Project/Area Number |
23K27982
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Project/Area Number (Other) |
23H03292 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59020:Sports sciences-related
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Research Institution | National Center for Geriatrics and Gerontology |
Principal Investigator |
伊藤 尚基 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 研究所 ジェロサイエンス研究センター, プロジェクトリーダー (50746534)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉岡 潔志 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 研究所 ジェロサイエンス研究センター, 外来研究員 (10857262)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥19,240,000 (Direct Cost: ¥14,800,000、Indirect Cost: ¥4,440,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2023: ¥13,520,000 (Direct Cost: ¥10,400,000、Indirect Cost: ¥3,120,000)
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Keywords | 骨格筋 / サルコペニア / NAD / 中枢-骨格筋連関 / NMN / 外側視床下部 / NAD+ / Nampt |
Outline of Research at the Start |
超高齢社会における日本において、加齢による骨格筋量・筋力の低下(サルコペニア)は喫緊の医学的・経済的課題である。本研究では中枢-骨格筋連関に着目し、”外側視床下部におけるNAD+メタボリズムの破綻がサルコペニア発症の原因である”という仮説を検証する。そしてこの仮説に基づき、外側視床下部におけるNAD+代謝の改善によるサルコペニア治療法開発のProof of conceptを取得する。最終的にはNMNといったNAD+を上昇させる分子(NAD+ブースター)を用い、サルコペニアに対する創薬技術基盤を構築する。
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Outline of Annual Research Achievements |
超高齢社会における日本において、加齢による骨格筋量・筋力の低下(サルコペニア)は喫緊の医学的・経済的課題である。疾患に対する治療法を開発するためには、その疾患の原因となっている分子病態を明らかにし、その分子病態に則した分子標的・創薬技術基盤を構築する必要がある。特に加齢性疾患は単一遺伝子、単一組織で起こる疾患とは異なり、本質的な理解のためには全身性あるいは個体レベルで起きている老化現象として捉える必要がある。 本研究課題では”骨格筋の中で起きていることだけが、サルコペニアの原因なのだろうか?”という基本的かつ重要な学術的「問い」に注目する。申請者が見出した”中枢(脳)の異常がサルコペニア発症の一端を担い、中枢の機能回復がサルコペニア改善の鍵となる”という知見のもと、特に外側視床下部におけるNAD+代謝に着目したサルコペニアの分子病態の解明、およびその分子病態に則した分子標的・創薬技術基盤の構築を目指す。 本年度は特に外側視床下部におけるNAD+の低下が骨格筋代謝・運動機能に与える影響を明らかにすることを目的とし、NAD+維持に必要不可欠なNamptを外側視床下部特異的にノックダウンしたマウスの解析を行った。その結果、外側視床下部特異的Namptノックダウンマウスでは筋量・筋力・走行距離の低下といった筋機能の低下が起こることがわかった。また、解糖系に関わる代謝物の量や分子群の発現が骨格筋において低下していたため、解糖系の低下によって、種々の筋機能の低下が引き起こされることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、”外側視床下部におけるNAD+代謝の異常がサルコペニア病態に与えている影響”を明らかにする。本年度は特にNAD+維持に必要不可欠なNAD+生合成経路の律速酵素であるNamptを若齢マウスの外側視床下部特異的にノックダウンし、外側視床下部におけるNAD+代謝の異常が、骨格筋代謝・運動機能に与える影響を解析した。その結果、外側視床下部におけるNAD+代謝の異常によって筋量・筋力・走行距離といった筋機能が低下することに加え、解糖系関連代謝物や解糖系関連分子に異常が生じることが明らかになった。当初予定通り、外側視床下部特異的Namptノックダウンマウスの解析が進んだため、おおむね順調に進展したと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
外側視床下部特異的Namptノックダウンマウスの解析を引き続き実施する。またこれらの解析に並行して、外側視床下部特異的Namptノックダウンマウスと老齢マウスとの比較解析を行い、その類似点と相違点を解析する。またRNAseq解析を実施し、外側視床下部特異的Nampt KDマウスで異常が生じている分子・シグナル経路を解析する。 これらに加え、NMNといったNAD+上昇作用があるNAD+ブースターに着目し、NMNの骨格筋への作用が中枢-骨格筋連関を介したものか検証するため、外側視床下部特異的Nampt KDマウスにNMNを投与し、骨格筋の遺伝子発現・代謝解析を行う。また、老齢マウスの外側視床下部特異的にNamptを過剰発現し、老齢個体の外側視床下部におけるNAD+代謝の改善が、加齢依存的な骨格筋代謝・運動機能の低下を改善しうるか検証する。
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