Project/Area Number |
23KF0262
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 外国 |
Review Section |
Basic Section 63030:Chemical substance influence on environment-related
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
高橋 真 愛媛大学, 農学研究科, 教授 (30370266)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
FALAHUDIN DEDE 愛媛大学, 農学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2023-11-15 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2025: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2023: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | PFAS / PFOS / PFOA / インドネシア / 海洋底質 / 液体クロマトグラフ-タンデム型質量分析装置 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、パーフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物(PFASs)について、LC-MS/MSおよびGC-MS/MSを用いた一斉分析法を確立し、インドネシアの海洋生態系を対象とした調査を実施する。調査の結果に基づき、PFASsによる海洋汚染の実態と物質分布および生物蓄積等に関する動態を明らかにする。また、魚介類等の食品摂取によるPFASsのヒト健康リスクについて評価する。最終的に上記で得られた成果を取りまとめ、熱帯・亜熱帯諸国の環境に適したPFASsの調査手法や将来のリスク低減に係る指針を提案する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、液体クロマトグラフ-タンデム型質量分析装置(LC-MSMS)を用いて環境試料(底質および生物試料)を対象としたPFAS(PFOS・PFOA含む33成分)の一斉分析法について確立した。具体的には固相抽出カートリッジ(Waters Oasis WAX)を用いて、PFASの標準物質を添加した底質試料(風乾底質)および生物試料(魚類筋肉)について前処理を行い、全ての測定対象PFASについて70~120%の回収率となることを確認した。また、PFOS・PFOAの認証値が示されているNIST標準試料(NIST 2781 Domestic Sludge)を用いて、本法を用いたPFAS測定を行い、認証値と同等の測定結果を得て、十分な測定精度があることを確認した。加えて、ガスクロマトグラフ-タンデム型質量分析装置(GC-MSMS)を用いたフッ素化テロマーアルコール(FTOHs)等の中性PFASsの測定手法の開発に着手した。 以上で確立したLC-MSMSによるPFASの一斉分析法を用いて、インドネシアの海洋底質中のPFASsを測定した。得られた結果をPCBs等の残留性有機汚染物質(POPs)の測定値と比較し、インドネシアの海洋環境におけるPOPs汚染の実態について総合的な考察を行った。また、愛媛大学生物環境試料バンク(es-BANK)に長期保管されている底質試料についても分析を進め、インドネシアの海洋環境におけるPFASsの時空間分布に関する基礎情報を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画書に記載した令和5年度の計画内容に従って、下記の成果を得ることができた。 1)LC-MSMSを用いたPFAS33成分の一斉分析法を確立した 2)インドネシア海洋底質試料を対象としたPFASの分析を実施し、PFAS汚染に関する基礎的な情報を得ることができた。 3)従来のインドネシア海洋環境におけるPOPs調査結果と統合し、海洋のPOPs汚染に関する総合的な実態解明が進められた。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度までに得た分析法開発の知見・ノウハウをもとに、様々な生物試料を対象としたPFASの一斉分析法を確立する。また、インドネシアの海洋生態系を対象とした現地調査を実施し、水質・底質等の環境試料とともに魚介類等の生物試料を採取する。また、ジャカルタ湾などの閉鎖性海域において底質柱状試料を採取し、鉛放射性同位体などを用いた堆積年代の解析を実施する(愛媛大学沿岸環境科学研究センター・加教授との共同研究を予定)。得られた海底堆積物の柱状試料を用いて、堆積年代層位別のPFAS分析を行い、詳細なPFAS汚染の時系列トレンドを解析・評価する。また、インドネシアの魚介類・漂着鯨類などの生物試料を対象とした分析を進め、水質・底質の分析結果とあわせて、PFAS各化合物の移動・拡散性や生物濃縮性などの環境動態を明らかにするとともに、各種統計解析を行ってPFASsの発生源解析を行う。
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