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Elucidating the carcinogenic mechanism caused by chronic arsenic exposure through dysfunction of NK cells

Research Project

Project/Area Number 23K28239
Project/Area Number (Other) 23H03549 (2023)
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (B)

Allocation TypeMulti-year Fund (2024)
Single-year Grants (2023)
Section一般
Review Section Basic Section 63030:Chemical substance influence on environment-related
Research InstitutionTokushima Bunri University

Principal Investigator

角 大悟  徳島文理大学, 薬学部, 教授 (30400683)

Project Period (FY) 2023-04-01 – 2026-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2024)
Budget Amount *help
¥18,850,000 (Direct Cost: ¥14,500,000、Indirect Cost: ¥4,350,000)
Fiscal Year 2025: ¥5,980,000 (Direct Cost: ¥4,600,000、Indirect Cost: ¥1,380,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,590,000 (Direct Cost: ¥4,300,000、Indirect Cost: ¥1,290,000)
Fiscal Year 2023: ¥7,280,000 (Direct Cost: ¥5,600,000、Indirect Cost: ¥1,680,000)
Keywords慢性ヒ素中毒 / 発がん / ナチュラルキラー細胞 / ノイラミニダーゼ / ヒ素化合物 / シアル酸
Outline of Research at the Start

バングラデシュなどアジア諸地域を代表として、全世界において飲料水への高濃度のヒ素化合物の混入による慢性ヒ素中毒が深刻な問題となっている。ヒ素化合物への慢性的な曝露は甚大な健康影響を与えるが、その中でも発がんは深刻である。これまで、ヒ素曝露による発がんの機序を明らかにすることを目的とした研究内容は多く報告されているが、その詳細な機序はこれまで誰も達成できていない。本課題では、いまだ明らかになっていないヒ素化合物による発がん機序として、免疫システムの機能異常、特に「NK細胞によるがん細胞の殺傷に関わるシステムがヒ素化合物により影響を受けることが原因ではないか」と仮説を立て検討を進めるものである。

Outline of Annual Research Achievements

飲料水を介した慢性的なヒ素曝露による多臓器における発がんが問題となっているが、その機序は現在でも不明な点が多い。本年度は、NK細胞が持つ、がん細胞殺傷に関わる因子へのヒ素化合物の影響について検討すると同時に、がん細胞が持つ、NK細胞からの攻撃回避機能に対する亜ヒ酸の影響について、以下の3課題について検討を行った。
<課題:NK細胞が持つ、「正常細胞」と「がん細胞」を見分ける能力への影響>については、NK-92細胞への亜ヒ酸曝露により、抑制性受容体のKIR2DLファミリーの上昇を見出している。一方、活性化受容体については検討したものの中では有意な変動は検出されなかった。
<課題:NK細胞が持つ、免疫抑制Immuno-checkpoint、Glyco-checkpointに対する影響>については、現在、NK細胞への亜ヒ酸の曝露により、Glyco-checkpointに関わるSiglec7および9の発現が上昇することを見出している。
<課題:正常細胞へのヒ素化合物の長期曝露による、NK細胞攻撃回避システムの解析>についてHaCaT細胞に亜ヒ酸への曝露後、細胞表面にあるシアル酸量をHPLCで定量したところ、亜ヒ酸曝露によりシアル酸量が増加した。そこで、細胞表面のシアル酸が亜ヒ酸によって増加する機序として、シアル酸含有糖鎖の合成と分解の2つの経路に着目し検討を進めた。まず、シアル酸含有糖鎖の合成に関与しているシアル酸転移酵素(ST)のタンパク質発現量を比較したところ、亜ヒ酸曝露後48時間の段階でST3Gal3とST6Gal1の発現量が増加した。ST活性は亜ヒ酸によって増加する傾向が見られた。次に、糖鎖に結合したシアル酸を加水分解するノイラミニダーゼ(NEU)の活性に対する亜ヒ酸の影響を検討した。その結果、4日間の亜ヒ酸曝露によりNEU活性は有意に低下した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

<課題①:NK細胞が持つ、「正常細胞」と「がん細胞」を見分ける能力への影響>NK-92細胞への亜ヒ酸の曝露により、「正常細胞」と「がん細胞」を見分ける能力を持ついくつかの受容体の変動について明らかにしつつある。IL-2の添加により減少する抑制性受容体KIRファミリーの発現量が、亜ヒ酸の同時曝露により抑制された。一方で、活性化受容体に属する分子に関しては亜ヒ酸による変動は検出されなかった。
<課題②:NK細胞が持つ、免疫抑制Immuno-checkpoint、Glyco-checkpointに対する影響>NK細胞への亜ヒ酸の曝露により、Glyco-immune checkpointに関わる因子として、NK-92細胞に強く発現しているSiglec7,9 のmRNA発現量を検討したところ、Siglec7および9のmRNA量が発現が上昇した。現在、さらなる解析を進めている。
<課題③:NK細胞が持つ、サイトカイン遊離活性への影響>NK-92細胞へのIL-2添加により誘導されるIFN-γの産生に対して、亜ヒ酸が抑制することを見出している(既報)。そこで、昨年度はIL-12単独、あるいはIL-2とIL-12の共添加により誘導されるサイトカイン量への亜ヒ酸の影響を検討した。その結果、IL-2単独添加に比べてIFN-γの遊離量は著しく上昇したが、亜ヒ酸の同時曝露により、IFN-γの遊離量は抑制された。
<課題④:正常細胞へのヒ素化合物の長期曝露による、NK細胞攻撃回避システムの解析>現在HaCaT細胞を中期的に亜ヒ酸に曝露すると、NK細胞の癌細胞への攻撃抑制に関わるシアル酸を細胞表面に提示すること、さらにその機序についてノイラミニダーゼの酵素活性の阻害が関与していることが示唆された。
以上のことから、概ね進行していると考える。

Strategy for Future Research Activity

<課題①:NK細胞が持つ、「正常細胞」と「がん細胞」を見分ける能力への影響>昨年度では、IL-2の添加による受容体の変動に対する亜ヒ酸の影響について検討を進めた。本年度に関しては、IL-2 + IL-12添加による抑制性受容体および活性化受容体の変動を明らかにして、それらの発現変動に対する亜ヒ酸の影響を明らかにする。
<課題②:NK細胞が持つ、免疫抑制Immuno-checkpoint、Glyco-checkpointに対する影響>昨年度の検討で、NK細胞への亜ヒ酸曝露によりSiglec-7および9の発現が変動した。そこで、本年度は、Siglec-7および9の発現が変動の原因、およびそれに起因するNK細胞の殺傷活性への影響を明らかにするとともに、Immuno-checkpointに関わるPD-1の発現変動に関しても検討する。
<課題③:NK細胞が持つ、サイトカイン遊離活性への影響>昨年度の検討により、IL-2 + IL-12によるIFN-γの遊離に対する亜ヒ酸の影響を検討した。そこで、本年度はIFN-γ以外のサイトカイン(例、IL-6、IL-10など)遊離への亜ヒ酸の影響についても検討を進める。
<課題④:正常細胞へのヒ素化合物の長期曝露による、NK細胞攻撃回避システムの解析>昨年度の検討により、HaCaT細胞に亜ヒ酸への曝露によりノイラミニダーゼ活性の低下を伴った細胞表面でのシアル酸量の増加を検出した。本年度は亜ヒ酸によるノイラミニダーゼ活性阻害の機序、ならびにHaCaT以外の細胞腫においても同様の結果が観察できるかについて検討を進める。さらに、亜ヒ酸曝露による細胞表面のシアルさん量の増加によってNK細胞の認識が減弱するかについて、NK細胞による細胞攻撃を指標に検討を進めていく。

Report

(1 results)
  • 2023 Annual Research Report
  • Research Products

    (4 results)

All 2024 2023 Other

All Presentation (3 results) Remarks (1 results)

  • [Presentation] 亜ヒ酸は細胞膜表面における糖鎖末端のシアル酸発現量に影響を与える2024

    • Author(s)
      〇田口央基、藤代瞳、角大悟
    • Organizer
      日本薬学会第144年会
    • Related Report
      2023 Annual Research Report
  • [Presentation] Glyco-immune checkpointに関与する細胞膜表面のシアル酸は亜ヒ酸により増加する2023

    • Author(s)
      .〇田口 央基,藤代 瞳,角 大悟
    • Organizer
      第30回日本免疫毒性学会学術年会
    • Related Report
      2023 Annual Research Report
  • [Presentation] 亜ヒ酸は細胞表面の糖鎖組成に影響を与える-ヒ素による発がんとの関連性-2023

    • Author(s)
      〇田口 央基,藤代 瞳,角 大悟
    • Organizer
      第28回ヒ素シンポジウム
    • Related Report
      2023 Annual Research Report
  • [Remarks] 徳島文理大学薬学部薬物治療学

    • URL

      http://p.bunri-u.ac.jp/lab10/schedule1.html

    • Related Report
      2023 Annual Research Report

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Published: 2023-04-18   Modified: 2024-12-25  

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