鋭敏な哺乳類聴覚を実現するメゾスケールでの内耳分子機構とその応用に関する研究
Project/Area Number |
23K28398
|
Project/Area Number (Other) |
23H03709 (2023)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 90110:Biomedical engineering-related
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
村越 道生 金沢大学, フロンティア工学系, 准教授 (70570901)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 寿史 金沢大学, 医学系, 准教授 (20547179)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
Budget Amount *help |
¥19,110,000 (Direct Cost: ¥14,700,000、Indirect Cost: ¥4,410,000)
Fiscal Year 2026: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2023: ¥9,880,000 (Direct Cost: ¥7,600,000、Indirect Cost: ¥2,280,000)
|
Keywords | 聴覚 / 内耳 / 分子機構 / メゾスケール |
Outline of Research at the Start |
内耳における外有毛細胞の伸縮運動は,聴覚感度を100~1,000倍に増幅する最も重要な機構である。この運動は,細胞膜に発現する膜タンパク質 プレスチン(prestin)がメゾスケール(数十nm程度)で構造変化するためであると考えられる。しかしその分子構造および基本的動作原理は不明である。そこで本研究では,活性を保持したままprestinを精製・人工脂質膜に再構成し,生理的条件下にその分子構造変化を捉える独自のin vitro観察技術を確立する.これにより,prestinの細胞膜上における動的メカニクスの解明と音受容の分子機構の解明を試みる.
|
Outline of Annual Research Achievements |
内耳における外有毛細胞の伸縮運動は,聴覚感度を100~1,000倍に増幅する最も重要な機構である。この運動は,細胞膜に発現する膜タンパク質 プレスチン(prestin)がメゾスケール(数十nm程度)で構造変化するためであると考えられる。しかしその分子構造および基本的動作原理は不明である。そこで本研究では,活性を保持したままprestinを精製・人工脂質膜に再構成し,生理的条件下にその分子構造変化を捉える独自のin vitro観察技術を確立する.これにより,prestinの細胞膜上における動的メカニクスの解明と音受容の分子機構の解明を試みる. 本年度は,① Prestinの安定発現系の構築と,② Prestinの精製および人工脂質膜への再構成に取り組んだ. ① C末端にHisタグを付加したPrestinの発現ベクターを作製し,CHO細胞にリポフェクションにより遺伝子導入した.その後G418にて薬剤選択を行い安定発現株を選択し,さらに限界希釈法により複数の細胞株を得た.Westernブロッティングにより発現量を調べ,高発現株を得た. ② 選択した株より,超遠心を利用し細胞膜画分を抽出し,Hisタグカラムを用いてPrestinを精製することで,従来我々が保有していたFLAGタグを付加したprestinの安定発現株に比べて約2倍量の精製プレスチンを取得することに成功した.さらに,取得した精製prestinを再構成するための,人工脂質膜の開発に取り組み,(電気法)によって,飽和脂質であるジパルミトイル・PC(DPPC)および不飽和脂質であるジオレオイル・PC(DOPC)を用いた平面脂質二重膜の作製に成功した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画である①および②について,①については計画通り,Prestinの安定発現株の構築を完了した. ②については,再構成に向けたDPPCおよびDIPCを用いた人工脂質膜の作製を試み,(電気法)によって,DPPCおよびDOPCを用いた平面脂質二重膜の作製に成功した.一方で,膜の安定性に課題があり,作製条件の検討を開始している.
|
Strategy for Future Research Activity |
DOPCおよびDPPCを用いた平面脂質膜の作製プロトコルの検討を進め,来年度Q1までに安定化を図る.Q2には,精製したprestinの再構成を試み,2年度目計画の,人工脂質膜中prestinの構造変化を誘起に取り組む計画である.平面パッチクランプで膜電位を変化させ,人工脂質膜中のprestinに構造変化を誘起する(逆圧電効果)。同時に非線形膜容量を計測し活性を確認する.もし活性を示すことに成功すれば,prestinが単独で機能を有することを示す世界初のデータとなる.
|
Report
(1 results)
Research Products
(4 results)