Project/Area Number |
23K28394
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Project/Area Number (Other) |
23H03705 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 90030:Cognitive science-related
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
木村 健太 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究グループ長 (40589272)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片平 健太郎 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (60569218)
金山 範明 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (90719543)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥9,490,000 (Direct Cost: ¥7,300,000、Indirect Cost: ¥2,190,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
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Keywords | 内受容感覚 / 心周期 / 生体リズム / 意思決定 / 脳波 / 計算論モデル / 個人内変動 / 創造性 / behavioral variability / 感情 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、意思決定の個人内変動を脳-身体の相互作用の結果として生じる内受容信号のゆらぎから統合的に説明することを目指す。このため、脳を含む様々な生理活動の同時計測技術、生理活動に同期した刺激呈示技術、意思決定の計算論的モデリング技術を組み合わせた包括的な研究アプローチを用いる。最終的には、内受容信号のゆらぎが意思決定に個人内変動を生じる認知神経科学的メカニズムと計算論的プロセス、この背後に存在する機能的役割を解明することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、身体内部状態から脳に送られる内受容信号のゆらぎが意思決定に個人内変動を生じる認知神経科学的メカニズムと計算論的プロセスを明らかにすることである。2023年度の研究では、内受容信号による意思決定の変調がどのような認知神経科学的メカニズムに起因するのかを検討するための実験系を確立することを目的とした。このため、リスクに関わる意思決定課題を用い、選択肢の呈示タイミングを心臓の収縮期か拡張期に同期するよう操作するとともに、選択までの時間圧や報酬の随伴性の有無、意思決定のフレーム(獲得・損失フレーム)といった実験課題パラメータを操作する一連の実験を実施した。その結果、これらの実験課題パラメータにより心臓に起因する内受容信号が意思決定に及ぼす影響が調節されることが分かった。具体的には、時間圧の高い状況下では心臓の収縮期に選択肢を呈示した際によりリスク選好が高まる一方、時間圧の低い状況下では心臓の収縮期に選択肢を呈示した際によりリスク選好が低まることが明らかになった。また、意思決定のフレームにおいて、特に意思決定が獲得フレームの際にこのような傾向が強くなることが分かった。また、これらの心臓に起因する内受容信号の影響は、報酬の随伴しない状況下では観察されなかった。これらの一連の実験結果より、心臓に起因する内受容信号が意思決定に及ぼす影響は文脈に依存することが分かるとともに、次年度以降に実施する研究における基盤的な実験系の課題パラメータを把握することができた。加えて、意思決定課題時の脳波計測を実施するため、実験環境におけるノイズレベルなどを定量化し、ノイズの発生源を同定・機材変更することで脳波を含めた生体計測系の環境の構築を完了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度の研究では、当初予定していた実験系の確立は達成できた。一方、脳波計測のための実験系構築に遅延が生じたことで、脳波を含めた検討までは実施できなかった。このため、当初予定していた以上に実験課題パラメータを操作する実験を実施し、まずは実験系の確立を優先するようにして研究期間全体での進行に遅延が生じないよう工夫した。このため、当初の研究計画と比べて、概ね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、研究計画で予定しているとおり、心臓及び他の器官に起因する内受容信号が意思決定に及ぼす影響を脳波等の計測を含めて研究する。具体的には、心電図及び胃電図を使用した刺激提示の制御システムを構築し、これを2023年度で構築した実験系において活用するとともに、行動の背後の認知神経科学的メカニズムを明らかにするために脳波の計測も実施する。
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