Project/Area Number |
23K27967
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Project/Area Number (Other) |
23H03277 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59020:Sports sciences-related
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
尾嶋 孝一 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産研究部門, 上級研究員 (60415544)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,590,000 (Direct Cost: ¥14,300,000、Indirect Cost: ¥4,290,000)
Fiscal Year 2026: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,940,000 (Direct Cost: ¥3,800,000、Indirect Cost: ¥1,140,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
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Keywords | 骨格筋 / カルパイン / 筋線維型 |
Outline of Research at the Start |
本研究ではタンパク質分解酵素であるカルパインに着目し、筋線維型に依存した筋肥大・萎縮のメカニズムを解明する。骨格筋は遅筋型と速筋型筋線維に大別できるが、筋線維型により筋肥大・萎縮の程度が異なる理由は十分に明らかにされていない。一方、カルパインは基質を切断し、切断した基質の機能を変換する作用をもつが、各筋線維型で特有なカルパインの基質は不明である。本研究により、筋線維型特異的なカルパインの基質を同定し、さらにカルパインの基質切断が関与するシグナル伝達経路を特定することで、筋線維型によって異なる筋肥大・萎縮メカニズムを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではカルパインの作用機序解明を通じて、筋線維型特異的な筋肥大・萎縮メカニズムを明らかにする。そのため、カルパインの酵素活性の筋線維型による差異を明らかにすることを該当年度の実施計画とした。骨格筋線維では主に3つのタイプのカルパインが発現している。一方、筋線維型は速筋型と遅筋型筋線維の2つに大別することができる。マウス骨格筋から単離した単一筋線維レベルでの各カルパイン活性をNative PAGEザイモグラフィーにて測定し、各筋線維型ごとにカルパインの活性を検出すること試みた。しかし、カルパインの活性を単一筋線維レベルにて測定することはザイモグラフィーでは困難であった。カルパインの活性を検出するためには数十本単位にまとめて行う必要があり、この系を用いるのであれば検出感度を改善する必要がある。また、上記実験と並行し、カルパインの筋線維型特異的な基質の探索を行った。これまでにプロテオミクスの手法で取得した両筋線維型間での定量的なタンパク質の発現比のデータをもとにして、速筋型筋線維あるいは遅筋型筋線維で特異的な発現を示すタンパク質を候補基質タンパク質として抽出した。これらの候補タンパク質のcDNAをクローニングし、発現コンストラクトを作成後、HEK細胞に導入し、HEK細胞内在性のカルパイン、あるいは導入したカルパイン3を活性化させ、基質候補に対して切断能を発揮するのかを検討した。遅筋型筋線維で特に発現が高いタンパク質の中でカルパインが切断するものが1つ得られた。 日本畜産学会第131回大会において骨格筋シンポジウム「骨格筋の量と質を制御する分子機構と畜産学への応用 」を企画・主催し、骨格筋を研究対象とする研究者5人に最先端の研究成果を発表してもらった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
単一筋線維レベルにおいて各タイプのカルパイン活性を測定しようとしたが技術的に難しく予定通りには進まなかった。しかし、カルパインの基質候補分子を見出すことができたために、総合的にみて予定通り進んでいると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究ではカルパインの作用機序解明を通じて、筋線維型特異的な筋肥大・萎縮メカニズムを明らかにする。そのため、I)カルパインの酵素活性の筋線維型による差異を明らかにし、II)カルパインの筋線維型特異的な基質を同定し、III)カルパインにより切断された基質の機能を明らかにする。最後に、IV)カルパインが切断できないように変異させた基質を発現するマウスを作出し、in vivoにおける筋肥大・萎縮メカニズムを解明する。Iは感度が問題となり単一筋線維レベルでの解析ができなかったので、ザイモグラフィーで用いる基質を変えるなどして本年度も取り組む。IIの基質探索ではカルパインが切断する基質を見出したので、切断部位をアミノ酸シークエンサー、あるいは質量分析計で決定する。切断された基質を発現するコンストラクトを作成し、培養骨格筋細胞内で発現させ、その局在を観察するとともに、結合相手を見出して、切断断片が付与された機能を調べる。プロテオミクスの手法では同定されたタンパク質数が少なかったため、両筋線維型間におけるRNA網羅的な発現解析を行うことで新たな基質候補を探索する。単にマウス骨格筋組織からを用いて発現解析を行っても、骨格筋組織レベルでは骨格筋細胞以外の細胞も試料に混入するため、単離した筋線維を筋線維型ごとに集め、骨格筋線維型の純度をあげた試料を用いて網羅的な発現解析を行う。野生型マウスとカルパインの遺伝子組み換えマウスそれぞれにおいてパスウェイ解析を行い、差の出たパスウェイに関与するタンパク質に着目することで基質候補を見出す。見出した候補がカルパインで切断されるのか否かを精査する。
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