Project/Area Number |
23KJ0048
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 14030:Applied plasma science-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
宮崎 俊明 北海道大学, 工学院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 自己組織化 / 大気圧プラズマ / プラズマ液体相互作用 / レーザー誘起蛍光法 / コヒーレントアンチストークスラマン散乱 / レイリー散乱 |
Outline of Research at the Start |
大気圧直流グロー放電プラズマの陽極近傍では、ある条件で「自己組織化」した発光の模様が形成される。この自己組織化とは、複雑な模様が自発的に形成される現象である。本研究では、レーザーを用いた計測によりプラズマ自体の特性を調べ、その計測結果をもとに数理解析モデルの構築を行う。このように、実験と理論の両面からアプローチを行うことでプラズマにおける自己組織化模様の形成メカニズムの解明を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、大気圧直流グロー放電の陽極近傍において観察される自己組織化した発光模様の形成メカニズムの解明を目指している。 2023年度は、当初の計画通りに電界誘起コヒーレントアンチストークスラマン散乱(Coherent Anti-stokes Raman Scattering: CARS)を利用した電界計測およびレーザー誘起蛍光法(Laser Induced Fluorescence Spectroscopy: LIF)による正イオンN2+の密度分布の計測を行った。CARSでの電界計測における実験体系の構築では、計測可能な最小の感度として5 kv/cmを達成することができた。しかし、放電中での径方向の電界は計測可能な感度よりも小さく、CARSでは径方向電界を計測することができなかった。N2+イオンのLIFでは、放電中でのN2+イオンからのLIF信号を得ることができた。その結果、自己組織化した模様が形成される条件における放電中の、特に陽極近傍およびその上部でのN2+イオン密度は陰極付近での密度と比べて10倍以上小さくなっていることが分かった。 また、これら上記の計測に加えて、ガス密度および温度に着目してOHラジカルのLIFを利用した温度計測およびレイリー散乱を利用した密度計測を行った。これらの計測の結果から、陽極近傍において自己組織化した発光模様が形成されるような条件では、放電部でのガス温度が室温よりも10倍ほど高くなり、それに伴いガス密度が低くなっていることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、当初から計画していたCARSによる電界計測およびN2+のLIF計測に加えて、OHのLIFを利用した温度計測およびレイリー散乱を利用した密度計測を実施することができた。 そして、来年度以降の実験に必要なチャンバーの作製も行った。このチャンバーを用いることで、来年度実施予定のキャビティリング吸収分光法(CRDS)を用いた負イオンの密度計測および圧力や周辺ガス雰囲気をコントロールした実験を行うことが可能となった。 以上のことから(2)おおむね順調に進展している。を選択した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度に行った計測は、全て大気圧の開放空気中で放電を生成した条件で行ったものである。その結果から、自己組織化した発光模様の形成には、負イオンの存在に加えて中性粒子ガスの温度や密度が重要であることが示唆された。そこで来年度以降では、今年度に作製したチャンバーを用いることで圧力や周辺ガス雰囲気をコントロールした実験を行い、模様形成に対して特に重要となる物理量およびその条件を特定していく予定である。加えて、その計測結果および反応拡散系に基づいて、模様の形成を再現できるモデルの構築も目指す。
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