Development of a Highly Efficient and Highly Selective Phosphorus Recovery System from Steelmaking Slag
Project/Area Number |
23K28262
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Project/Area Number (Other) |
23H03572 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 64030:Environmental materials and recycle technology-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
坪内 直人 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (90333898)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥19,240,000 (Direct Cost: ¥14,800,000、Indirect Cost: ¥4,440,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,940,000 (Direct Cost: ¥3,800,000、Indirect Cost: ¥1,140,000)
Fiscal Year 2023: ¥12,220,000 (Direct Cost: ¥9,400,000、Indirect Cost: ¥2,820,000)
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Keywords | 有価物回収 / 分離精製高純度化 / リサイクル化学 / 資源循環 |
Outline of Research at the Start |
本課題研究では「製鋼スラグ中に含まれるリンの選択的分離回収法の開発」に取り組む。具体的には、リンの回収を阻害する要因となる鉄を塩素化法で事前分離したのち、水蒸気改質により塩化物を酸化物形態に転換し、次いで、脱鉄スラグの炭素還元によりリンのみを選択的に分離回収する技術の開発を行う。得られた成果は、リン鉱石の輸入依存からの脱却が可能な希少資源確保技術に直結するため、資源量の乏しい我が国にとって、その社会的意義は極めて大きい。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では「製鋼スラグ中に含まれるリンの選択的分離回収法の開発」を行う。具体的には、リンの回収を阻害する鉄を塩素化法で事前分離したのち、水蒸気改質により塩化物を酸化物形態に転換し、次いで、脱鉄スラグの炭素還元によりリンのみを選択的に分離回収する技術の開発を行う。特に、塩素化や炭素還元に関わる鉄とリンの揮発挙動、それを制御する因子を解析し、反応機構を解明する。 令和5年度は、塩素化処理による鉄の選択的事前分離法の確立に重点を置いた。先ず、製鋼スラグを1000℃で0~60min塩素化処理したときのスラグ構成元素の揮発挙動を詳細に分析したところ、鉄の揮発は400℃付近から始まり、1000℃までは鉄のみ揮発させることが出来た。しかし、揮発率は85%前後であった。揮発率の更なる向上を目指し、次に、鉄の揮発が進行する1000℃で保持を行なったところ、揮発率は10min後に95%以上になったが、チタンの揮発も同時に起こり、60min後には全てが気相中に移行した。また、保持時間の増加にともない、マグネシウムの揮発も起こり、60minまでに40%が放出された。これに対し、カルシウム、シリコン、アルミニウム、リンの揮発は認められなかった。これらの結果から、塩素ガス中、1000℃で加熱保持を行なうことにより、鉄、チタンそしてマグネシウムの一部を選択的に揮発分離させ、その他の元素に関しては固相中に濃縮できることが明らかとなった。 また、応用研究として下水汚泥焼却灰と鶏糞炭化物に塩素化処理を行ったところ、前者では1000℃で30min保持すると鉄をほぼ完全に揮発分離でき、一方、後者では炭素が共存するため製鋼スラグと同様にリンと鉄が同時に揮発して鉄リン合金が形成されたが、400℃で保持することにより鉄のみを選択的に事前分離することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
令和5年度は、上述したように製鋼スラグの塩素化処理による鉄の選択的事前分離法の確立に取り組み、1000℃での加熱保持により、鉄、チタン、そしてマグネシウムの一部を選択的に揮発分離させ、一方、その他の構成元素は固相中に濃縮させることに成功した。さらに、応用研究として、下水汚泥焼却灰と鶏糞炭化物を対象とした実験も行い、これらから鉄を事前分離するための最適条件も見出した。このように本研究は順調に進展しており、令和5年度に掲げた目標を充分に達成している。
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Strategy for Future Research Activity |
申請者の研究に依ると、脱Feスラグの構成元素はCl2ガスとの反応で塩化物形態に変化する。また、塩素化処理時に炭素が共存すると、Feに加えSi・Al・Ti・Pの揮発も進行し、1000℃での揮発率はSi=Al<Ti<Fe<Pの順で増大する。つまり、脱Feスラグをそのまま炭素還元に供すると、固相中Clが炭素還元で生成した化合物と反応し、様々な元素が揮発する。本研究ではPの選択的分離回収を目的とするため、他の元素の揮発は望ましくない。一方、申請者は先に、「塩化揮発処理によるDy含有NdFeB磁石からの希土類元素の分離回収法の開発」に取り組み、磁石中のFeは塩化鉄として揮発し、回収した塩化鉄はH2O/N2中で熱すると300℃の低温から酸化鉄に変化することを発見した。即ち、水蒸気処理は塩化物の酸化物への転換に有効であった。そこで脱Feスラグに含まれるCl化合物を酸化物に転換する技術を研究する。実験には水蒸気発生装置を備えた固定床反応器を使い、試料には脱Feスラグと揮発分離後に回収した鉄塩化物を用いる。試料のCl含有量はハロゲン分析計で測定する。H2O量、温度、昇温速度、保持時間、ガス流量をパラメータとして変化させる。加熱過程で発生するHClはインピンジャーと吸収トラップで回収し、その溶液中のCl濃度をイオンクロマトグラフで分析する。また、加熱後の試料の組成・化学形態・Cl含有量をICP、XRD、ハロゲン分析計などで測定し、塩化物の酸化物への最適転換条件と反応メカニズムを解明する。さらに、令和5年度に取り組んだ下水汚泥焼却灰と鶏糞炭化物に対する応用研究も推し進め、二次P資源からのPの高効率かつ高選択的な回収技術を確立する。
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Report
(1 results)
Research Products
(10 results)