Project/Area Number |
23K28367
|
Project/Area Number (Other) |
23H03678 (2023)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 90010:Design-related
|
Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
高田 宗樹 福井大学, 学術研究院工学系部門, 教授 (40398855)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉浦 明弘 岐阜医療科学大学, 保健科学部, 講師 (00528630)
木下 史也 富山県立大学, 情報工学部, 准教授 (20800907)
松浦 康之 岐阜市立女子短期大学, その他部局等, 講師 (30551212)
高田 真澄 中部学院大学, 看護リハビリテーション学部, 准教授 (50760998)
藤掛 和広 中京大学, 心理学部, 講師 (90508467)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
Budget Amount *help |
¥18,460,000 (Direct Cost: ¥14,200,000、Indirect Cost: ¥4,260,000)
Fiscal Year 2027: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥6,890,000 (Direct Cost: ¥5,300,000、Indirect Cost: ¥1,590,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
|
Keywords | デザイン評価 / ヒューマンコンピュータイ ンタラクション / 仮想現実 / データサイエンス / 衛生学 / ユニバーサルデザイン / 数理モデル / 応用数学 / ヒューマンコンピュータインタラクション / バーチャルリアリティ |
Outline of Research at the Start |
・加齢により3D映像認知機能は低下する。高齢者の3D映像認知に関する視機能および脳機能の変容を示すことで、より効果的な3D映像や超高精細な映像の利活用が期待される。そこで、低照度下における高齢者の3D映像認知機能の低下が、加齢に伴う視野狭窄由来か、背側視覚路の機能低下由来かを明らかにする。 ・視野狭窄:動的視野検査等を実施して視野の感度分布を調査する。 ・脳機能動態:脳内の視覚情報処理に与える影響をfMRIを利用して実験的に調査する。これまでの測定により、高齢者が周辺視認を行う場合、背側視覚路の亢進がみられない可能性が示唆されている。これにより3D映像による脳機能活性化メカニズムの解明につながる。
|
Outline of Annual Research Achievements |
一般的に、健常者は感覚情報の約80%を視覚から得ているといわれている。その中心視野では、主に追従視を行い、周辺視野では、主に周辺視を行う。この中心視野と周辺視野の二つからなる人の視野における視覚情報は、脳内で別々の経路で処理され、特に、中心視野の視覚情報は背側視覚路で処理される。中心視野での高精細な視覚に寄与する中心窩には錐体細胞が高密度で分布する一方、桿体細胞は周辺視野における視覚情報の関知に関わり、明暗識別の役割を担っている。また、視力には近方視力と遠方視力があり、主に、中心視野では近方視力に、周辺視野では遠方視力に依存した視覚情報の認知処理がなされると考えられる。さらに、認知障害を視線運動から検出する技術が、Zolaら(2013)やOyamaら(2019)によって開発が手掛けられているなど、注目を集めている。認知症や学習障害児の多くは、周辺視野における情報量の大きい認知処理が抑制傾向にあって、高次脳機能の一部に低下しているとする仮説を支持している。 一方、これまでに高齢者を対象とした事前研究によって、①高照度下では、瞳孔括約筋の機能低下による被写界深度の調整不全に伴って、②低照度下では、瞳孔筋によらない要因によって、立体映像視認に係る機能低下をきたすことが示唆されている。②については、加齢に伴う視野狭窄や背側視覚路の機能低下が考えられ、これらが高齢者における立体映像視認に係る機能低下に関する根源的な要因となっていることが考えられる。そこで本研究では、高齢者を対象とした周辺視機能を維持・向上させるシステム・デザインを開発し、その評価を行うことを目的とする。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ感染症拡大の影響を受けて、高齢者の周辺視機能を維持・向上させることが期待できるAR/VR映像コンテンツの開発を行った。当該の映像コンテンツを利用した視認トレーニングは毛様体筋群のストレッチ効果をねらったものである。 (1)仮想現実を利用したコンテンツであるため、被験者が立体視できれば、遠見視力や周辺視機能を維持・向上させるトレーニング効果が期待できる。そこで、スマートフォンとその補助器具を利用して、健常若年者58例を対象にステレオグラムテストを実施した。その結果、3分間で立体視ができない被験者が45%となり、本邦における深刻な衛生学的な問題が浮き彫りとなった。これは、日常生活におけるスマートフォンの多用が原因として考えられる。 今後は、高齢者に対しても、ステレオグラムテストの測定を行う予定である。 (2)健常若年者9例を対象として、上述の視認トレーニングを連続して5日間、実施した。その前後で、ステレオテスト、クレペリン検査、周辺視認を伴う視力検査を毎日行った。視認トレーニング前後で周辺視機能の維持・向上に効果がある群とその効果がない群に分けて統計比較を行ったところ、前者の群についても、持続的な視力維持・向上が必ずしも伴わなかったことが明らかになった。このことから、本年度以降、毛様体筋群の運動強度設計を見直す必要がある。
|
Strategy for Future Research Activity |
加齢により、高齢者の立体映像の視認機能は低下する。初年度の研究成果をふまえて、高齢者の立体映像認知に関する詳細な検討を行うことで、より効果的な立体映像や超高精細な映像の利活用が期待される。本研究では、特にこれまで明らかになっていない「低照度下における高齢者の立体映像認知機能の低下」に対してアプローチを試みることにより、高齢者を対象とした周辺視機能を維持・向上させるシステム・デザインの向上を計る。 研究期間2-3年次に、上述の映像コンテンツ利用した視認トレーニングとその効果測定を、高齢者を対象に行う予定である。並行して、低照度下における高齢者の立体映像認知機能の低下が、加齢に伴う視野狭窄由来か、背側視覚路の機能低下由来かを明らかにすることが目標となる。視野狭窄については、視野の感度分布または周辺視認時における視線運動を調査する。また、脳内の視覚情報処理に与える影響について、fMRIを利用して実験的に調査する。特に、高齢者が周辺視認を行う場合、背側視覚路の亢進がみられないことが考えられる。これにより立体映像による脳機能活性化メカニズムの解明につながる。
|