Project/Area Number |
23KF0100
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 外国 |
Review Section |
Basic Section 17050:Biogeosciences-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
沢田 健 北海道大学, 理学研究院, 教授 (20333594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
UMAMAHESWARAN RAMAN 北海道大学, 理学研究院, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2023-07-26 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | Molecular taphonomy / 骨化石 / 化石タンパク質 / タフォノミー / 束柱類 / 熱分解GC-MS / アショロア / 脂質バイオマーカー |
Outline of Research at the Start |
本研究では、地圏に存在する数100万年前より古い年代の化石や堆積物中に残されたタンパク質様物質の保存機構を解明する。北海道から産出した保存状態のよい古第三紀(約3000万年前)の海生哺乳類の骨化石などを対象にして、タンパク質の化石成因学(タフォノミー)調査および古生態学的な研究を行う。特に熱分解GC-MSやGCxGC TOFMSなどの技術を開発して、化石タンパク質とその変質した化合物の分析に応用する。さらに、タンパク質の変質過程の模擬実験も合わせて行い、タンパク質から生成される窒素を含む脂質高分子の同定・定量分析法を開発し、脊椎動物化石中の化石高分子を用いた古生物化学研究法の確立を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、地圏に存在する数100万年前より古い年代の化石や堆積物中に残されたタンパク質様物質の保存機構を解明する。北海道から産出した保存状態のよい古第三紀(約3000万年前)の海生哺乳類の骨化石などを対象にして、タンパク質の化石成因学(タフォノミー)調査および古生態学的な研究を行う。特に熱分解GC-MSなどの技術を開発して、化石タンパク質とその変質した化合物の分析に応用する。さらに、タンパク質の変質過程の模擬実験も合わせて行い、タンパク質から生成される窒素を含む脂質高分子の同定・定量分析法を開発し、脊椎動物化石中の化石高分子を用いた古生物化学研究法の確立を目指す。2023年度のおもな研究成果は次のとおりである。 1. 北海道足寄町の漸新統茂螺湾層から産出したクジラおよび束柱類(アショロア、ベヘモトプス)の骨化石において薄片を作製し、その蛍光顕微鏡観察および走査電子顕微鏡-エネルギー分散型 X 線分析(SEM-EDS)を行った。クジラとベヘモトプスにおいて骨において典型的な小柱マトリックスなどが観察された。また、微化石のような形態が見られ、珪藻化石であると推定した。SEM-EDSの結果を加え、骨化石の堆積環境や埋積・化石化過程を推察した。 2. アショロア、ベヘモトプスの骨化石において脂質バイオマーカー分析を行った。その結果、もとの死滅した動物体に由来するステロイドなどの成分に加えて、バクテリアなど分解者に由来する多様な成分も検出された。これらのバイオマーカーから骨化石の熟成度や化石の保存状態を示す定量データを得ることができた。 3. 骨化石の熱分解GC-MS分析による化石タンパク質の測定法の開発を始めた。試験的に現生動物試料のタンパク質を対象に分析し、予想通りにジケトピペラジンなどのポリペプチド熱分解分子が検出されることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
既に当研究室に保存されていたアショロア、ベヘモトプスなどの骨化石を使用して研究を始めることができた。また、骨化石の薄片作製を北海道大学理学部の岩石薄片室に依頼し、素早く高品質の化石薄片を得ることができ、蛍光顕微鏡観察およびSEM-EDS分析を予想よりも早めに進めることができた。骨化石中に珪藻と考えられる微化石が含まれるという予想外の研究成果を得ることもできた。骨化石の脂質バイオマーカー分析は、先行していた研究結果に加えて進めることができた。骨化石の熱分解GC-MS分析について、試験的に現生動物試料のタンパク質を対象に分析し、予想通りの結果を確認できた。
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Strategy for Future Research Activity |
1)2024年度は、引き続き漸新統茂螺湾層産のクジラおよびアショロア、ベヘモトプスの骨化石において蛍光顕微鏡観察およびSEM-EDS分析を行う。また茂螺湾層産の新たな骨化石も加えて薄片を作製する。また、珪藻らしき微化石の観察・検討を行う。さらにSEM-EDSにおいて、薄片中の有機物の分布を解析するための方法を開発・検討する。 2)アショロアなどの骨化石の脂質バイオマーカー分析を行う。さらにタンパク質や生体高分子脂質に由来する低分子量脂質成分、特に芳香族炭化水素の同定・定量を試みる。北海道大学オープンファシリティーのMALDI TOF質量分析計を利用して、高分子量のタンパク様化合物の同定などを試みる。 3)引き続き、骨化石の熱分解GC-MS分析による化石タンパク質の測定法を開発・検討する。白亜紀、古第三紀、新第三紀、第四紀の数種類の骨化石試料を対象に、タンパク質(様化合物)の検出・同定を行い、骨化石への適用性もしくは限界を明確にする。 4)岩手県久慈市に分布する白亜系久慈層群の野外調査、化石試料採取を行う。久慈層群から産出するサメの歯化石やコハク化石を採取し、SEM-EDSや脂質バイオマーカー分析、化石タンパク質分析を行う。
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