Development of a high-strength UHV mechanical vacuum pump with a getter function for next-generation accelerators
Project/Area Number |
23K28351
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Project/Area Number (Other) |
23H03662 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 80040:Quantum beam science-related
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
神谷 潤一郎 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, J-PARCセンター, 研究主幹 (20391336)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉田 剛 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究所 物質科学研究センター, 研究職 (80772342)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,720,000 (Direct Cost: ¥14,400,000、Indirect Cost: ¥4,320,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2024: ¥6,630,000 (Direct Cost: ¥5,100,000、Indirect Cost: ¥1,530,000)
Fiscal Year 2023: ¥9,490,000 (Direct Cost: ¥7,300,000、Indirect Cost: ¥2,190,000)
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Keywords | 超高真空技術 / 表面分析 / ゲッターポンプ / ターボ分子ポンプ / NEGポンプ / 積層造形 / 排気速度 / 圧縮比 / チタン合金 |
Outline of Research at the Start |
次世代加速器の大強度化、高輝度化には超高真空の高度化が必須である。本研究の概要は、これまでにない高性能な超高真空ポンプとして、ゲッター機能付きチタン合金製の自由形状なターボ分子ポンプを開発する。そのための積層造形技術の真空特性研究、3次元形状翼の最適化を行い、機械的な側面から真空ポンプ性能を高度化研究を行う。さらに、NEGコーティングしたチタンへの化学吸着・拡散の機構解明及び表面制御によるゲッター性能高度化研究を行う。本研究の成果は、大強度加速器や次世代放射光の真空のボトルネックを解決した上で省電力化を実現するとともに、半導体等の成長産業装置への社会実装に繋がるイノベーション技術となる。
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Outline of Annual Research Achievements |
次世代加速器の大強度化、高輝度化には超高真空の高度化が必須である。本研究では、これまでにない高性能な超高真空ポンプとして、ゲッター機能付きチタン合金製の自由形状なターボ分子ポンプを開発する。そのための積層造形技術の真空特性研究、3次元形状翼の最適化を行い、機械的な側面から真空ポンプ性能の高度化研究を行う。さらに、NEGコーティングしたチタンへの化学吸着・拡散の機構解明及び表面制御によるゲッター性能高度化研究を行う。本研究の目的は、大強度加速器や次世代放射光の真空のボトルネックを解決した上で省電力化を実現するとともに、半導体等の成長産業装置への社会実装に繋がるイノベーション技術を構築する。 初年度は、高強度材料であるチタン合金でターボ分子ポンプ動翼の製作に取り組んだ。また、試作機を製作し、性能試験を行った。その結果、最高回転速度を設計通り既存のターボ分子ポンプの回転速度680rpmに対し、835rpmまで向上させることに成功した。回転翼の回転数を上げることで、水素の排気速度は、従来のターボ分子ポンプに比べて34%向上し、圧縮比は540%向上した。水素は超高真空チャンバー内に留まるため、加速器、半導体、分析機器などの高度化に必要な超高真空技術に繋がる大きな成果である。 また、積層造形動翼のR&Dにも取り組み、動翼形状の製作を行った。NEGコーティングに関しては放射光分析を行い、活性化におけるチタン、ジリコニウム、バナジウムの各元素の役割の知見を得た。この結果は、2023年日本表面真空学会学術講演会で発表した。 さらに、電子顕微鏡を用いて、NEGコーティング膜厚と膜形態の相関を系統的に計測することができた。膜厚と活性化の相関と合わせて、系統的な調査結果に繋げることができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
新しい動翼材料としてチタン合金を選定し、動翼の加工、試作ターボ分子ポンプの製作、性能試験まで行うことができた。さらに、従来のターボ分子ポンプより水素に対してはるかに高性能であることが実証できた。計算についても、気体分子間の相互作用を考慮したモンテカルロ直説法(Direct Simulation Monte Carlo: DSMC)で実測と同等の結果を得るとともに、ポンプ内部での圧力分布も確認することができた。これらは国際会議での発表、論文投稿も可能な成果である。 また、積層造形動翼のR&Dにも取り組み、動翼形状の製作を行った。これにより、次年度のバランス調整確認等の試験に繋げることができる。NEGコーティングに関しては放射光分析を行い、活性化におけるチタン、ジリコニウム、バナジウムの各元素の役割の知見を得た。この結果は、2023年日本表面真空学会学術講演会で発表した。現在査読付き論文として投稿準備を進めている。さらに電子顕微鏡を用いて、NEGコーティング膜厚と膜形態の相関を系統的に計測することができた。膜厚と活性化の相関と合わせて、系統的な調査結果に繋げることができる。以上より、現在までの進捗状況については、当初の計画以上に進展していると評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
・高強度材料の優位性の評価:切削加工の動翼形状をチタン合金製にした場合の最大回転数における性能について、窒素に対する排気速度及び圧縮比を測定し、高強度材料製動翼の優位性評価を完了させる。窒素については、ポンプ性能測定の基本ガスであるため、今後、社会実装をする際に重要なデータとなる。 ・翼形状の最適化研究:モンテカルロ直説法により、排気効率と圧縮比を最適化できるTMPの翼形状を検証する。 ・NEGコーティング高度化の研究:NEGコーティングの膜厚、形態、ゲッター性能の相関を系統的に計測する。これは当該分野において、一般的な参照データとなるため重要である。また、NEGコーティングの性能に対する母材料の効果を、Si、Ti、SUSといった種々の材料を用いて分析する。具体的には、繰り返して活性化した際の酸素の拡散が母材によってどのように変化をするのかを、光電子分光の深さ方向プロファイルを計測することで評価を行う。 ・積層造形材の特性研究:積層造形材を超高真空材料に用いるのは世界的にも類がないため、積層造形の真空特性を取得する。具体的には、積層造形で真空容器を製作し、リーク量、到達圧力、放出ガス量を評価する。また、簡単な円筒形状の回転試験用テストピース及び数段の翼を模擬したテスト動翼を、積層造形で製作する。それらを用いて、積層造形品の寸法精度の検証、回転した場合のバランスの検証を行い、積層造形においてターボ分子ポンプ動翼を製作した場合の課題を抽出する。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)