Comprehensive Study on Large-scale Fire Spreading Behavior using Turbulent Wind Tunnel
Project/Area Number |
23KF0040
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 外国 |
Review Section |
Basic Section 25010:Social systems engineering-related
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
中村 祐二 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50303657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZHANG YUE 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 火災 / 燃焼 / 燃え拡がり |
Outline of Research at the Start |
本研究では,大規模乱流場を発生可能なラボスケール乱流風洞を用いて,森林火災による延焼拡大過程を予測するためのモデル化を行う.そのために,現存する大規模乱流風洞を「乱流火災風洞」に改良するための設備の難燃化・不燃化または可動部の強化などの装置改良を行う.さらに,火災シミュレーションの汎用コード:FDSによる数値計算も併用して,乱流条件・構造に依存した延焼拡大モードの存在と感度について検討を加える.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,大規模乱流場を発生可能なラボスケール乱流風洞を用いることで森林火災による延焼拡大過程を予測するためのモデル化を行うことである.そのために,現存する大規模乱流風洞を「乱流火災風洞」に改良するための設備の難燃化・不燃化または可動部の強化などの装置改良を行う.さらに,火災シミュレーションの汎用コード:FDSによる数値計算も併用して,乱流条件・構造に依存した延焼拡大モードの存在と感度について検討を加える.当初予定通り,R05年度では風洞装置の修繕に着手しすべく,風洞の構造の再検討,更新部品の見定め,代替回路の検討などをしている.既存の風洞は20年ほど前の設計であるため,用いている電子回路部品等にて特殊処理が必要な部品が散見されたことから,処理手続きなどの予定外の実施項目が重なった.そのため,現時点では修繕に向けた概念設計に止まる.なお,次年度は本学内の改修工事により風洞が設置されている部屋の作業不能な時期が生じるため,具体的な修繕に着手することは遅れる見込みである.それを踏まえ,概念設計と代替回路の検討を先に進めている. 森林火災の消防戦略を検討することを目的として,局所的に消火対策をした場合の燃え拡がり挙動に関する基礎研究を展開し,国際ジャーナルへの採択に至った.また,風洞修繕と並行してFDSによる数値計算を実施している,考慮しているモデルは現象の根幹のみを抽出したシンプルなものであり,森林火災で特徴的な構造に関係する「揺らぎの発生機構」に関して,境界層流れ場構造と大規模乱流構造が与える影響について整理している.精緻なデータ解析により,周期的な不安定性が発生する機構についてある程度の説明が可能となった.現在,汎用性ある解釈に広げるべく,鋭意取り組み中である.次年度にはこの成果を国際ジャーナルに投稿できるよう進めていきたい.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画によれば,初年度にあたるR05年度の前半(~12月)では,(i)現存する大規模乱流風洞を「乱流火災風洞」に改良するための設備の難燃化・不燃化または可動部の強化などの装置改良を行い,この際,テストセクションへの負荷低減を考慮して,送風ファンや電子制御部品についての一部改良・更新も併せて行う.予定であった.これらについて検討した結果,送風ファンについては現有のものを利用すればよいものの,制御系部品内に特殊処理が必要となる部品が含まれていたため,長期的な利用を考えた上でこれらの刷新を行うこととした.回路設計については現在改めて検討中である.処理に時間を要しているため,後半(1月以降)に予定していた,(ii)改良した乱流風洞による乱流特性の制御性の確認を行い,装置の健全性を確認し,(iii)検証用の燃焼実験(例:格子乱流場における燃焼場の攪乱データの取得)を行うことにより,乱流燃焼場の再現性の確認を行うという一連の作業については次年度以降に持ち越しとなる.ただし,次年度は風洞を設置している実験室に大規模改修工事が入る予定なので,特に前半時期は修繕対応することが全くできないため,再開の目途がたった際にすぐに取り掛かれるような準備に徹することになる.改修工事については申請時には全く想定できず申請者側で制御できない出来事であるため,柔軟に対応することしかない. そのため,R05年度の中旬以降において,もともと二年目に想定していた数値計算を先んじて実施することにし,急ぎ既存解析環境を整備して対応した.研究従事者の献身的な努力により,想定以上の進捗がなされ,2年目に予定していた内容の半分以上はすでに達成しており,その意味ではこの点については予定以上の成果を上げていることになる.総合評価としては風洞改修への着手状況と合わせて,おおむね予定通りに進んでいるという自己評価に止まる.
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Strategy for Future Research Activity |
上の項目で示した通り,当初予定では二年目であるR06年度において実施予定をしていた内容,すなわち,,(iv)乱流条件を変えた場合の延焼実験を行い,そこで得られた結果の整理を行うことは改修工事後になるため予定より先送りとなる見込みである.一方,(v)火災シミュレーションの汎用コード:FDSによる数値計算も併用して,乱流条件・構造に依存した延焼拡大モードの存在と感度について検討を加える点については,R05年度から継続して行うことで目標を達成する見込みが大きい.なお,(vi)相似則を導入した延焼モデルの一般化を試みること(実験検証を含む)についても順次実施中である.当初予定では,数値計算は研究室既存のクラスタ計算機(16コア)に加え,大規模計算には本学の計算機センターを活用して対応する,としていたが,計算機センターの利用をせずとも既存の設備を駆使することで対応できそうであることがわかったので,解析に関するハード投資は不要である.得られた成果は,予定通り乱流構造の影響および相似則に関する成果を国際会議や国際ジャーナル(CNFやPSMIJなど)で発表することを想定している. 大きな障壁は,室の改修工事の影響がどの程度風洞修繕作業および動作確認の遅れを誘導するのかが現状では読みづらい点にある.そのため,次年度の実施内容(実験部分)については「改修工事が終了後に速やかに着手できるような準備を整える」こととなり,実験風洞に関する成果については先送り(支援事業期間後)となる見込みである.概念設計や装置選定,発注,予備試験などは別途対応可能であるため,そのような取り組みを継続して実施予定である.このように風洞実験による検証はできないものの,既存の森林火災データや他研究者による風洞を用いた燃焼実験の結果を,本事業で実施している数値解析により明確にすることで,本事業の成果をアピールしていきたい.
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)