Project/Area Number |
23K28248
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Project/Area Number (Other) |
23H03558 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 64010:Environmental load and risk assessment-related
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
水川 薫子 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 講師 (50636868)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高沢 麻里 埼玉県環境科学国際センター, 土壌・地下水・地盤担当, 技師 (30866124)
赤井 伸行 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (50452008)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,980,000 (Direct Cost: ¥14,600,000、Indirect Cost: ¥4,380,000)
Fiscal Year 2026: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2023: ¥9,750,000 (Direct Cost: ¥7,500,000、Indirect Cost: ¥2,250,000)
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Keywords | 添加剤 / プラスチック / 循環型社会 / 環境汚染 / リサイクル / 熱分解GC-MS |
Outline of Research at the Start |
プラスチックに含有される様々な添加剤は、適正に回収され処理をされても、埋立地の浸出水から環境中に広がったり、リサイクルによって再度製品に含有されたりと非意図的に循環している。本研究では、「非意図的に循環する化学物質」に着目し、その発生源となる埋立地浸出水や再生プラスチック中の化学物質を分解産物も含めてスクリーニング・同定することで、起源特異的なマーカーとなりうる物質を探索し、環境中での実態把握及び環境動態を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度はマルチショットパイロライザーの導入およびその検討、荒川上流水循環センター周辺での水試料サンプリング、ハロゲン化のビスフェノールA(BPA)の分析方法の開発、フィリピンごみ処分場進出水の採取、デカブロモジフェニルエタン(DBDPE)の脱臭素化予備実験を実施した。 導入したマルチショットパイロライザーの分析方法の検討のために、添加剤含有プラスチック試料を用いた。比較的低分子の添加剤の検出であったが、高分子量の添加剤の検出が困難であった。幅広い添加剤を網羅的に分析するためには分析方法の改良が必要と判断した。 サンプリングは、ごみ処分場進出水に関連する試料として、フィリピンにごみ処分場進出水および過去に高濃度のビスフェノールA(BPA)が検出されたことのある荒川上流水循環センター周辺水試料を採取した。荒川上流水循環センター放流水について、過去に高濃度のビスフェノールAが検出された時と比べて現場観測で行った電気伝導度の値が低かった。BPAの分析はまだ行っていないが、試料採取日前の降雨量がごみ処分場進出水の下水道放流に関係していると予想し、試料採取のタイミングをうかがっている。今後、採水した試料中のBPAおよびハロゲン化BPAを分析を行っていくにあたり、ハロゲン化BPAの分析法については分担者の研究環境で分析できるように立ち上げを行った。 DBDPEをテトラヒドロフラン中で光分解させ、脱臭素化産物の生成実験を予備的に行った。光分解によって脱臭素化物の生成はGC-ECDにおける分析によって確認できたが、分解時間・初期濃度などの実験条件や、分子量を同定するための質量分析法における分析法については改良していく必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は具体的な結果は出てはいないものの、マルチショットパイロライザーの導入およびその検討、国内・国外でのサンプリング、DBDPE分解実験の予備実験、ハロゲン化BPA分析法の立ち上げなどを行ったことにより、2024年度に成果を出していくための準備や課題の洗い出しにつながる結果を得られたことから、おおむね順調に進展していると判断した。 当初の研究計画から予定外だった点は2点ある。 1点目は、荒川上流水循環センターへのごみ処分場進出水の下水道放流が日常的ではないことが明らかになった点である。こちらについては、下水道放流条件とその頻度を実環境中から把握することも本課題の目的として加えていくこととした。 2点目は、DBDPEの構造推定に必要な本学共同利用機器であるGC-FTIRの修理が現時点で見込めない点である。こちらは他機関の機器の利用を検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の方策としては、以下の3点を実施する。 1.マルチショットパイロライザーの分析法の改良および開発した分析法によるリサイクルプラスチック試料や環境中プラスチック試料中添加剤の分析:具体的には、様々なリサイクルレジンペレット中の添加剤をマルチショットパイロライザーの熱脱着分析によって網羅的に把握する。また、リサイクルレジンペレットの中にはバージンレジンペレットと識別が困難なものもあるため、環境中に存在しているレジンペレット中のうちリサイクルレジンペレットの割合がどの程度存在するかも把握する。 2.荒川上流水循環センターへのごみ処分場進出水の下水道放流条件とその頻度の把握と放流水中BPA類縁物質濃度の実態把握:降雨量とごみ処分場進出水の下水道放流のパターンを抑え、効率的な試料採取を目指すとともに、放流水中電気伝導度とBPA濃度およびハロゲン化BPA濃度の把握を行う。 3.DBDPE分解生成物の作成および分解産物の構造推定にまつわるパラメータの取得およびDFT計算による構造推定:DBDPEの光分解生成物を作成し、GC-ECDにて分解産物の確認、GC-MSで分解産物の質量とマススペクトルの確認、GC-FTIRにて分解産物の赤外スペクトルを取得し、それらの情報からDFT計算によって構造を推定し、リサイクルプラスチック中などに含まれるDBDPE分解産物との照合を行う。
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