Project/Area Number |
23K28424
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Project/Area Number (Other) |
23H03735 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 90120:Biomaterials-related
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
橋本 良秀 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教 (40638384)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 尚俊 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 非常勤講師 (90354266)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,720,000 (Direct Cost: ¥14,400,000、Indirect Cost: ¥4,320,000)
Fiscal Year 2025: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,720,000 (Direct Cost: ¥4,400,000、Indirect Cost: ¥1,320,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 脱細胞化組織 / プロテオミクス / 角膜内皮グラフト / 脱細胞化マトリクス / 角膜内皮細胞 / デスメ膜 / 脱細胞化 / ECMハイドロゲル / マルチモダリティ |
Outline of Research at the Start |
生体内では角膜内皮とその基底膜であるデスメ膜は再生しないため、一度障害されると失明に至る。これまでに、角膜内皮細胞をHHP脱細胞化角膜の内面(内皮側)で培養すると、角膜内皮細胞層とHHP脱細胞化角膜との間にデスメ膜様構造体の再構築が生じることを発見した。本研究では、脱細胞化角膜ECMのマルチモダリティの違いという独自の視点から、異なる脱細胞化法で調製した脱細胞化角膜が角膜内皮細胞のデスメ膜様構造体の再構築や形質転換抑制に寄与する因子について明らかにし、従来にないヒトドナー角膜内皮に匹敵する人工角膜内皮グラフトを開発することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、脱細胞化角膜の表面微細構造とECM構成成分および弾性率が角膜内皮細胞のデスメ膜様構造体の再構築に与える影響について明らかにし、ヒトドナー角膜内皮に匹敵する人工角膜内皮グラフトを開発することである。 本年度は、異なる表面構造を有する脱細胞化角膜の作製を中心に検討を行った。まず、我々が開発した脱細胞化手法である高静水圧処理(HHP)法の処理条件を一部改良し、より未処理に近い(力学特性および透明性)脱細胞化角膜を作製することに成功した。さらに、放射線処理を行い、力学特性を変化させた脱細胞化角膜の作製を行った。得られた脱細胞化角膜と未処理角膜のプロテオーム解析を実施し、残存するタンパク質を比較検討した。コアマトリソームタンパク質であるコラーゲン、プロテオグリカン、糖タンパク質は、脱細胞化後においても保持されていることが明らかとなった。 さらに、得られた脱細胞化角膜を更に加工し、表面構造の異なる脱細胞化角膜(デスメ膜付き内皮面、デスメ膜無し内皮面、実質表面、上皮表面)を作製した。種々の表面にヒト角膜内皮細胞を播種し、接着・増殖について検討した。デスメ膜付き内皮面等では単層の角膜内皮細胞層が形成されることが明らかとなった。一方、角膜実質表面では、角膜内皮細胞は増殖した後、角膜実質内部に浸潤することが明らかとなり、角膜内皮細胞が内皮間葉転換(EndMT)した可能性が示唆された。脱細胞化角膜の表面構造が角膜内皮細胞に影響を与えることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、HHP法の処理条件を検討し、より未処理に近い脱細胞化角膜の作製に成功した。得られた脱細胞化角膜と未処理角膜のプロテオーム解析を実施し、残存するタンパク質の同定と定量を行った。さらに、得られた脱細胞化角膜を加工し、表面構造の異なる脱細胞化角膜を作製した。ヒト角膜内皮細胞を種々の表面に播種し、接着・増殖について検討した。播種面の違いにより細胞挙動が異なることを明らかにした。以上より、本年度の目的は概ね達成され、本研究は順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、表面構造の異なる脱細胞化角膜のバリエーションを増やすとともに、表面構造の異なる脱細胞化角膜がヒト角膜内皮細胞の機能に与える影響について明らかにする。
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