Project/Area Number |
23K28220
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Project/Area Number (Other) |
23H03530 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 63010:Environmental dynamic analysis-related
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
佐藤 圭 国立研究開発法人国立環境研究所, 地域環境保全領域, 室長 (10282815)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池盛 文数 金沢大学, 環日本海域環境研究センター, 連携研究員 (00773756)
藤谷 雄二 国立研究開発法人国立環境研究所, 環境リスク・健康領域, 主幹研究員 (20391154)
吉野 彩子 国立研究開発法人国立環境研究所, 地域環境保全領域, 主任研究員 (30466255)
中山 智喜 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(環境), 准教授 (40377784)
森野 悠 国立研究開発法人国立環境研究所, 地域環境保全領域, 室長 (50462495)
飯沼 賢輝 沖縄科学技術大学院大学, 機器分析セクション, リサーチサポートスペシャリスト (60834588)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,200,000 (Direct Cost: ¥14,000,000、Indirect Cost: ¥4,200,000)
Fiscal Year 2025: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 微小粒子状物質 / 二次有機エアロゾル / 人為起源揮発性有機化合物 / 分子トレーサ / スモッグチャンバー / 揮発性有機化合物 / 分子マーカー / 芳香族炭化水素 |
Outline of Research at the Start |
健康や気候に影響を及ぼす大気中の二次有機エアロゾル(SOA)のうち、人為起源SOAの発生量を大気観測から評価できるトレーサの数は不足している。本研究では、人為起源の揮発性有機化合物(VOC)を前駆物質としてチャンバおよびフロー反応器内でSOAを発生させ、SOAトレーサ候補の化学構造とトレーサ/SOAの濃度比を決定するとともに、未知SOAトレーサを探索する。さらに名古屋、長崎および福江島で大気PM2.5試料を捕集して大気中でのSOAトレーサの挙動を調べ、新規SOAトレーサを用いた発生源解析の結果に基づいて大気モデルの検証を行う。一連の研究から実用的な新規人為起源SOAトレーサを提案する。
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Outline of Annual Research Achievements |
揮発性有機化合物のチャンバー実験およびフロー反応実験を行い、実験で生成されるSOAをフィルターに捕集してSOA試料を提供した。チャンバー実験では、人為起源のVOCを前駆物質とするNOx光酸化実験および硝酸ラジカル反応実験を行った。フロー反応実験ではVOCを前駆物質とする高濃度光酸化実験を行い、生成するSOAの光化学エイジングを調べた。チャンバー実験およびフロー反応実験で生成されたSOAはフィルターに捕集され、SOA試料フィルターは分割されて分析担当者に分配された。 年度の後半に名古屋市、長崎市、長崎県福江島においてPM2.5のフィルター捕集観測を行い、大気PM2.5試料を提供した。観測にはPM2.5インパクタ付のハイボリウムエアサンプラを用いてPM2.5をフィルター上に採取した。PM2.5試料フィルターは分割されて分析担当者に分配された。 年度内に提供されたエアロゾル試料(SOA試料および大気PM2.5試料)について、誘導体化GCMS分析、LCMS分析、イオン移動度質量分析が開始された。フィルター試料に適宜内部標準物質が添加された。フィルター試料中の有機化合物は、有機溶媒中に抽出され適宜、ろ過、濃縮、誘導体化、転溶等の前処理を行って分析可能な液体試料とした。誘導体化GCMS分析によってカルボキシル基を有する有機物トレーサを分析し、LCMS分析によってカルボキシル基およびフェノールOH基を有する有機トレーサを分析した。イオン移動度質量分析計によって、未知トレーサの構造解析を行った。 以前に名古屋市と長崎市で実施されたPM2.5中の有機トレーサ観測の期間に合わせた大気化学輸送モデル計算を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究計画全体の進展にとって本年度特に重要であったのは、次年度本格的に化学分析を実施するために、計画していたチャンバー実験、流通容器実験、および名古屋、長崎、福江島におけるフィルター捕集観測を計画通りに実施して化学分析するための試料を採取する事であった。計画していた実験および観測は計画通りに実施されたため、研究は概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、計画していた実験および観測を実施するとともに、今後は化学分析を本格的に開始する。また、化学分析の結果と比較するための大気モデル計算も実施する計画である。2024年度の計画は以下の通りである。 揮発性有機化合物のチャンバー実験およびフロー反応実験を行い、実験で生成されるSOAをフィルターに捕集してSOA試料を提供する。チャンバー実験では、人為起源のVOCを前駆物質とするNOx光酸化実験および硝酸ラジカル反応実験を行う。フロー反応実験ではVOCを前駆物質とする高濃度光酸化実験を行い、生成するSOAの光化学エイジングを調べる。チャンバー実験およびフロー反応実験で生成されたSOAはフィルターに捕集され、SOA試料フィルターは分割されて分析担当者に分配される。 名古屋市、長崎市、長崎県福江島においてPM2.5のフィルター捕集観測を行い、大気PM2.5試料とする。観測にはPM2.5インパクタ付のハイボリウムエアサンプラを用いてPM2.5をフィルター上に採取する。PM2.5試料フィルターは分割されて分析担当者に分配される。 提供されたエアロゾル試料(SOA試料および大気PM2.5試料)について、誘導体化GCMS分析、LCMS分析、イオン移動度質量分析を実施する。フィルター試料に適宜内部標準物質が添加される。フィルター試料中の有機化合物は、有機溶媒中に抽出され適宜、ろ過、濃縮、誘導体化、転溶等の前処理を行って分析可能な液体試料とする。誘導体化GCMS分析によってヒドロキシ基を有する有機物トレーサを分析し、LCMS分析によってカルボキシル基およびフェノールOH基を有する有機トレーサを分析する。イオン移動度質量分析計によって、未知トレーサの構造解析を行う。 名古屋市、長崎市、長崎県福江島で実施されたPM2.5観測の集中観測期間に合わせた大気化学輸送モデル計算を実施する。
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