好奇心と記憶が織りなす新奇性追求行動の神経基盤とその可変性
Project/Area Number |
23K28178
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Project/Area Number (Other) |
23H03488 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 61060:Kansei informatics-related
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
梶原 利一 明治大学, 理工学部, 専任准教授 (60356772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 勝彦 沖縄科学技術大学院大学, 神経計算ユニット, グループリーダー (10426570)
冨永 貴志 徳島文理大学, 神経科学研究所, 教授 (20344046)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,460,000 (Direct Cost: ¥14,200,000、Indirect Cost: ¥4,260,000)
Fiscal Year 2027: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2026: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,940,000 (Direct Cost: ¥3,800,000、Indirect Cost: ¥1,140,000)
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Keywords | 新奇性追求行動 / 学習記憶 / 膜電位光計測 / DREADD / ファイバーフォトメトリー / 新奇性探索行動 / ドーパミン / 膜電位イメージング / 報酬 |
Outline of Research at the Start |
新しいことに惹きつけられる行動の度合いは,生後,大人になるまで,常に同じ強さを維持しているようには見えない.我々は,マウスの新奇物体識別率と海馬周辺にある記憶系神経回路の動態が,発達の過程で変化する結果を得たため,脳の記憶処理系の変化がその一因にあると予想している.他方,「新奇性追求行動」の処理の裏には ,好奇心のような感性が惹起する「報酬期待」の処理も潜んでいる.そこで本研究では,新奇性追求行動に関わる神経回路の,機能・構造・物質基盤の一端を明らかにする目的で,記憶系と報酬系の処理を担う複数の脳部位を対象に,化学・光遺伝学手法を取り入れたin vitro / in vivo光計測を実施する.
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Outline of Annual Research Achievements |
新奇な物事に惹きつけられる度合いは,人によって,あるいは,年齢によっても異なるように見える.本研究では,こうした差異の基になる脳情報処理機構を調査するにあたり,動物(マウス)が新奇物体を好んで接近する行動に要する処理を,①新奇性への接近行動を開始させる処理,②新奇性の「評価と記憶」の処理,③好奇心のような感性が惹起する「報酬期待」の処理,の三種に分類する.その上で,各々のプロセスを担う神経基盤を調査する計画とした. (1)新奇性探索行動解析では,実験箱への順化の過程を,マウスの行動量により可視化し,環境順化に要する時間が,想定していた3日(10min/day)よりも長く必要である可能性が示唆された.また,DeepLabCutを活用してマウス(C57BL/6J)の鼻先が物体へ向いている状態を正確にトラックするツールを開発した.これを用いて,正方形 (40×40×40 cm)の実験箱で,10分間の二物体探索行動を解析した所,新奇物体へ積極的に接近する行動が,試験開始から約2分後に急激に消失する事が判明した. (2)探索行動中の脳活動計測のための,ファイバーフォトメトリー計測実験系を新たに構築し,ドーパミン(GRAB_DA)およびカルシウム(GCaMP)のシグナル計測に着手した.自由行動化のマウスで実際に計測したところ,ドーパミンやカルシウムの応答と思われるシグナルが検出できたものの,期待していた程の強さではなかった.組織学的な検証の結果,目的の部位にタンパク質が発現していたため,光ファイバーの埋込み位置に改善の余地があると結論した. (3)嗅周囲野・嗅内野における膜電位イメージング解析では,4-AP及びGanbazine 灌流下における刺激誘導性オシレーションのウェーブレット解析を行い,35野の特性が嗅内野の特性に近いことを明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度までに, AAVベクター注入により,GRAB_DAおよびGCaMPを発現させる条件を把握し,研究代表者の施設にファイバーフォトメトリー実験系の構築を完了させた.探索行動を詳細に解析するためのツール開発については,マウスの新奇性行動を DeepLabCutを用いて,経時的に観測できるようにした一方で,想定していたフレームレートでの撮像ができない,行動計測とファイバーフォトメトリー計測との同期がとれていない,など,改善を要する点も残っている.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では,新奇性探求行動に要する神経基盤とその可変性の仕組みを,海馬周辺皮質の神経伝播様式と,腹側被蓋野から支配を受ける脳部位のドーパミン投射,不確帯との連携,に注目して明らかにする.実験は,現在遂行中の行動実験および膜電位光計測に加え,神経経路選択的な標識・操作技術やファイバーフォトメトリー計測技術を活用する. 昨年度までに, DeepLabCutを活用した解析ツールを完成させ,マウス(C57BL/6J)の二物体探索行動を詳細に解析できる環境を整えた.今年度は,ファイバーフォトメトリー計測系との融合を目指し,リアルタイム計測の機能を追加するなどの改良を加える.ファイバーフォトメトリー計測では,ドーパミン(GRAB_DA)およびカルシウム(GCaMP)のシグナル計測を安定的に行うための条件を見出す.注入量と注入速度については,条件を定めたため,センサーの埋入座標についての吟味を重ねる.さらに,化学遺伝学的手法(DREADD法)に着手し,嗅周囲野と嗅内野の不活性化が,新奇性探索行動と神経興奮伝播パターンにどのような影響を及ぼすのかを調査する.神経興奮伝播パターンの解析は,脳スライス標本において実施し,膜電位イメージング計測との融合を図る.また, Creタンパク質を逆行的に取り込ませた上で,DREADD, GRAB_DA, GCaMPを,目的の脳部位にCre依存的に発現させ,神経投射経路選択的な細胞制御を行える技術基盤の確立を目指す.これにより,新奇性認知と記憶形成に関与する嗅皮質の領域が,不確帯や側坐核とどのように結びつき機能しているのかを明らかにしたい.
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)