Project/Area Number |
23KJ0002
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 46030:Function of nervous system-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
向井 康敬 北海道大学, 医学研究院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | あくび / 爬虫類 / 哺乳類 / 生理学 / 神経科学 / ヒョウモントカゲモドキ / 環境温度 / 睡眠 |
Outline of Research at the Start |
眠い時には、あくびが出る。なぜだろうか?「あくび」は哺乳類や鳥類、ひいては爬虫類の代から進化的に保存されている。このため「あくび」は極めて重要な生理学的意義を持つと推定される。しかしその仕組みや意義は、ほとんど未解明である。そこで本研究では、モデル生物として頻繁に「あくび」を示す爬虫類や哺乳類を用いて、神経科学の視点から「あくび」発生の仕組みを解明し、「あくび」の生理学的意義の解明への糸口を掴むことを目指す。具体的には、1.「あくび」の定量法の確立、2.「あくび」前後の脳活動動態の解明、3.「あくび」の操作を試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
眠い時や退屈な時などに、あくびが出ることがある。それはなぜだろうか?「あくび」は、爬虫類・鳥類・哺乳類など、多くの脊椎動物において進化的に保存されている。このことから、「あくび」は極めて重要な生理学的意義を持つと推定される。しかしその仕組みや意義は、ほとんど未解明である。そこで本研究では、頻繁に「あくび」を示す爬虫類や哺乳類をモデル生物として用いて、神経科学の視点から「あくび」発生の仕組みを解明し、「あくび」の生理学的意義の解明への糸口を掴むことを目指している。 本年度は、爬虫類において「あくび」の定量法を確立した。明確な「あくび」を示す爬虫類のヒョウモントカゲモドキ(Eublepharis macularius)の行動を3日間にわたってビデオ録画した。そして、深層学習によって映像から身体の部位の座標を抽出できるDeepLabCutを用いて、口の動きを解析して「あくび」のタイミングおよび長さを同定可能とした。さらに、ヒョウモントカゲモドキにおける「あくび」の環境温度依存性について解析した。環境温度が25度、30度、35度の3通りの環境で飼育した際の、「あくび」の頻度と長さを調べた。その結果、「あくび」の頻度と長さは環境温度によって異なることを見出した。本研究成果は論文としてまとめ、投稿後受理された。 さらに、さまざまな動物で「あくび」定量を行うための実験装置を作製した。観察専用のアクリルケージを新たに自作し、両側面からカメラによって動物の身体全体を観察可能とした。カメラはファンクションジェネレーターによって同期し、動物の向きにかかわらず「あくび」を観察可能とした。そして、実際に装置を用いて24時間にわたって行動を観察し、少なくとも目視で「あくび」観察が可能であることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、深層学習によって映像から身体の部位の座標を抽出できるDeepLabCutを用いて、口の動きを解析して「あくび」を定量法する方法を確立し、実際に活用できたため。爬虫類であるヒョウモントカゲモドキにおいて「あくび」を定量することで、環境温度依存性を見出すことができた。加えて、さまざまな動物で「あくび」定量を行うための実験装置を作製できたため。24時間にわたる記録において「あくび」行動を観察し、少なくとも目視で「あくび」観察が可能であることを確認できた。
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Strategy for Future Research Activity |
「あくび」前後の脳活動動態の解明に取り組む。「あくび」前後には脳内で神経活動が変動している可能性がある。そこで、脳内に多点電極を留置し、局所電場電位や個々の神経発火を測定する。そして、「あくび」と相関する脳活動動態を探索する。
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