Project/Area Number |
23KF0081
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 外国 |
Review Section |
Basic Section 26040:Structural materials and functional materials-related
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
馬 仁志 国立研究開発法人物質・材料研究機構, ナノアーキテクトニクス材料研究センター, グループリーダー (90391218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PANG HONG 国立研究開発法人物質・材料研究機構, ナノアーキテクトニクス研材料研究センター, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | エネルギー / 二酸化炭素 / 光電化学 |
Outline of Research at the Start |
本研究は層状複水酸化物の高いCO2親和性・触媒特性を利用するとともに、高い光電特性を持つ半導体電極をテーラーメイド合成することによって、CO2からHCOO-に可逆的な変換を可能とする光電陰極を適切に設計する。太陽光スペクトルとよくマッチングする光吸収特性、ギ酸生成に高い選択性、および充放電中の電荷移動や酸化還元反応速度を重点的に評価する。光照射下で放電電圧の改善と充電電圧を低下させることによって、Li2CO3などの固体生成物の堆積問題の解決を図り、高い充放電効率と優れたサイクル性能を有する光促進Li-CO2電池を実現する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、光電極を用いたLi-CO2電池を構築し、充電電圧を下げると同時に、放電電圧を上げる光促進二酸化炭素二次電池の開発を目的としている。Li電極におけるLi2CO3として固体析出問題を解決するために、CO2を効率よく可溶性ギ酸やギ酸塩に可逆的変換する光電極の開発が必要である。光電極は、光生成電子を利用してギ酸を生成することを目的としているため、高い選択性でCO2をギ酸に高効率に変換できる活性サイトを含む必要がある。本年度は、分子レベルの薄さの二次元材料である層状複水酸化物や酸化物ナノシートなどを対象に、LiCOOHを形成する光電極に適した材料の探索を行った。その中で、層状複水酸化物ナノシートはギ酸の代わりにCOを生成し、光電極の変換効率を低下させてしまう現象を見つけた。CO2還元における遷移金属の役割について考察を進めた結果、電子構造の違いにより、異なる遷移金属組成においてのCO2還元傾向が異なることを突き止めた。具体的には、Fe/Co/Niのような金属はCO2をギ酸塩ではなく主にCOに還元する一方、Zn/Cdなどはギ酸塩を形成することが有利である。 また、分子レベルの薄さのナノシートに活性金属サイトを効率よく固定する方法を検討した。遷移金属のナノ粒子やナノクラスターの均一分散を実現するために、溶媒交換法を開発した。この方法を実施することによって、ナノシート表面で活性部位となる触媒金属を単原子まで超微小化することができ、より少ない金属含有量で触媒活性を最大化することが期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
層状複水酸化物は、CO2還元においてギ酸の代わりに主にCOを生成し、光電極の変換効率を低下させる問題点を見つけた。CO2還元における遷移金属の役割について考察を進めた結果、この問題を解決する手掛かりを得た。また、二次元材料に単一原子を注入するユニークな方法を開発し、ナノシートに固有の金属組成以外、活性サイトを柔軟に設計することが可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、二次元材料をベースとした光電極の開発を進め、Li-CO2電池性能を評価するセルを作製する。触媒基材上でCO2分子を曲げるのに層状複水酸化物のアルカリ性環境が有利になるが、実験に用いた層状複水酸化物ナノシートの電気伝導率が低く、電極触媒活性が不十分であるため、より導電性の高い炭素系ナノ物質またはMXeneナノシートと複合化することによって、活性の向上を図る。例えば、層状複水酸化物と炭素系ナノシート同士を原子・分子レベルで組み合わせることにより、光電子が高速移動するためのヘテロ界面やチャネルを構築する。H型電気化学セルを用い、作製した光電極のCO2還元とLiCOOH酸化特性を測定する。CO2ガスで飽和したLi+とHCOOLiの水溶液は光照射下での半反応を測定し、Li-CO2電池の電極反応を解析する。その後、Li金属とともに光電極をセルに組み込んで充放電実験を行い、光照射下での充電/放電の分極、エネルギー密度などの電池性能を系統的に評価する。特に、暗所と明所でのサイクル特性を比較考察する。
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