Project/Area Number |
23K28191
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Project/Area Number (Other) |
23H03501 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 62010:Life, health and medical informatics-related
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
細川 千絵 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 教授 (60435766)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,980,000 (Direct Cost: ¥14,600,000、Indirect Cost: ¥4,380,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,940,000 (Direct Cost: ¥3,800,000、Indirect Cost: ¥1,140,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥9,360,000 (Direct Cost: ¥7,200,000、Indirect Cost: ¥2,160,000)
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Keywords | 生物物理学 / 神経工学 / ナノバイオ / レーザー |
Outline of Research at the Start |
集光レーザービームの光放射圧(光圧)により誘起された力学摂動を用いて細胞内分子動態を高精度に操作する新たな細胞機能制御を実現する。培養神経細胞ネットワークを対象として、神経シナプス伝達に関与する分子群にレーザー誘起力学摂動を印加することにより細胞内分子を集光位置に捕捉し、神経伝達過程を操作する手法を確立する。神経細胞の細胞内分子操作に伴い変化する電気的活動に着目し、神経細胞ネットワークの機能的結合特性を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、集光レーザービームの光圧により誘起された力学摂動を用いて、細胞内分子動態を高精度に操作する新たな細胞機能制御を実現する。神経細胞シナプス部位に局在する受容体分子や小胞を対象として、光圧をトリガーにして細胞内分子を集合させることにより神経活動を操作する手法を確立する。顕微分光解析や電気応答計測により、神経細胞内分子集合に伴い変化する神経回路網の結合特性を明らかにする。 今年度は、レーザー誘起力学摂動による細胞内分子ダイナミクスの解明のため、新たに高出力の近赤外レーザーを導入して、現有の顕微鏡システムを改良した。レーザー誘起力学摂動による細胞内分子動態の過渡応答について検証するため、顕微蛍光イメージングや顕微ラマン分光計測を可能とする顕微鏡システムを構築した。ラット海馬由来培養神経回路網を対象として、神経細胞シナプス部位に局在する神経伝達物質受容体分子やシナプス小胞群の蛍光標識を行った。レーザー誘起力学摂動として、波長1064 nmの連続発振レーザーを顕微鏡対物レンズにより培養神経細胞シナプス部位に集光して、神経細胞表面や内部に局在する分子群に力学摂動を印加し、集光領域において分子群が光捕捉され、集合するダイナミクスを明らかにした。さらに、神経細胞内の目的分子のみを効率よく捕捉することを目的として、通常の近赤外レーザーに加えて共鳴用レーザーを同時照射する手法についても検討を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究計画では、(1)レーザー摂動による細胞内分子集合ダイナミクスの顕微蛍光解析、(2)レーザー摂動による神経活動操作、(3)レーザー摂動による細胞内分子集合過程の考察・理論モデル構築について取り組む。今年度は、(1)レーザー摂動による細胞内分子集合ダイナミクスの顕微蛍光解析のため、現有の顕微鏡システムを改変し、新たに高出力の連続発振近赤外レーザーを導入した。レーザー誘起力学摂動による細胞内分子動態の過渡応答を蛍光イメージングや蛍光相関分光法、顕微ラマン散乱分光計測により評価する顕微鏡システムを構築した。ラット海馬由来培養神経回路網の単一神経細胞のシナプス部位に局在する神経伝達物質受容体分子やシナプス小胞を対象として、レーザー誘起力学摂動を神経細胞表面や内部に局在する分子群に印加する実験系を構築した。神経細胞内シナプス小胞を蛍光標識し、波長1064 nmの連続発振レーザー光を顕微鏡対物レンズにより神経シナプス部位に集光したところ、集光領域の蛍光強度が時間とともに増加し、光捕捉されることを確認した。神経伝達物質受容体分子に蛍光性量子ドットを標識した神経細胞では、レーザー集光領域において受容体分子の分子運動が遅くなることを蛍光像の単一粒子追跡法により明らかにした。さらに、通常の近赤外レーザーに加えて捕捉対象物質の電子励起に共鳴する波長のレーザーを同時に照射する実験系の構築を進めた。 以上より、おおむね当初の計画通りに進行していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
集光レーザービームの光圧により誘起された力学摂動を用いて細胞内分子動態を操作する新たな細胞機能制御を実現するため、レーザー誘起力学摂動による細胞内分子動態の過渡応答を蛍光イメージングや蛍光相関分光法、顕微ラマン散乱分光計測により評価する。神経細胞表面や内部に局在する分子群に対してレーザー誘起力学摂動を印加し、レーザー集光領域における分子群の光捕捉・集合過程を明らかにする。光圧による細胞内分子集合に伴い変化する神経回路網における細胞機能として電気的活動変化に着目し、細胞内分子集合過程と神経電気活動変化との相関性を見出す。さらに、レーザー誘起力学摂動に伴う細胞内分子集合メカニズムを明らかにするため、人工脂質膜上に神経伝達物質受容体分子を再構成した細胞膜上分子モデルを作製し、レーザー誘起力学摂動の印加に伴い変化する人工膜上の分子動態を顕微蛍光解析により明らかにする。
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