Project/Area Number |
23KF0291
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 外国 |
Review Section |
Basic Section 01060:History of arts-related
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Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
山中 由里子 国立民族学博物館, 人類基礎理論研究部, 教授 (20251390)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MOHARRAMIPOUR ZAHRA 国立民族学博物館, 人類文明誌研究部, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2023-11-15 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2025: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2024: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 近代日本 / ペルシア / 中央アジア / 西域 / イラン / 比較文化 / 東洋美術史 / 東洋史 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、20世紀初頭の日本におけるペルシア観の見取り図を、建築家、美術史家、歴史学者たちのネットワークの間で展開された「ペルシア」、「西域」、「中央アジア」に関する研究と言説の分析を通して描く。この時期の日本人のペルシア観の形成を、単なる欧米のオリエンタリズムの受容として捉えるのではなく、欧米、日本とイランで展開された言説の相互作用、学者の間の交流、競争や価値観の交錯という視点から再考する。ペルシアに関する知識の相互関係を探るため、日本のみならず、同時期に欧米とイランにおいて展開された言説も蒐集し、比較分析を行う。この探求を通して、日本におけるペルシア認識の諸相とその独自性を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、20世紀初頭の建築家、美術史家、歴史学者のネットワークの間で展開された「ペルシア」、「西域」、「中央アジア」に関する研究と言説を実証的に分析し、この時期の日本におけるペルシア観の見取り図を描くことである。 2023年度は、本課題に沿って国内の図書館や研究施設において関連書籍と雑誌を調査した。日本語の雑誌に関しては、とりわけ『考古学雑誌』、『史学雑誌』、『國華』に着目した。1900年~1930年を中心に「ペルシア」、「西域」、「中央アジア」に係わる内容を含む記事・論文を収集し、そこで注目されていた欧米の研究を特定する作業を行った。 また、アメリカのペルシア美術史家アーサー・アプハム・ポープArthur Upham Popeの1920年~1930年代の活動についてオンラインデータベースの調査を行った。その結果、ポープに関する資料を集めて伝記的に整理したJay Gluck and Noel Siver eds., Surveyors of Persian Art: A Documentary Biography of Arthur Upham Pope & Phyllis Ackerman (Ashiya: SoPA, 1996)の末尾にあるポープのBibliographyには含まれていない新資料を発見できた。 以上の研究に加え、博士論文をもとにした単著の執筆の準備を進めた。 さらに、人間文化研究機構ネットワーク型基盤研究プロジェクト「グローバル地中海地域研究」の一環として、ワークショップ「近代アジアにおける認識論的自己/他者の具象化 ―思索するモノと地域研究的方法論をめぐって」にて「『西洋』と『東洋』の狭間――20世紀初頭の日本におけるペルシア美術理解の二面性」について発表し、インドとペルシアにおける自己/他者表象を比較する議論に貢献した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要で述べたように、予定していた雑誌の調査を進め、一定の情報の整理を行うことで、次年度の調査の見通しを立てることができた。また、ポープの活動にかかわる重要な資料を入手し、今後その内容を精査する予定である。さらに、2024年2月に国内の研究会で口頭発表を行い、今後の研究を進めるうえで有益なコメントが得られた。以上の理由により、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の調査によって得られた新たな知見を踏まえ、博士論文をもとにした単著の加筆修正を進め、2025年度中に出版できるように準備する。 また、日本国内で一次資料の調査を継続するとともに、同時代の欧米とイランでどのような展覧会活動や研究の動きがあったのかを探る目標から、予定していた海外調査を実施し、日本におけるペルシア観をより広い観点から考察する。加えて、成果公表に関しては、国際学会での口頭発表と査読付国際専門誌への英語論文投稿に取り組む予定である。
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