Creation of designer stem cells by mitophagy-induced nanocarriers
Project/Area Number |
23K28432
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Project/Area Number (Other) |
23H03743 (2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 90120:Biomaterials-related
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
川上 浩良 東京都立大学, 都市環境科学研究科, 教授 (10221897)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,850,000 (Direct Cost: ¥14,500,000、Indirect Cost: ¥4,350,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥6,760,000 (Direct Cost: ¥5,200,000、Indirect Cost: ¥1,560,000)
Fiscal Year 2023: ¥7,540,000 (Direct Cost: ¥5,800,000、Indirect Cost: ¥1,740,000)
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Keywords | 幹細胞 / マイトファジー / デザイナー細胞 / ナノキャリア / マイトファシジー誘導ナノキャリア / ミトコンドリア |
Outline of Research at the Start |
低分子医薬、抗体医薬をデザインして治療効果を高める研究はこれまで盛んに検討されてきた。しかし近年は、極めて高い治療効果から創薬開発の中心が細胞医薬に移行しつつある。特に細胞をデザイン(遺伝子操作や薬剤投与など)することで医療効果を高める研究、デザイナー細胞の培養法や投与法の検討 に関する研究が世界的に注目を集めている。本研究では、先ずは脂肪組織由来間葉系幹細胞のデザイン化から研究を開始し (1)機能性ナノキャリアによるデザイナー細胞の創製 (2)デザイナー細胞の大量培養法の確立 (3)標的部位へのターゲティング能を有するデザイナー細胞の構築とその体内動態評価 について検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
低分子医薬、抗体医薬をデザインして治療効果を高める研究はこれまで盛んに検討されてきた。しかし近年は、極めて高い治療効果から創薬開発の中心が細胞医薬に移行しつつある。特に細胞をデザイン(遺伝子操作や薬剤投与など)することで医療効果を高める研究、デザイナー細胞の培養法や投与法の検討 に関する研究が世界的に注目を集めている。本研究では、先ずはヒト脂肪組織由来間葉系幹細胞のデザイン化から研究を開始し下記の検討を行う。 (1)機能性ナノキャリアによるデザイナー細胞の創製 (2)デザイナー細胞の大量培養法の確立 (3)標的部位へのターゲティング能を有するデザイナー細胞の構築とその体内動態評価 について検討する。 本年度は、従来のマイトファシジー誘導ナノキャリアをP9相当の比較的若い脂肪由来幹細胞(MSC)に投与して、実際の治療に用いられているMSC(P5)と比べどの程度の機能向上が見られるかを検討し、マイトファシジー誘導ナノキャリアがデザイナー幹細胞の作製に繋がるかを検証した。MSCの主な治療効果の一つに血管新生促進能がある(血管形成・組織再生・細胞生存を促す様々なパラクリン因子を分泌することで損傷した組織を修復する)。拡大培養したMSCをナノキャリア処理したMSC(P9)の培養上清を用いて、血管形成能をMSC(P5)のそれと比較した。その結果、Tube formation assayによる血管形成能の評価では、マイトファシジー誘導ナノキャリアを投与したMSC(P9)が優位にMSC(P5)より優れていたことが明らかとなり(関連タンパク質分泌なども)、デザイナー幹細胞の作製に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請者は細胞内SOD活性(スーパーオキシドをH2O2に変換)を有するMnポルフィリンの合成とそれを包埋したナノキャリアの合成、さらにはそのキャリアを用いたミトコンドリア(Mt)内ROS産生量の制御に関する検討を進めてきた。それら知見を基に、Mt表面でH2O2を適切量発生できればMtの膜電位を低下させ、Parkinを誘導できることを世界で始めて実証し、その応用として脂肪由来幹細胞(MSC)へのキャリアの投与を検討してきた。具体的には、P13まで培養して老化させたMSCにそのMnポルフィリンとp53阻害剤を封入したナノキャリアを投与すると、細胞内でマイトファジーが誘導され老化の進行が止まるだけでなく、細胞自体が若返ることが示された。代表的な老化タンパク質SA-β-Galは老化の指標としてよく用いられるが、キャリア投与後はSA-β-Galが著しく低下し、そのタンパク量はP5細胞相当まで減少しMSCの若返りに成功した。しかしこの成果では、若返ったMSCの細胞機能までは明らかにされていないため、先ずはマイトファシジー誘導ナノキャリアにより作製されたMSCの機能検討を行った。その結果、若返ったMSC(P9相当)は血管新生効果を著しく向上させることが示され、細胞をデザイナー化させることに成功した。つまり、Mtの品質管理に繋がるマイトファシジー誘導ナノキャリアは細胞のデザイナー化を誘導できることが明らかとなり、今後はさらに機能性が高いマイトファシジー誘導ナノキャリアを合成することができれば、さらに高機能化されたデザイナー脂肪由来幹細胞の培養に加えて、歯髄由来間葉系幹細胞や骨髄由来間葉系幹細胞のデザイナー化も可能になると考えられ、将来性のある素晴らしい成果を見出すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究成果として、ミトコンドリア(Mt)の品質管理に繋がるマイトファシジー誘導ナノキャリアを脂肪由来幹細胞に投与することで、幹細胞のデザイナー化を誘導できることを初めて明らかにした。Mtの品質管理が細胞の機能化に重要であることを見出した。細胞治療の効果は細胞数に依存するため、ナノキャリアには幹細胞へのZERO毒性が求められる。申請者が開発した現状のマイトファシジー誘導ナノキャリアは、細胞取り込み能を優先したため表面にカチオン構造を導入している。そのため老化脂肪由来幹細胞に従来のマイトファシジー誘導ナノキャリアを導入すると細胞毒性を示す。従って、新しいマイトファシジー誘導ナノキャリアには細胞毒性が無く、効果的に老化細胞に取り込まれる機能を付与する必要がある。申請者は、親細胞への取り込み機能に優れ無毒のエクソソーム様キャリアが有効ではないかと考えその検討は始めている。キャリアの機能を維持あるいは向上させ細胞への無毒化が実現できれば、デザイナーMSCの大量培養が可能となり、さらにデザイナーMSCの機能向上を実現できれば治療効果の高い細胞治療にも繋がる。今後は新規マイトファシジー誘導ナノキャリアの開発に関する研究を強力に推進する。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)