Project/Area Number |
23K28306
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Project/Area Number (Other) |
23H03616 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 80010:Area studies-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
神馬 征峰 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 名誉教授 (70196674)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小正 裕佳子 獨協医科大学, 医学部, 特任講師 (60733269)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥9,490,000 (Direct Cost: ¥7,300,000、Indirect Cost: ¥2,190,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
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Keywords | 国際保健 / 難民 / 在留外国人 / ヘルスプロモーション / 健康の社会的決定要因 / 保健医療アクセス / 難民・避難者 / 精神的健康 / 移民 / 混合研究法 |
Outline of Research at the Start |
世界で度重なる紛争や迫害により故郷を追われた人の数は年々増えている。日本では、ウクライナ避難民が2024年2月時点で2100人を上回っており、滞在も長期化してきている。ウクライナ人以外にも、在留許可がおりず何年も経過する人や、働けずに不安定な生活を送っている人がいる。紛争や迫害を経験した住民の約22%が精神障害を抱えているとの報告がある一方で、その後の庇護の状況により短期・長期での健康状態がどのように変化するかについては明らかになっていない。本研究は、日本に逃れた避難民・難民の健康状態と、支援の内容・形態・頻度との関連を調査し、どのような支援が有効であるかについてのエビデンス構築を目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、ロシア侵攻によるウクライナ避難者及び、中東などからの難民申請中の人々を支援する団体に対して調査協力依頼を行うとともに、支援団体に対する聞き取り調査も実施した。 ウクライナ避難者のうち東部出身者の多くは、帰る場所・自宅を失っており、長期的な避難に伴い、日本への定住を検討し始めている家庭も少なくなかった。一方、言語や年齢、体調などのハードルにより就職が思うようにいかないことや、子どもたちの就学に伴う問題も増えていた。PTSDに関する状況の把握の必要性も指摘され、2024年度の調査に一部を盛り込む方向である。一方、中東のクルディスタン地域出身者に関しては、日本への流入がここ数年で急激に増加しており、特に埼玉県南部を中心に数百人程度増加している。多くが難民申請中であるが、在留資格の状況や滞在期間、生活については状況が個別に異なることもあり、実態の把握が困難となっている。支援団体と協力して推計したところ、在留資格が不安定な生活困難世帯の人口構成は19歳以下が40% 近くを占める可能性がある。必要な医療を受けることが困難な子ども、通園・就学していない子どもの存在も報告されている。地元自治体や学校等と連携した調査方法について協議しており、2024年度・2025年度に実施予定である。 本研究後の社会実装に関する視点を広げるため、2023年度はタイに2回、台湾に2回訪問し、両国における移民・難民対策について検討した。タイではスラムに居住することにより移民・難民が貧困の悪循環から逃れられずにいる状況の中でも、教育活動に参加することによって、国内最難関大学に入学した若者、外交官となった人などもおり、地道な教育の重要性が確認できた。台湾では工業地帯で喘息などの呼吸器対策を患っている移民・難民を含む住民に対して教育を含む包括的アプローチが取られており、ここでも教育の重要性が確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究計画を進行するにあたり、研究で対象とする日本入国後の難民・避難者(外国籍の人)の健康に関連する要因を検討するため、日本在住外国人全般の健康の社会的決定要因に関する分析が必要と判断し、難民・避難者以外のコミュニティの調査データ分析も追加で行うこととした。その部分については2023年度に約1,000名を対象とした3言語での調査が終了し、現在分析の最終段階である。一部の成果については学会での発表を行った。そのため難民・避難者を対象とした調査がスケジュール予定よりも遅れた。2024年度には当該調査を予定通り進めることとしている。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、本研究で実施する質的インタビュー調査について、2023年度に調査依頼を実施した団体から直接連絡の取れる対象者だけでなく、活動を通じて繋がりのある支援者・自治体関係者への調査も実施する方向で一部協力が得られている。 また、量的調査については、日本在住外国人全般の健康の社会的決定要因に関する調査を2023年度までに3言語で実施したものを分析しているが、さらに3-5言語を追加して同様の調査を2024年度内に約1,500名程度を対象として実施する予定である。この分析も含めて総合的に日本国内の難民・避難者の健康の社会的決定要因について調査結果を検討する予定である。 また、研究実施の背景情報として他国での難民・避難者への対応状況について把握する必要があり、2023年度中にタイ・台湾への訪問により情報収集を行ったが、同様の現地調査や検討を2024年度以降も行う可能性がある。
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