A stochastic formalism for tensor perturbations: gravitational waves induced by non-linear effects
Project/Area Number |
23KF0247
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 外国 |
Review Section |
Basic Section 15010:Theoretical studies related to particle-, nuclear-, cosmic ray and astro-physics
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 貴浩 京都大学, 理学研究科, 教授 (40281117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ARTIGAS GUIMAREY DANILO 京都大学, 理学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2023-11-15 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2025: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2023: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
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Keywords | 宇宙物理 / インフレーション / ストカスティックアプローチ / 長波長近似 / 重力波 / 原始ブラックホール |
Outline of Research at the Start |
宇宙初期においては、一般相対性理論の非線形効果がPGW生成に深く影響する可能性がある。確率論的フォーマリズムは、確率的ノイズを通して背景時空に対する反作用を記述することにより、非線形性を記述する。 本研究では、テンソル摂動に対する確率論的アプローチの定式化を目指す。これにより、PGWの生成における非線形効果を説明し、観測データと対峙する関連量を予測することができる。
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Outline of Annual Research Achievements |
原始重力波を用いることで、宇宙論的マイクロ波背景以前の物理を検出できる可能性がある。パルサータイミングアレイによる超低周波重力波信号の観測により、この期待は高まっている。宇宙初期においては、一般相対性理論の非線形効果が原始重力波生成に深く影響する可能性がある。確率論的フォーマリズムは、確率的ノイズを通して背景時空に対する反作用を記述することにより、非線形性を記述する。 本研究では、テンソル摂動に対する確率論的アプローチの定式化を目指す。これにより、原始重力波の生成における非線形効果を説明し、観測データと対峙する関連量を予測することができる。結論として、この研究プログラムの目的は、KAGRAやDECIGOのような重力波観測からえられるデータを解析するための理論的枠組みを構築することである。 本年は、田中・浦川の方法を用いて、テンソル摂動に対する具体例の検討を進め、確率論的アプローチの定式化を進めた。また、超スロー・ロール・インフレーションや収縮局面の宇宙に確率論的アプローチを適用する研究をすすめた。また、これらのモデルにおける原始ブラックホール生成の問題を調べるために、名古屋大学に研究訪問を行った。 特に、超スロー・ロール・インフレーションにおいてseparate universeアプローチが破綻をきたすという問題について、空間曲率を取り入れた拡張されたδNフォーマリズムを提唱し、separate universeアプローチの破綻が解消されることを示すことに成功した。この研究は中国のShi Pi氏との共同研究である。論文は現在執筆中であり、近日中に発表できる予定である。 加えて、特別研究員であるArtigass氏は非断熱圧力摂動が存在する場合のハミルトン-ジャコビアプローチが適用できないことを論文にまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初、これまでの研究の延長線上で研究を進めることを考えていたため、なかなか議論がかみ合わないところがあったが、ようやく軌道に乗り始めている。超スローロールインフレーションの研究は、単に技術的な問題を解決したという類の研究ではなく、概念的に局所性が担保されている一般相対論のような理論の枠組みにおいて長波長の物理を考える際には、常にseparate universeアプローチが成立することを示すものである。 この成功はストカスティックアプローチを適用するという次のステップにもつながる。これまでのストカスティックアプローチの研究では空間的相関が取り入れられておらず、原始ブラックホール生成への応用において荒い近似になっている側面があった。空間的相関を取り入れたストカスティックアプローチを適用するためには、大前提としてseparate universeアプローチが成立する必要があるが、その点がクリアされたことが大きい。今後順調に計画通りに議論を展開することが可能と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
浦川氏やShi Pi氏と協力して、空間相関を取り入れたストカスティックアプローチに関するプロジェクトを進展させる。プロジェクトの進展状況に応じて、KEKで長期滞在を計画する。一方、多田氏や横山氏と原始ブラックホール生成の研究を加速するために名古屋大学への滞在、あるいは異方性宇宙もでるにおける確率論的形式論に関するプロジェクトを進めるために神戸大学の早田氏のもとを訪問する予定である。内容としては、田中・浦川のアプローチに従って、原始重力波の確率論的フォーマリズムの開発に焦点を当てたい。また、Malkiewicz氏(ポーランド、ワルシャワ)との議論も始めている。もしMalkiewicz氏が京都に滞在し、研究交流することができれば、この共同研究はさらに充実したものになる。また、確率的形式論におけるゲージの問題の専門家であるパリの共同研究者の元への訪問滞在を予定している。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)