A study of human population genomics on the peopling history of East Eurasians and the role of vitamin D
Project/Area Number |
23KF0206
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 外国 |
Review Section |
Basic Section 45050:Physical anthropology-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
太田 博樹 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (40401228)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ABOOD STEVEN 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2023-11-15 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2025: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2024: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2023: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | ビタミンD / ホモ・サピエンス / 拡散 / 正の自然選択 / 東アジア大陸 / 縄文人 / 遺伝的多型 / 表現型 |
Outline of Research at the Start |
現生人類(ホモ・サピエンス)は約6万年前にアフリカ大陸からユーラシア大陸へ拡散し、約5万年前までに東南アジアへ到達した。その後、ユーラシア大陸の東端を北上し、約4万年前には北京近郊まで到達していた。日本列島からは約3.8万年前の石器が見つかっており、かなり急速に高緯度に適応する必要があった。このため、生体におけるビタミンDの合成にかかせない紫外線を浴びる量が変化し、これに適応する必要があったと考えられる。その適応方法として、遺伝的適応と摂食物による適応の大きく2つが考えられる。本研究では、現代人および古代人のゲノム解析および分子細胞実験を通じて、この適応の謎に挑戦する。
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Outline of Annual Research Achievements |
東アジア人とビタミンDとの関係、特に縄文人の環境適応について明らかにする。ヒトにおいて、ビタミンDは太陽光を浴びることにより合成される。しかし、日光を浴びる量は緯度(日照条件)に左右される。ホモ・サピエンスは約15万年前にアフリカで誕生し、約6万年前にアフリカ大陸からユーラシア大陸へ広がった。この際、それまでの生活環境よりも高緯度地域への適応が必要であった。私たちの古代ゲノム研究の成果は、縄文人はアフリカから出発したサピエンスが、少なくとも4万年以上前に東南アジアにまでたどいりついた非常に古い系統の子孫であることを明らかにした。縄文人の祖先は、その後、東ユーラシア大陸を北上し、日本列島へたどり着いたと考えられる。この行程で日照条件の変化は、彼らの生理に大きく影響したはずである。本研究では、縄文人のゲノム解析を進め、ビタミンDをめぐるサピエンスの適応戦略を明らかにすることを目的とする。
当該の外国人特別研究員であるSteven Aboodは、国際DNAデータベースおよび文献(原著論文)を検索し、東アジア人に正の自然選択がはたらいた遺伝子の遺伝的多型および関連する表現型のうち、代謝経路などにおいてビタミンDとなんらかの関連がある10~20座位を抽出し、リスト化した。これらの中にはアミノ酸置換を引き起こす可能性のある変異、遺伝子発現レベルを変化させる可能性のある変異が含まれる。2023年度は、この検索作業をおこない、さらにこれらビタミンDと関連する東アジア人の形質について、総説論文の原稿を執筆した。現在、この原稿の推敲中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では、上記のようにビタミンDと関連する遺伝子を含むゲノム領域の連鎖不平衡を分析し、東ユーラシア人におけるビタミンD合成と中心とした環境適応に関するデータを整理する予定であった。しかし、Dr Steven Aboodは分子生物学および細胞生物学の実験研究者としてのキャリアはあるものの、本研究室で標準的におこなっているコンピュータ・データ解析や集団遺伝学の経験や知識は浅く、そのトレーニングが必要であった。このため、現在までの進捗状況としては、計画よりやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
集団ゲノム解析にもとづき、ビタミンD合成に関して縄文人をふくむ東アジア人がいかなる適応を果たしてきたのか(あるいは適応が不十分だったのか)を分析する。縄文人は、東ユーラシア大陸の非常に古い系統の直接の子孫と考えられ、しかも、東南アジアから数万年の間に日本列島へ移住し、1万年以上大陸の集団とは孤立して生きてきた人々である。もし、ビタミンD合成について、遺伝的適応を果たせていなかったとすれば、食物からの摂取が重要であったはずであり、縄文人の摂食行動も含めた適応戦略について分析する。
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Report
(1 results)
Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Metagenomic analyses of 7000 to 5500 years old coprolites excavated from the Torihama shell-mound site in the Japanese archipelago2024
Author(s)
Nishimura, L., Tanino, A., Ajimoto, M., Katsumura, T., Ogawa, M., Koganebuchi, K., Waku, D., Kumagai, M., Sugimoto, R., Nakaoka, H., Oota, H., & Inoue, I.
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Journal Title
PloS one
Volume: 19(1)
Issue: 1
Pages: e0295924-e0295924
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access
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