Project/Area Number |
23KF0030
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 外国 |
Review Section |
Basic Section 26020:Inorganic materials and properties-related
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
ベ ソンミン 東北大学, 金属材料研究所, 助教 (50994844)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BAE SOUNGMIN 東北大学, 科学技術創成研究院, 外国人特別研究員
|
Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | 第一原理計算 / 密度汎関数理論 / ハライドペロブスカイト / 自己捕獲励起子 / 白色発光 |
Outline of Research at the Start |
単一物質を用いた広い発光波長幅を持つ白色発光体の開発は、白色照明の発光効率向上やコスト低減に寄与できる可能性がある。本研究では、その候補物質として低次元無機ペロブスカイトに着目し、発光特性の精緻な理論計算手法とハイスループット計算手法を組み合わせることで、発光メカニズムの理論的解明と設計指針の構築を進め、有望材料の探索へと展開する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、低次元ペロブスカイトを用いた白色発光材料の設計を第一原理計算により実現することである。当該年度においては、ハライドペロブスカイトの中でも無機元素で構成されているCs3Bi2X9 (X=I, Br, Cl)を対象にして励起子の自己捕獲の計算を行った。Cs3Bi2X9は2次元構造と0次元構造を持ち、Xの元素の割合や合成条件によって2次元相と0次元相の両方を作成することができる。まずは、Cs3Bi2I9の0次元構造と2次元構造において正孔キャリアの自己捕獲の計算を行った。密度汎関数は一般化勾配近似を採用し、クープマン条件を満たすように、ヨウ素のp軌道に自己相互作用補正を印加した。 両方の相において、V_k中心と呼ばれるアニオンが二量体から成る反結合性軌道への正孔キャリアの捕獲が観測された。それに加えて、0次元相についてはBiを中心とした6配位のヨウ素に正孔が局在するパターンを見つけた。2次元相に関しては0次元相で見つかった6配位の局在正孔は発見されなかった。両方の局在正孔の全エネルギーを比較した結果、0次元相においてV_k中心の方が6配位と比べてエネルギーが0.2 eV低く見積もられた。今まで得られた局在正孔の結果に電子を追加することで、自己捕獲励起子の計算ができ、白色発光の原理に迫ることができると期待する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の遂行にはこれらの課題を解決する必要がある。(1) 局在正孔や自己捕獲励起子を通常の一般化勾配近似を用いた計算において安定化させるための自己相互作用補正の考案、(2) 正孔や励起子の結晶に与える歪みの複数のパターンの探索。
提示した要件において、これらの課題を解決し、順調に研究が進展している。(1) 従来のハーバード補正を改良した自己相互作用補正のコードを修正し、電子軌道の方位量子数・磁気量子数まで選択できるように改良し、複雑な構造を持つCs3Bi2X9 (X=I, Br, Cl)に適用した。(2) 自己相互作用補正の印加において用いられる占有率の行列を目的の値に強制し、構造緩和を行うことで、キャリアの局在による複数の歪みモデルを作成することができた。これらの課題の解決は本研究の進展につながるものである。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度は、0次元と2次元のCs3Bi2X9において、今までの正孔の局在の計算を出発点とし、占有率依存密度汎関数理論を用いて自己捕獲励起子の計算を行う。自己捕獲励起子の計算が完了したら、得られた格子の歪みの情報から、1次元モデルによる発光スペクトルの計算を行う予定である。得られた発光スペクトルを分析し、これをより理想的な白色発光材料につなげるための方案(応力印加、不純物ドーピングなど)を提示していく。
|