Project/Area Number |
23K28391
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Project/Area Number (Other) |
23H03702 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 90030:Cognitive science-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
孟 憲巍 名古屋大学, 情報学研究科, 准教授 (50861902)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鹿子木 康弘 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 教授 (30742217)
佐々木 恭志郎 関西大学, 総合情報学部, 准教授 (70831600)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,850,000 (Direct Cost: ¥14,500,000、Indirect Cost: ¥4,350,000)
Fiscal Year 2026: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,590,000 (Direct Cost: ¥4,300,000、Indirect Cost: ¥1,290,000)
Fiscal Year 2023: ¥8,450,000 (Direct Cost: ¥6,500,000、Indirect Cost: ¥1,950,000)
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Keywords | 社会的優位性 / 乳幼児 / 認知発達 / 社会的認知 / 優位性関係 / 個体発生 / 実験心理学 |
Outline of Research at the Start |
特定の個体同士に優位性関係(上下関係)が存在する階層化社会は集団の成長と安定に役立ち,ヒトをはじめ多くの社会的動物で観察される。近年,人々が如何にして優位性関係を築いているのかという問いにヒトやヒト社会の本質が秘められていることが社会科学の各分野から示唆されているが、その処理メカニズムと出現機序に関する実証的な検討が不十分である。本研究は、発達行動神経学的な方法論を駆使し、社会的認知と行動がみられ始める乳幼児期における優位性関係処理の「心理プロセス」、「神経基盤」と「獲得過程」を解明し、優位性関係を生み出すこころの成り立ちに関するグランドセオリーの提案を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度では、研究計画の「研究A:乳幼児における優位性関係の評価の心理的プロセスを解明する」を遂行し、数点の研究成果を得た。まず、幼児が超越的な能力の持つ主に対して社会的優位性を帰属するのか、尊敬という評価(Prestige)を抱くかどうかを実験的に検討し、その成果をCognition誌に掲載した。具体的には超越的な能力と社会的優位性を結びつける傾向が、人間にできること・できないことを区別し始める5~6歳児に見られるかを実験的に検討し、子どもたちは普通の人物と比べて、超越的な能力を持つ人物に対して驚きを示すだけではなく、社会的に優位であると判断することが示された。この研究成果は、人類史上多くの社会において超越的な能力を持つとされる存在が権威を持ってきたことや、現代社会においてもこの結び付きが根強く見られることの心理的基盤を理解する上で役立つものと期待される。また、子どもが感じる「憧れ」と「社会的順位」の法則を見出すことで、より良い教育環境を構築することが期待される。次に、能力の低い対象と比べて、能力の高い対象に対して乳児が接近しようとするのかを探索的に検討した。具体的には、高くジャンプする身体的能力を有する/しないキャラクターを乳児に見せた後に、二つのキャラクターを対提示し、乳児が身体能力の高いキャラクターを選択的に触ろうとするかどうかを調べた。偏りのある結果は得られなかったが、次の展開のための方法論の蓄積ができた。また、幼児対面実験やオンライン実験のノーハウを把握することが目的の一部となる研究を二つ実施し、それぞれFrontiers in PsychologyおよびSage Openに掲載した。また、上記の研究成果をプレスリリースし、『科学新聞』やネットニュースなどを通して反響を得た。乳幼児における社会的優位性認知の知見を記事として学術雑誌(BABLAB誌)で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度(令和5年度)より、報告者の異動で研究環境が大きく変わった。申請時に利用予定だった乳児研究環境は異動後の研究機関になく、それを時間をかけて構築する必要があった。ただし、この環境変化の中でも、報告者は工夫して予定通りに乳幼児研究の成果を発表してきた。今の段階では、概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は基本、申請書計画通りに、乳幼児の行動実験、神経科学研究および多文化比較研究を実施していく予定である。ただし、初年度に報告者の異動があり、現所属機関にて乳幼児研究環境を構築する必要がある。それに伴い、予定しなかった予算(例えば実験室のレンタル料金)を計上する必要が出てくる。その結果、fNIRS購入料金や米国渡航料の計上が難しくなる可能性がある。これらの点によって計画通りの研究遂行に支障が出る可能性があるが、報告者は全計画をスムーズに遂行できるように尽力する予定である。
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