Project/Area Number |
23K28240
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Project/Area Number (Other) |
23H03550 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 63040:Environmental impact assessment-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堀 まゆみ 東京大学, 教養学部, 特任助教 (50782869)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小豆川 勝見 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (00507923)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥19,630,000 (Direct Cost: ¥15,100,000、Indirect Cost: ¥4,530,000)
Fiscal Year 2027: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥16,380,000 (Direct Cost: ¥12,600,000、Indirect Cost: ¥3,780,000)
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Keywords | マイクロプラスチック / 水道水 / 水道異物 / 異物 |
Outline of Research at the Start |
マイクロプラスチックは陸域から河川へ流入し海域に運ばれることから、表流水などの飲用水源にプラスチック粒子の混入が指摘されているものの、社会基盤インフラの要である水道水中の微細な異物(マイクロプラスチックおよび無機物粒子)の定性的実態は不透明な状況が続いている。本研究では、水道水中の微細な異物の実態把握を行い、発生源の解明を目指す。粒子解析と顕微FT-IR法を組み合わせた手法により、スケール等の水道異物の中からマイクロプラスチックを正確に定量する手法の検討を進め、水道水分析に適した高効率な分析法を確立する。その後、調査範囲を全国展開し解析することで、その分布・地理的特性・発生源を解き明かす。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、水道水中のマイクロプラスチックに着目し、スケール等の水道異物の中からマイクロプラスチックを正確に定量する手法の確立、および、その分布・地理的特性・発生源について明らかにすることを目的としている。 初年度である2023年度は、水道水分析に適した高効率な分析法の確立を目指し、研究環境の構築を行った。水道水中の微細なマイクロプラスチックを確実に定量するため、顕微フーリエ変換赤外分光分析装置(顕微FT-IR)を導入した。これにより、捕集した多数の微細異物(微細粒子)を一度に定性するマッピング分析、そしてその微細な粒子一つ一つについて成分や材質を判定することが可能になった。加えて、蛍光X線分析装置(XRF)についても本研究に導入し、微細粒子の元素情報を定性・定量分析し、付着物や添加剤の有無など素材の詳細な違いも含めて評価することが可能となった。高速で組成を明らかにする顕微FT-IRおよび無機元素の特定を得意とするXRFの両手法を組み合わせた測定により、異物の成分判定や構成比率などを総合的に判断できるようになり、研究体制が整った。 実試料の測定に向け、顕微FT-IRとXRFを連動・連結し、水道水の微細異物について解析するための測定条件の検討を行っている。これら分析手法の確立と並行し、水道水の採水を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた通り、顕微FT-IRを導入した。これにより、本研究の最大テーマである微細異物、特にマイクロプラスチック分析のための研究環境が整った。装置導入に時間を要したが、マイクロプラスチック分析手法の確立に向けて試料前処理方法や測定条件についての検討に着手することができている。これらの状況から、おおむね順調と判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に、本研究を遂行するにあたっての研究環境を構築することを達成した。今後は、まずは水道水中の微細異物に対し、マイクロプラスチックの分離定量法の確立を行う。水道水分析にあたっては、トン単位でのサンプル容量を必要とする方法は現実的ではなく、加えて環境に配慮するためにも、試料量が少量でかつ異物を確実に捉えるための試料前処理方法の検討を進め、水道水分析に適した高効率な分析法の確立を目指す。また、FT-IRとXRFの複合解析のため、両手法を取り入れた統合的な解析手法を検討し、水道水の微細な異物を見逃さない分析手法の確立と測定条件の最適化を進める。 日本全国の水道水の実態把握のため実試料の測定を本格的に開始し、データ解析を精力的に行う。全国規模での調査により判明した特徴のある地点では定点観測を行い、地域特性を見出す。水道水の採取地点・属性や採取時期から、地域差、季節変動などを把握し、日本全国の水道水のマイクロプラスチック混入実態について網羅的に考察する。最終的には、マイクロプラスチックの濃度分布を地図上に落とし込み、日本全国を俯瞰した一元的なデータとして、一般公開し、誰でも自由に閲覧できるようにする。現状の周知と現状に基づく議論を可能にするデータベースとなることを目指す。
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