水月湖の高純度化石花粉から明らかにする未知の大気14C濃度変動とその原因
Project/Area Number |
23K28219
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Project/Area Number (Other) |
23H03529 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 63010:Environmental dynamic analysis-related
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
山田 圭太郎 立命館大学, 立命館グローバル・イノベーション研究機構, 助教 (30815494)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 毅 立命館大学, 総合科学技術研究機構, 教授 (20332190)
大森 貴之 東京大学, 総合研究博物館, 特任研究員 (30748900)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,460,000 (Direct Cost: ¥14,200,000、Indirect Cost: ¥4,260,000)
Fiscal Year 2026: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
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Keywords | 水月湖 / 化石花粉 / 古気候 / 放射性炭素年代 / 安定同位体 / 放射性炭素 / 酸素安定同位体比 / 花粉化石 / 年縞 |
Outline of Research at the Start |
14Cを用いて正確な年代を知るためには、過去の大気14C濃度についての知見が必要であるが、まだ不明な点も多い。これまでの研究で、申請者らは較正年代値に数百年の変更を迫るほどの過去の大気14C濃度変動を発見した。そこで本研究では、このような未知の変動がどれくらい存在していたのか、過去に遡って探索する。福井県水月湖の年縞堆積物から、化石花粉を超高純度抽出し、14C濃度を測定する。また、化石花粉の酸素・水素安定同位体比と種組成から古気候を復元し、大気14C濃度が変動する原因について考察する。最終的には、国際的な大気14C濃度変動モデル「IntCal」の構築に必要な、信頼度の高いデータを提供することを目指す
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、花粉化石の放射性炭素年代測定と酸素安定同位体比分析、現生花粉の酸素安定同位体比の分析を進めるとともに、本研究の核となる分析器の一つである元素分析/同位体比質量分析器(EA-IRMS)の調整を行った。 花粉化石の分析では、福井県水月湖の年縞堆積物から新たに約40点の分析用の試料を採取した。これまでにサンプリング済みの試料を加えた堆積物試料のうち約80点から、高純度花粉化石の抽出を行った。抽出した花粉化石は年代測定と安定同位体比分析に供し、その14C年代と酸素同位体比の測定を行った。最終氷期再寒冷期の堆積物試料には、対象とする比較的小さな花粉が少なく、分析が難しい層準があったものの、抽出することができた総花粉化石は7,000万粒を超え、全体としては、おおむね予定通りの量の花粉化石を抽出・分析できたと考えられる。 また現生花粉の分析では、新たな現生花粉試料の収集を進めたほか、これまでに収集した現生花粉の安定同位体比分析を進めた。現生花粉の分析では、スギ花粉を中心に化石化処理を施したのち、繰り返し測定も含め900点を超える試料の酸素安定同位体比分析を実施した。その結果、花粉化石の酸素安定同位体比は全体としては南北方向の系統的な変化を示した一方、酸素安定同位体比の分散は大きく、局所的な地形や地質、個体差などを反映していることが示唆された。今後、より定量的に解釈を行うために、最適な空間内挿方法の検証を行う必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は、EA-IRMSの調整に時間がかかったため、安定同位体比の分析は前半に遅れが見られたものの、最終的には当初の予定を超える点数を分析することができた。一方、放射性炭素年代測定については、上述の作業に時間がかかったため、若干点数が減ったものの、当初予定していた分析点数をほぼ達成できたことから、研究はおおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、おおむね当初の予定通り進めることができたことから、2024年度も花粉化石の放射性炭素年代測定と安定同位体比測定を本年度と同程度進め、データの蓄積を進めたい。また、一部の作業を外部委託するなどして、研究のさらなる加速を狙いたい。また、現生花粉の安定同位体比分析では、計画を前倒しして、化石化処理が比較的容易なものについてはおおむね分析が終わったことから、2024年度は化石化処理の検討が必要な大型花粉などの試料の分析が中心となることから、分析点数の点からは減少が予想される。しかし、大型花粉の酸素同位体比は、これまで分析してきた花粉化石とその酸素同位体比の傾向が異なることが予測されているため、その重要性は大きい。2024年度はこの大型花粉の処理方法を検討するとともに、その安定同位体比の測定を進めたい
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)