Project/Area Number |
23K28103
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Project/Area Number (Other) |
23H03413 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 60100:Computational science-related
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
飯盛 浩司 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (50638773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松島 慶 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (60943537)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥16,900,000 (Direct Cost: ¥13,000,000、Indirect Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥12,870,000 (Direct Cost: ¥9,900,000、Indirect Cost: ¥2,970,000)
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Keywords | 波動散乱問題 / 散乱共振 / 高速周波数応答掃引 / メタデバイス / トポロジー最適化 / 境界要素法 |
Outline of Research at the Start |
無限領域で定義された波動散乱問題は、振動、音、光などの伝播を記述する数理モデルであり、広い分野における古くからの研究対象である。現在ではその数値解法と関連する最適設計法は成熟し、これらを利用したものづくりが行われている。一方で、解の高階周波数微分はこれまでほとんど注目されておらず、対象の周波数応答を高速に掃引する目的の研究が散発的に行われたにすぎない。本研究では、散乱問題の解の高階周波数微分に関する理論的な研究を行うとともに、その高精度かつ高速な数値計算法を開発する。構築した方法論を、高速周波数応答掃引のみならず、複素固有値問題や時間域波動散乱問題の高速解法、最適設計法へと応用する。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究計画調書に記した計画に従い、開発済みであった2次元ノイマン問題に対する数値計算プログラムを3次元ノイマン問題へと拡張した。当初の予想通り、3次元問題に対しては階層型行列法に基づく直接解法の性能が十分でなかったため、これを反復法へと切り替えた。ここで現れるブロックテプリッツ型の疎なブロック三角行列に対するカルデロンの前処理を新規に開発し、その性能が十分であることを数値実験を通して確認した。この内容については国内ならびに国際学会で発表予定であり、その後、多重極法の実装を行う予定である。また、2次元問題に対しては階層型行列法も有効であったため、当初令和7年度に実施予定であった周期散乱場の高速周波数掃引法の開発を計画を前倒して実施した。平面波入射に対するフォノニック構造の周波数応答をいくつか計算したところ、提案法が従来法の性能を凌駕するとともに実用上有用であることが確認できたため、内容をまとめ国際誌に投稿した(現在査読中)。また、当初計画していなかったが重要なクラスの問題としてトランスミッション問題が挙げられるが、これに対する実装が容易で性能の高い境界要素法とその前処理の定式化を着想したため、計画を変更して研究を実施した。結果として、通常の境界要素法のみならず、高階周波数微分された境界積分積分方程式の解法としても非常に有効であることが明らかとなった。この成果についても既に内容をまとめ、国際誌に投稿・査読中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた3次元問題に対する散乱場の高階周波数微分のための境界要素法を実装できたため、おおむね順調に進展していると評価できると考える。さらに、当初予定していなかったトランスミッション問題に対する解法も構築できたことは計算科学の基盤研究として意義深いと考えている。一方、3次元問題に対する多重極法の実装は未だ手付かずであることから最上位の区分は選択しなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、前年度に開発した3次元問題に対する新しい境界要素法に対し、高速多重極法を実装する。開発した数値計算プログラムを用い、例えば全可聴周波数域における音響散乱解析を実施し、成果を国際会議・国際誌において発表する。その後は研究計画調書に沿って研究を進める。すなわち、散乱共鳴周波数とその感度解析について、ヘルムホルツ方程式の解の周波数微分を利用した新規の手法を開発するとともに、高速時間域境界要素法に関する基礎的な研究を実施する予定である。また、これまでに開発したスカラー波動場に対する方法論を、弾性波動方程式やマクスウェル方程式へと拡張することを試みる。
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