラムが崩壊する(=コラプシング)と最前列の選手は頭頸部外傷のリスクに曝されることとなる。そこでウェアラブルセンサなど最新の情報工学を用いて現実社会のスクラムにおける各選手の動きをリアルタイムに定量表示するシステムの開発を目指す。初年度は信号変換のアルゴリズムを開発し、各選手の動態やユニットの動態を数値化する成果が得られ、内容の一部を国内学会で発表して国内特許を出願した。今後センサ信号の解析結果をタブレットにライブ表示するシステムの開発に着手する。そのためには高性能センサを用いてリアルタイムに受信した信号を解析し、タブレットに出力する手段について検討し、また競技に関わる選手・コーチ・レフェリーが必要とする情報を直感的に伝えるディスプレイ手法を考案する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
【課題1】『ラグビー競技映像における脳振盪のリアルタイム検出』に関しては、解析の対象となる試合映像を選定し、既存オープンソースの姿勢推定人工知能アルゴリズムを組み合わせた独自アルゴリズムを用いて試合映像内の選手とその姿勢認識の精度向上に取り組んだ結果、80%から90%の識別精度を達成した。 【課題2】『ラグビー競技におけるスクラムの挙動解析』に関しては、初年度は信号変換のアルゴリズムを開発し、各選手の動態やユニットの動態を数値化する成果が得られ、その内容の一部を国内の学会で発表して国内特許を出願した。
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Strategy for Future Research Activity |
【課題1】『ラグビー競技映像における脳振盪のリアルタイム検出』 試合映像は解像度・フレームレート・選手の遠近などの様々な条件のものがあり、識別の難しい映像に関しても選手の識別精度を上げるためにさらなるアルゴリズム開発を目指す。同時に危険なタックル、ならびに倒れたりふらつきなど異常行動のみられる選手の自動認識を目指す。
【課題2】 『ラグビー競技におけるスクラムの挙動解析』に関しては、今後センサ信号の解析結果をタブレットにライブ表示するシステムの開発に着手する。そのためには高性能センサを用いてリアルタイムに受信した信号を解析し、タブレットに出力する手段について検討し、また競技に関わる選手・コーチ・レフェリーが必要とする情報を直感的に伝えるディスプレイ手法を考案する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)