Project/Area Number |
23KF0086
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 外国 |
Review Section |
Basic Section 10040:Experimental psychology-related
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
柴田 和久 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, チームリーダー (20505979)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MATTHEWS JULIAN 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | メタ認知 |
Outline of Research at the Start |
自らの認知や行動、記憶を内省的に観察する機能をメタ認知という。メタ認知は意思決定や判断を下すあらゆる場面に関わる重要な機能であり、その脳メカニズムはさかんに研究されて いる。直感的には、内省には一定の認知的努力が感じられる。しかし、興味深いことに、メ タ認知の理論モデルはメタ認知自体の認知的努力を想定していない。すなわち、メタ認知は自動的に努力なしに得られるものだという暗黙的な仮定がある。本研究では、行動実験および脳活動計測技術を用い、メタ認知に認知的努力が伴うという仮説を実験的に検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
自らの認知や行動、記憶を内省的に観察する機能をメタ認知という。メタ認知は意思決定や判断を下すあらゆる場面に関わる重要な機能であり、その脳メカニズムはさかんに研究されて いる。直感的には、内省には一定の認知的努力が感じられる。しかし、興味深いことに、メ タ認知の理論モデルはメタ認知自体の認知的努力を想定していない。すなわち、メタ認知は 自動的に努力なしに得られるものだという暗黙的な仮定がある。本研究では、メタ認知に認知的努力が伴うという仮説を実験的に検証する。2023年度は、メタ認知に認知的努力が伴うという仮説を実験的に検証するために、行動実験を設計した。具体的には、(1) 報酬がもらえるか否かを自己のメタ認知にもとづく判断と外部のランダムな確率のどちらに委ねるか決める課題と (2) 認知的努力を避けるためにどの程度の金銭報酬を犠牲にするか判断する課題を組み合わせることで、メタ認知に払う認知的努力を客観的に計測できるようにした。ヒト被験者を対象とした実験を実施し、メタ認知に関する既存の計算モデルと認知的努力を仮定した計算モデルの振る舞いを比較した。その結果、要求されるメタ認知の精度が高いほど認知的努力が高まり、被験者は高い精度でメタ認知を報告する条件を避けるために金銭報酬を犠牲にするという現象が明らかになった。また、この結果がメタ認知の報告に有する手指運動の量によるものではないことを示すための統制実験も行った。この発見をAustralian Cognitive Neuroscience Societyにおいて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に沿って、メタ認知に認知的努力が伴うという仮説の実験的検証を実施した。予備実験、本実験、統制実験等において150名程度の被験者から行動データを取得し、基礎的な統計手法や計算モデルを用いて解析を行った。その結果、メタ認知に認知的努力が伴うという仮説が指示された。この成果は本研究の根幹をなすものであり、研究はおおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はこれまで観察された行動データにもとづいた知見をさらに掘り下げるための行動実験を実施しつつ、その背後にある脳基盤を探る実験も計画・遂行する。具体的には機能的磁気共鳴画像法(functional Magnetic Resonance Imaging, fMRI)や脳波を用いた脳活動計測手法を用い、2023年度に確立された行動実験を行っている被験者から脳活動データを取得する。行動データ、脳活動データ、計算モデルを組み合わせて解析し、メタ認知に伴う認知的努力に関わる脳ネットワークの同定を行う。またニューロフィードバックや脳刺激といった介入手法を用い、同定された脳ネットワークの因果的役割についても検証する計画を策定している。
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