異常タンパク質シードの形成・伝播を捉える脳組織内1分子イメージング技術の開発
Project/Area Number |
23K28416
|
Project/Area Number (Other) |
23H03727 (2023)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 90110:Biomedical engineering-related
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
大久保 洋平 順天堂大学, 医学部, 准教授 (40422282)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥住 文美 順天堂大学, 医学部, 准教授 (90826075)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
Budget Amount *help |
¥18,850,000 (Direct Cost: ¥14,500,000、Indirect Cost: ¥4,350,000)
Fiscal Year 2025: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
Fiscal Year 2024: ¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2023: ¥7,020,000 (Direct Cost: ¥5,400,000、Indirect Cost: ¥1,620,000)
|
Keywords | 1分子イメージング / 超解像顕微鏡 / 神経変性疾患 / αシヌクレイン / シナプス / 1分子イメージング |
Outline of Research at the Start |
特定のタンパク質は脳内で異常に凝集し、その一部が鋳型となって更なる凝集を惹起する。この異常タンパク質凝集伝播は、神経変性疾患における要の病態メカニズムおよび治療標的として注目されている。しかし解析法の欠如により不明な点が多く残されている。そこで本研究では、タンパク質1分子の動きを、病態モデル動物の脳組織のなかで可視化する技術を開発する。これにより鋳型タンパク質(シード)の脳内での形 成・伝播を直接捉え、新たな病態メカニズムや薬物の作用機序を解明する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
特定のタンパク質は脳内で異常に凝集し、その一部が鋳型となって更なる凝集を惹起する。このタンパク質のプリオン様凝集伝播は、神経変性疾患における要の病態メカニズムおよび治療標的として注目されている。しかし解析法の欠如により不明な点が多く残されている。そこで本研究では、タンパク質1分子の動きを病態モデル動物の脳組織のなかで可視化する技術を開発する。特にパーキンソン病モデルマウスにおけるαシヌクレインの脳組織内ダイナミクスに注目し、鋳型タンパク質(シード)の脳内での形成・伝播を直接捉え、新たな病態メカニズムや薬物の作用機序を解明することを目的とする。 αシヌクレインシード動態を脳スライスの深部において十分な精度で解析するために必要な要素技術として、独自の蛍光ケミカルタグ技術と顕微鏡光学系の開発を進めた。生体組織による光散乱・吸収を回避するため、近赤外域に適合する蛍光プローブの開発を進めた。その結果波長、輝度、組織浸透性の面で良好な性能を示すプローブを得た。顕微鏡については標本側面からのライトシート照明により厚みのある標本において光学断層像を撮影することを可能とし、その他必要な光学特性を実装した自作顕微鏡の開発を進めた。 これらに基づき、αシヌクレインシードを接種したパーキンソン病モデルマウスにおける予備的な観察に着手した。モデルマウスから得た急性脳スライスにおいて蛍光標識αシヌクレインの1分子イメージングを行なったところ、1分子動態の定量を行うことに成功した。現在モデルマウスと健常マウスの分子動態の差について解析を進めているところである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
蛍光ケミカルタグ技術と顕微鏡光学系の双方について、開発がおおむね順調に進展し、脳スライス標本の内部においてαシヌクレインの1分子イメージングを実現する目処がついた。具体的には、ケミカルタグ技術についてはケイ素置換ローダミンを用いたプローブが、波長、輝度、組織浸透性の面で良好な性能を示すことを確認できた。顕微鏡については自作のライトシート顕微鏡が十分な光学性能を有することが確認できた。これらを用いることで実際にモデルマウスを用いた予備的な観察にも着手できている。
|
Strategy for Future Research Activity |
モデルマウスと健常マウスにおいて、αシヌクレインの1分子動態の差について定量的解析を進める。特に病態の進展と分子動態の関係に着目して解析を行う。 これと並行して、要素技術の更なる向上にも取り組む。蛍光ケミカルタグ技術については、現在採用しているケイ素置換ローダミンを用いたものよりも更に長波長な「生体の窓」適合プローブを開発することで、生体組織による光散乱・吸収をより効果的に回避する。顕微鏡については、形態観察用カメラ、励起光源の増設を進める。これらにより画像データの時空間解像度を更に改善し、αシヌクレイン分子動態異常の検出力を向上することを目指す。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)