| Project/Area Number |
23K28242
|
| Project/Area Number (Other) |
23H03552 (2023)
|
| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
| Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Basic Section 63040:Environmental impact assessment-related
|
| Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
富田 祐子 (半場祐子) 京都工芸繊維大学, 応用生物学系, 教授 (90314666)
|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬場 啓一 京都大学, 生存圏研究所, 助教 (20238223)
久米 篤 九州大学, 農学研究院, 教授 (20325492)
奈良 久美 奈良女子大学, 自然科学系, 准教授 (30322663)
北島 佐紀人 京都工芸繊維大学, 応用生物学系, 准教授 (70283653)
|
| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2027-03-31
|
| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
| Budget Amount *help |
¥17,290,000 (Direct Cost: ¥13,300,000、Indirect Cost: ¥3,990,000)
Fiscal Year 2026: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2023: ¥7,540,000 (Direct Cost: ¥5,800,000、Indirect Cost: ¥1,740,000)
|
| Keywords | 光合成 / 大気汚染 / 街路樹 / アクアポリン / 気孔 / 都市温暖化 / 水利用効率 / ソメイヨシノ / イチョウ / 炭素安定同位体比 / 都市環境 |
| Outline of Research at the Start |
都市樹木は、緑陰形成や蒸散による冷却、二酸化炭素吸収などにより都市環境を改善するが、地球温暖化・ヒートアイランド化や大気汚染によって、活性の低下が確認されている。樹木活性の維持には光合成の維持が必須であり、そのためには光合成を調節する気孔開閉特性が鍵となる。気孔応答の調節因子の一つである輸送体タンパク質「アクアポリン」と、気孔応答の指標となる「炭素安定同位体比」とに着目し、アクアポリンの存在量と植栽現場における樹木の気孔開閉特性との関係を明らかにすることで、都市樹木機能の新評価法を確立し、都市環境変化への適応性が高い樹木種を提案する。
|
| Outline of Annual Research Achievements |
(1)京都市内の市街地を対象とした街路樹調査:2005年から2023年までの京都市での調査により、大気汚染の大幅な改善が、街路樹の光合成を高めたことを明らかにした。2020-2023年と2005-2008年とを比べると、この15年間で大気汚染物質である二酸化窒素濃度は60%も低下し、街路樹であるツツジやサクラの光合成は25%増加した。京都市でこの15年間に大気中の二酸化窒素濃度が低下したのは、自動車NOx法注1)の制定や改正によるトラックの環境性能改善による効果が大きい。地道な大気汚染対策の取り組みは、人の健康だけでなく、街路樹にも良い効果を与えることを示している。一方、2020年-2023年のコロナの流行は経済活動の停滞から交通量の減少を引き起こしたが、その間の二酸化窒素濃度の低下は5%程度に過ぎず、街路樹の光合成を改善することはなかった。コロナ流行によって世界各地の都市の大気汚染が改善されたことが報告されているが、日本においてはすでに大気汚染が改善されていたこともあり、街路樹の光合成を改善するほどの影響はなかったと考えられる。 (2)街路樹であるイチョウの光合成機能解析:高木街路樹であるイチョウを対象とし、大気汚染物質に対する耐性、塩ストレスに対する耐性、大気湿度の変動ストレスに対する耐性を調査した。低木街路樹であるヒラドツツジと比較した場合、いずれのストレスに対してもイチョウの光合成機能は変動率が小さく、高い耐性を持っていることが示された。 (3)アクアポリンの機能解析:原形質膜型アクアポリンAtPIP2;2の2つのアイソフォームの細胞内局在と機能の解析、ソメイヨシノにおいて高温で誘導されるアクアポリン遺伝子の探索、ロイヌナズナアクアポリンPIP2;3の役割などの解析を行った。現在、シロイヌナズナのアクアポリンのソメイヨシノへの導入を試みている。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
街路樹調査に関しては、京都市内における2005年から2023年までの調査結果をまとめて論文化することができた。大気汚染と街路樹の光合成機能に焦点を当ててデータを解析した結果、京都市においては、大気汚染が街路樹に与える悪影響は緩和されてきている、という重要な結果が得られた。 また、シロイヌナズナに存在するいくつかのアクアポリンについて、その生理的な機能を明らかにすることもできている。 一方、シロイヌナズナのアクアポリンを街路樹の1つであるソメイヨシノに導入する実験については、なかなか成果が得られていない。
|
| Strategy for Future Research Activity |
(1)屋外における街路樹調査:2025年度は街路樹の樹種を低木に絞る。これまでの研究で都市環境に対して耐性が高い可能性があることが判明している「シャリンバイ」を対象とし、大気汚染だけでなく、ヒートアイランドに対する耐性がどのようになっているのかを、京都市内で調査する計画である。 (2)街路樹の栽培実験:都市環境のストレスとして、道路舗装による土壌への水の浸透阻害に着目する。京都工芸繊維大学内に、舗装道路で用いられているものと同じ素材を使って実験区を作り、高木街路樹であるクスノキの光合成機能や成長がどのような影響をうけるのかを明らかにする。 (3)アクアポリンの機能解析と遺伝子導入:引き続き、ソメイヨシノにシロイヌナズナのアクアポリンを導入する試みを行う。平行して、水輸送など生理的な機能が明らかになっているシロイヌナズナのアクアポリンを対象に、気孔応答への関与メカニズムを明らかにする。
|