Project/Area Number |
23K28012
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Project/Area Number (Other) |
23H03322 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59040:Nutrition science and health science-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山口 良文 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (10447443)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,720,000 (Direct Cost: ¥14,400,000、Indirect Cost: ¥4,320,000)
Fiscal Year 2025: ¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2024: ¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,980,000 (Direct Cost: ¥4,600,000、Indirect Cost: ¥1,380,000)
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Keywords | 冬眠 / 脂質代謝 / ホルモン / コレステロール / ビタミンE / 脂質異常症 |
Outline of Research at the Start |
冬眠は、寒冷・飢餓などの厳しい環境下で、熱産生と代謝を積極的に抑制し低体温・不動状態となる生存戦略である。多くの非冬眠哺乳類は長 時間の低体温下では臓器恒常性を維持できず死に至ることを考えると、 この「冬眠能」は驚異的である。冬眠する哺乳類シリアンハムスター は、長期の寒冷短日刺激によって全身性の代謝変化を生じ冬眠能を有すると考えられる。本研究では、この全身代謝生理変化を誘導する末梢臓器からの体液性シグナルを同定するとともにその動作原理の解明を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
冬眠する哺乳類は、寒冷・飢餓などの厳しい環境下での長期生存のため、熱産生と代謝を積極的に抑制した「冬眠」を行う。特に小型の冬眠哺乳類は10度以下の低体温・不動状態となるが、ヒトやマウスなど多くの非冬眠哺乳類は長時間の低体温下では臓器恒常性を維持できず死に至ることを考えると、この冬眠できる能力は驚異的である。冬眠能は、低温耐性・健康肥満・動脈硬化耐性・廃用性筋萎縮耐性・季節性の体の変換など、その機構が解明されれば医学・創薬応用の可能性も高い種々の性質から構成されるが、未だその分子機構は殆ど不明である。我々はこれまでに、冬眠哺乳類シリアンハムスター(Mesocricetus auratus,)が長期間の寒冷短日刺激によって冬仕様の体に変化する際に誘導される全身代謝変化・組織変化を明らかにするとともに、シリアンハムスターが常時備える低温耐性には高ビタミンE保持能が重要であることを明らかにしてきた。本研究では、冬眠の際の全身代謝生理変化を誘導する全身性シグナルの同定を目指し、ビタミンEとコレステロールの代謝変化に着目する。これら二つの脂質関連分子の生体内動態を季節および冬眠という観点から詳細に明らかにするとともに、その変化の生理的意義を検証する。さらに季節や冬眠に即してこれらの分子量を変化させる全身性シグナルとして、体液性因子に着目しその活性測定と同定を行う。以上の解析から、冬季に生じる脂質代謝系変化の制御機構に迫る。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度となる2023年度は、ビタミンEの動態変化の生理的意義の解明を目指し、シリアンハムスターの血中ビタミンE濃度を人為的に操作する系を確立した。具体的には、ビタミンE含有量の異なる2種類の餌で飼育したハムスターの冬眠パターンの解析を行った。さらにiGONAD法を用いた遺伝子改変ハムスターの作出および餌の種類の操作により、血中ビタミンE濃度が大きく異なるハムスター個体を得ることに成功した。一方コレステロールに関しては、薬理学的処理によりその血中濃度を下げられることを確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、上記処理を行った個体たちについてもその冬眠および全身生理への影響検証を行なっていく。また血中コレステロールについては、ビタミンEと同様の遺伝学的手法を用いた操作系の作出も行い、冬季の血中コレステロール上昇の生理的意義についての検討を進める。血中の体液性因子についても、培養細胞系での活性検出系の構築を進めていく。
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