リモートセンシングとAIによる街中・海岸プラスチックごみ定量化手法の構築
Project/Area Number |
23K28217
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Project/Area Number (Other) |
23H03527 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 63010:Environmental dynamic analysis-related
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
加古 真一郎 鹿児島大学, 理工学域工学系, 教授 (60709624)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 大祐 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 付加価値情報創生部門(地球情報科学技術センター), 准研究主任 (00816184)
日高 弥子 鹿児島大学, 理工学域工学系, 准教授 (10871410)
松岡 大祐 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 付加価値情報創生部門(地球情報科学技術センター), グループリーダー (80543230)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,290,000 (Direct Cost: ¥13,300,000、Indirect Cost: ¥3,990,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2023: ¥10,140,000 (Direct Cost: ¥7,800,000、Indirect Cost: ¥2,340,000)
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Keywords | 海洋プラスチック汚染 / 深層学習 / リモートセンシング / 市民科学 / 廃棄プラスチックフロー / ウェブカメラ / スマホアプリ / 海岸漂着プラスチックごみ / 画像解析 |
Outline of Research at the Start |
海岸漂着ごみの多くを占めるプラスチックごみ(プラごみ)は、海や海岸に直接投棄されたものではない。そのほとんどは、街から河川を経て海洋に流出した生活ごみである。本研究では、将来の廃棄プラスチック・フローの解明を見据え、リモートセンシング研究により、街中と海岸周辺のプラスチックごみ量を推定する。具体的には、ドローン等のプラットフォームに搭載されたカメラと画像解析技術を組み合わせ、海岸とその周辺に存在するごみ量と、その変動要因を明らかにする。本研究は、外洋からのごみが漂着し難く、近隣から排出された生活ごみが多く漂着する富山県射水市の六渡寺海岸とその周辺(街や河口)をモデル地域として実施する。
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Outline of Annual Research Achievements |
閉鎖的な富山湾の奥に位置し、海岸の両側を河川に挟まれ、外洋からの漂着ごみと比べて近隣からの生活ごみが多量に漂着する富山県射水市の六渡寺海岸をモデル地域とし、海岸漂着ごみの連続観測を実施中である。ここでは、海岸に設置したウェブカメラによって一時間に一度の海岸撮影を行い、その結果をリアルタイムに近隣住民や地方自治体等に向けて公開している。また、六渡寺海岸でドローンによる航空測量を定期的に実施しており、漂着ごみの全量調査の準備も進めている。 ウェブカメラによって撮影された画像から、漂着ごみ量の情報を深層学習をベースとした画像解析により抽出することで、その時系列を作成するシステムを構築した。この時系列を用いて六渡寺海岸における漂着ごみが増大する要因を調べたところ、降水により小矢部川の水位が上昇した際に北東風が卓越すると、漂着ごみ量が増大する傾向にあることが示された。 街中のごみと海岸漂着ごみの関係を明らかにするためには市街調査が必要不可欠であるが、本研究では、スマートフォンアプリ「Pirika」によって撮影された画像を用いて、街中ごみを自動検出・定量化(ここでの定量化は個数)する深層学習モデルの構築を行なった(市民科学+深層学習)。このモデルは、缶、ペットボトル、プラスチック製の袋、タバコの吸い殻、タバコの箱、マスクを検出することが可能で、その適合率と再現率はそれぞれ75%以上と高い。これらの研究と並行して、富山県射水市と高岡市における水路調査を実施し、街中ごみが河川を通して海に至る過程の推定をスタートした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ウェブカメラによる六渡寺海岸の撮影は極めて良好に行われており、すでに1時間毎の海岸画像データを1年近く取得できている。この結果は、Webページでリアルタイムに配信しており、地元自治体等と情報を共有することもできている。深層学習モデルを用いて、画像から漂着ごみ量の時系列を作成するシステムを構築しており、漂着ごみ量の時間変化を決定する因子の特定も進んでいる。街、河川、海岸、それぞれにおける生活ごみがどのように関連しているかを調べるために、小矢部川周辺地域で市街調査も実施している。また、街中ごみを定量・分類するための深層学習モデルの開発も進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
すでに取得している漂着ごみの時系列データの解析を進めると共に、現地に超音波風速計を設定するなどして、漂着ごみ量の時間変化を決定する要因をより詳細に調査する。これらの結果を踏まえて、富山湾における粒子追跡モデルを構築し、漂着ごみ量予報の可能性を検討する。ドローンによる航空測量と、ウェブカメラの結果を融合することで、海岸全体の漂着ごみ量の時間変化の推定を試みる。市街調査により、ごみの溜まりやすいホットスポットを特定し、そこにオイルフェンス等の対策を施すことによって、六渡寺海岸の漂着ごみ量への影響を検討する。
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Report
(1 results)
Research Products
(9 results)