Project/Area Number |
23K28221
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Project/Area Number (Other) |
23H03531 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 63010:Environmental dynamic analysis-related
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Research Institution | Japan, Meteorological Research Institute |
Principal Investigator |
足立 光司 気象庁気象研究所, 全球大気海洋研究部, 主任研究官 (90630814)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
茂木 信宏 東京都立大学, 理学研究科, 准教授 (20507818)
當房 豊 国立極地研究所, 先端研究推進系, 准教授 (60572766)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,720,000 (Direct Cost: ¥14,400,000、Indirect Cost: ¥4,320,000)
Fiscal Year 2026: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2024: ¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,940,000 (Direct Cost: ¥3,800,000、Indirect Cost: ¥1,140,000)
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Keywords | エアロゾル粒子 / 氷晶核 / 電子顕微鏡分析 / 北極観測 / 航空機観測 / 気候変動 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、1)アジアでの航空機観測試料、2)北極の混合雲から直接採取した雲の残渣粒子試料や北極エアロゾル試料、3)世界各地で採取されたアーカイブ試料を対象に、ナノスケールでエアロゾル粒子を解析する独自の電子顕微鏡分析と固体粒子分析及び氷晶核能測定を実施する。その結果をもとに、自然起源エアロゾル粒子混合体の大気存在量推定、混合過程の解明、氷晶実験を行うことで「自然起源エアロゾル粒子は混合状態によって氷晶核能を変化させ、その結果として氷晶を含んだ雲の形成に影響を与えるのでは?」との仮説を検証し、最終的に自然起源エアロゾル粒子が雲の生成や気候に与える影響の解明を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は電子顕微鏡等を用いた個別粒子分析によって、自然起源エアロゾル粒子混合体の大気存在量推定、混合過程の解明を行い、氷晶核になりうるエアロゾル粒子の実態を解明することを目的とする。その目標達成のため、当該年度ではアジアでの航空機観測、北極の混合雲から直接採取した雲残渣粒子の解析、またグリーンランド南部での試料採取や北極や南極での船舶観測を行った。 北極の観測では、6月(グリーンランド南部)と11月(ニーオルスン)に現地を訪問し、試料採取や連続試料採取のセットアップ、機器メンテナンスなどを行った。グリーンランド南部は比較的植生が豊かな極域の代表地域であり、バイオエアロゾルなどが生成するメカニズムを明らかにして、極域での氷晶核能粒子の実態解明実験を行った。また、ニーオルスンでは通年観測を行うことで、特に夏場に周辺環境からのバイオエアロゾルに着目した解析や雲残渣中の雲凝結核や氷晶核の解析を行った。 2024年2月―3月の2カ月間、アジア上空での航空機観測(ASIA-AQキャンペーン)に参加し、アジアにおける様々な放出源からのエアロゾル粒子を異なる都市、高度においての観測を行った。また、2022年に行われた北海道沖での航空機・船舶観測で得られた試料を分析し、海上でのバイオエアロゾル分布データを得た。 初年度は特に試料採取を重点的に行い、該当年度で得られた試料の解析は次年度以降に行う予定である。本研究では、アジアや極域など、気候変動に重要な地域での試料採取に成功しており、これらの試料を使った解析がエアロゾルの気候影響解明に向けた重要なデータとなることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までの進捗として、当該年度に主著1本を出版し、もう1本を投稿中である。また、共同研究論文7本を国際雑誌に報告しており、順調に進捗している。今年度は、アジアにおけるNASAが主催した大規模航空機国際観測(ASIA-AQ)への参加及びその準備に時間を費やした。その結果として、貴重な試料を計画通りに採取することができ、令和6年度以降に行う解析の成果が期待される。また、北極観測も継続的に行っており、観測計画は順調に進んでいる。電子顕微鏡を用いた分析も順次行っており、これまでに1000試料に及ぶ試料の画像分析が完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに採取した試料の電子顕微鏡分析を進める。令和6年度では、北極での通年観測を予定しており、8月頃に現地を訪問する計画である。また、フランスでの山岳試料の採取(4月)も計画するなど、さらに試料採取を進める予定である。最終的に、これらの試料分析結果を統合し、主に自然起源のエアロゾル粒子の混合過程についての知見を得る計画である。
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