Project/Area Number |
23K28395
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Project/Area Number (Other) |
23H03706 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 90030:Cognitive science-related
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
内藤 栄一 国立研究開発法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所脳情報通信融合研究センター, 室長 (10283293)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,200,000 (Direct Cost: ¥14,000,000、Indirect Cost: ¥4,200,000)
Fiscal Year 2026: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2025: ¥5,980,000 (Direct Cost: ¥4,600,000、Indirect Cost: ¥1,380,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,720,000 (Direct Cost: ¥4,400,000、Indirect Cost: ¥1,320,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | 体部位再現間抑制 / 機能的MRI / 筋電図 / 抑制性神経修飾 / 体部位間抑制 / 不随意筋活動 / 高齢者 / 運動機能補完 / 運動野 |
Outline of Research at the Start |
脳神経系の抑制機能は、脳システムが適切に作動するために必須な機能である。中でも、脳の機能領域間で起こる抑制は、ある領域が、課題に無関係な領域の活動を抑制して、この領域からの干渉を受けずに、課題をうまく遂行するために存在すると想定されているが、その理解は大幅に遅れている。本研究では、運動野内での体部位間抑制に着目し、健常若年成人と高齢者を対象として、体部位間抑制は、ある運動課題に無関係な身体部位の筋活動の出現を抑制しており、この機能は高齢化により低下するが、この機能低下した体部位間抑制はトレーニングや抑制性神経修飾によって再活性化できることを証明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
脳神経系の抑制機能は、脳システムが適切に作動するために必須な機能である。中でも、脳の機能領域間で起こる抑制は、ある領域が、課題に無関係な領域の活動を抑制して、この領域からの干渉を受けずに、課題をうまく遂行するために存在すると想定されているが、その理解は大幅に遅れている。本研究では、運動野内での体部位間抑制に着目し、健常若年成人と高齢者を対象として、機能的MRI計測、筋電図計測、神経修飾法という複数の手法を駆使した研究を展開している。2023度は、右利き若年成人と高齢者を対象として、手の複雑運動時に観察される、リラックスした反対の手からの不随意筋活動を計測した。その結果、手の左右に関わらず、若年成人では不随意筋活動はみられないが、高齢者では顕著にみられることがわかった。この結果は、左右運動野手領域間の体部位間抑制は、運動には無関係の反対の手の筋活動を抑制しており、これが減弱している高齢者では不随意筋活動が出現することを示唆した。また、右利き若年成人と高齢者が、右手の単純運動および複雑運動を行う際の脳活動を機能的MRIで計測した。その結果、単純運動中には若年成人では同側運動野手領域の抑制が見られるが、高齢者ではこれが消失していること、複雑運動課題中には、若年成人は半球間抑制を脱抑制することで同側の運動前野を動員して運動機能の補完をしているが、高齢者の脳ではこのような半球をまたぐ運動機能補完はしていないことがわかった。これらの結果は、高齢者の脳では運動野内での体部位間抑制機能が低下しており、この機能低下によって同側運動野を動員することによる運動機能補完機能も低下していることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は、右利き若年成人と高齢者を対象として、手の複雑運動時に観察される、リラックスした反対の手からの不随意筋活動を計測し、手の左右に関わらず、若年成人では不随意筋活動はみられないが、高齢者では顕著にみられることを明らかにし、左右運動野手領域間の体部位間抑制は、運動には無関係の反対の手の筋活動を抑制しており、これが減弱している高齢者では不随意筋活動が出現することを示した。また、右利き若年成人と高齢者が、右手の単純運動および複雑運動を行う際の脳活動を機能的MRIで計測し、単純運動中には若年成人では同側運動野手領域の抑制が見られるが、高齢者ではこれが消失していること、複雑運動課題中には、若年成人は半球間抑制を脱抑制することで同側の運動前野を動員して運動機能の補完をしているが、高齢者の脳ではこのような半球をまたぐ運動機能補完はしていないことを明らかにした。これらの結果により、高齢者の脳では運動野内での体部位間抑制機能が低下しており、この機能低下によって同側運動野を動員することによる運動機能補完機能も低下していることを明らかにすることに成功している。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年に得られた、高齢者でみられる不随意筋活動と運動機能補完機能の低下に関する知見の論文化を進める。これと並行して、右手複雑運動時の脳活動を機能的MRIで計測し、同時に左手からの不随意筋活動を計測する。若年成人に比べて高齢者で顕著に、同側(右)運動野の活動が増大(=左運動野から右運動野への抑制が減弱)しており、この活動増大と左手からの不随意筋活動との間に因果的な関係があるかを検証して、不随意筋活動が脳内の体部位間抑制の減弱度合いの簡便な指標になることを証明する。 この知見を基に、脳機能検診などで高齢者の脳内抑制機能の状態を簡便に評価することができる、数μVレベルでの筋電図計測が可能で、不随意筋活動の積分値や相互相関の容易な解析が可能な不随意筋電図計測解析装置を開発する。 また、加齢に伴い機能が低下した体部位間抑制はトレーニングや抑制性神経修飾によって再活性化でき、他の身体部位の運動パフォーマンスを向上させるかを検証する。具体的には、高齢者で、右手複雑運動中に右運動野左手領域の活動を抑制性神経修飾法で抑制する。この介入の後、右運動野左手領域の活動が抑制され、左手からの不随意筋活動が減弱し、因果的に右手複雑運動のパフォーマンスが改善するかを検証する。
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