Project/Area Number |
23KJ0055
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 44050:Animal physiological chemistry, physiology and behavioral biology-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
羽鳥 聖七 北海道大学, 医学院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 冬眠 / 神経活動 / 爬虫類 / 睡眠 |
Outline of Research at the Start |
冬眠の基本的な仕組みは未だ明らかになっていない。本研究では、外気温を下げることによって簡便に冬眠様の状態を誘導でき、薬理学的・電気生理学的手法を用いた実験が可能であるオーストラリアドラゴン(Pogona vitticeps)を用いて冬眠の神経基盤を明らかにする。冬眠様状態における神経活動を観察し、分子生物学的手法と組み合わせることでその誘導・維持機構の解明に挑む。
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Outline of Annual Research Achievements |
冬眠は一部の哺乳類や爬虫類に見られ、飢餓を凌ぎ越冬するための生理状態である。冬眠中の個体は低代謝・低体温状態をとるが、その後負の影響を残すことなく元の状態へ戻ることが知られている。しかし、このように可逆的に冬眠を誘導・維持し、元の生理状態へ戻す神経基盤は未だ明らかになっていない。本研究では、低温曝露によって容易に冬眠状態を誘導でき、薬理学的実験や電気生理学手法が適応可能なフトアゴヒゲトカゲ(以下トカゲ)をモデル動物として用いることで、冬眠状態の遷移に重要な神経活動や温度条件を同定し、冬眠状態を電気生理学的に定義することを目的とする。 本年度はまず、トカゲの皮質及び皮質下領域にNeuropixelsという高密度多点電極を挿入し、低温時の神経活動を記録した。先行研究では、低温中の神経活動を詳細に捉えること自体が困難であったが、本研究では複数の脳領域から低温時の神経活動(スパイク)の検出に成功し、低温中の神経活動を解析する手がかりを得た。さらに低温中において、常温では見られなかったLFP (local field potential)が観察されることを発見し、現在そうしたシグナルが見られる温度条件や脳領域の詳細な検討を行っている。 加えて、温度条件と脳活動の関係を探るため、変温動物であるトカゲの特徴を活かし、徐波睡眠やレム睡眠が見られる下限温度、冬眠様の脳波が出現する温度の同定を試みた。今後はこれらの温度が脳活動の変化を生み出す神経機構や分子機構に迫り、冬眠状態の誘導や冬眠状態からの復帰にどのように関わるかを明らかにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
低温中のスパイク記録に成功するだけでなく、当初想定していなかった低温特異的なシグナルの観察に成功した。本発見を端緒として、冬眠状態の遷移や冬眠中の生理状態を解明できる可能性があり、本研究の目的である冬眠状態の電気生理学的な定義に近づいたと考えられる。また、冬眠様の脳波が出現する温度を明らかにしたことで、冬眠状態を誘導・維持するために必要な条件の理解を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度得られた低温特異的なLFPやスパイク活動を引き続き解析し、これらのシグナルの出現に必要な温度条件や脳領域を同定する。加えて、複数の脳領域から同時に神経活動を記録し、低温中の情報伝達の流れを探ることで、冬眠状態の遷移に重要となる神経回路を明らかにしていく。こうした神経活動や神経回路の解明後は、トカゲのex vivo全脳標本を用い、それらのシグナルをex vivo系内で再現することで、必要となるイオン組成や神経伝達物質などを検討する予定である。 また、本研究の発展として、本研究を記憶研究に応用し、冬眠という長期間にわたる生理状態の中で、記憶は維持されるのか、維持される場合はそのメカニズムの解明に取り組みたいと考えている。トカゲには安定した記憶試験系が存在しないため、現在記憶評価系の構築を行っている。来年度を目処に、実験系の確立を目指す。
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