Investigation of the novel therapeutic drug for canine hemangiosarcoma focusing on histone lactylation
Project/Area Number |
23KJ0056
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 42020:Veterinary medical science-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
鈴木 玲海 北海道大学, 獣医学院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 血管肉腫 / エピジェネティクス / PDXモデル / シングルセル解析 |
Outline of Research at the Start |
血管肉腫はイヌに好発する悪性腫瘍である.予後は極めて不良であり未だ有効な治療法はない.この理由に血管肉腫の分子生物学的病態メカニズムが未解明であることや,有用な研究リソースが不足していることが挙げられる.ヒストンラクチル化は,乳酸を基質とする遺伝子発現調節機構であり,腫瘍の発生や悪性形質への関与が報告されている.本研究では,個々の腫瘍細胞の遺伝子発現情報を取得できるsinge cell解析という手法を併用し,ヒストンラクチル化に着目したイヌ血管肉腫の治療標的の同定を目指す.さらに患者腫瘍を高く再現する実験モデルであるPDXモデルを樹立し,このモデルを用いて治療効果の見込まれる治療薬を発見する.
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Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度までに合計5症例のイヌ血管肉腫患者由来移植 (PDX) モデルを樹立した.この PDXモデルは腫瘍微小環境を再現し,患者腫瘍をマウス内で模倣することができる.したがって,培養細胞ではできない腫瘍内の細胞同士の相互作用解析や治療実験に大いに有用である.さらにこの PDX モデルから2症例を選出し,一細胞ごとの遺伝子発現を調べることのできる Single-cell 遺伝子発現解析を実施した.現在データとその機能解析を進めている. 培養細胞株を使用した実験により,イヌ血管肉腫細胞が主要な栄養源となるグルコースに対し飢餓耐性をもつことがわかった.ヒストンラクチル化は乳酸を基質とする遺伝子発現調節機構である.先行研究により,イヌ血管肉腫細胞では正常な血管内皮細胞と比較しヒストンラクチル化レベルが高いことが示されていたため,グルコース飢餓状態におけるヒストンラクチル化レベルを調べた.その結果,通常のグルコース濃度の培養条件と比較しヒストンラクチル化レベルが顕著に低下することがわかった.また代謝フラックスアッセイにより,血管肉腫細胞はグルコース飢餓状態では酸化的リン酸化に依存しエネルギー産生を行うことが示された. 以上の結果から,イヌ血管肉腫ではヒストンラクチル化がグルコース飢餓耐性の獲得に関与しているのではないかと仮説を立てた.そこでどの遺伝子がヒストンラクチル化により影響を受けるか同定するために,グルコース 25 mM および 0 mM で培養した血管肉腫細胞に対し, CUT&RUN-seq および ATAC-seq を実施した.抗ヒストンラクチル化抗体を使用した CUT&RUN-seq では,遺伝子のどの部位がヒストンラクチル化修飾を受けるかを,ATAC-seq ではオープンクロマチン領域とクローズクロマチン領域を網羅的に解析することが可能である.現在この結果を解析中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
Single-cell 遺伝子発現解析は当初の計画より一年前倒して令和5年度に実施することができた.Single-cell 遺伝子発現解析では膨大な量のデータが得られる.前倒しできた期間でデータ解析を慎重に行い,得られたデータを詳細に解析することが可能となった.令和6年度では,解析データをもとにスムーズに機能解析へ進むことができ,イヌ血管肉腫の病態解明および治療標的の探索が大きく前進することが期待される.
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度も引き続き PDX モデルの作製に取り組む.同時にSingle-cell 遺伝子発現解析から,血管肉腫を構成する細胞集団の特徴を明らかにする.特に幹細胞は腫瘍の悪性形質と関与し治療標的となりうるため,幹細胞集団における高発現/低発現する遺伝子やパスウェイを精査する. CUT&RUN-seq は使用したヒストンラクチル化抗体との相性が合わなかったため,同様の結果を取得できる別の手法である CUT&Tag を実施する予定である.これとATAC-seq を併用することで,ヒストンラクチル化修飾を受けグルコース飢餓耐性獲得に関与する遺伝子を同定する. 令和6年度では,これらの同定した遺伝子のノックアウトや過剰発現による機能解析を実施し,血管肉腫細胞の生存や増殖,または病態形成に関与するものを治療標的候補として選出する.
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Virological, pathological, and glycovirological investigations of an Ezo red fox and a tanuki naturally infected with H5N1 high pathogenicity avian influenza viruses in Hokkaido, Japan2023
Author(s)
Hiono T, Kobayashi D, Kobayashi A, Suzuki T, Satake Y, Harada R, Matsuno K, Sashika M, Ban H, Kobayashi M, Takaya F, Fujita H, Isoda N, Kimura T, Sakoda Y
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Journal Title
Virology
Volume: 578
Pages: 35-44
DOI
Related Report
Peer Reviewed
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[Journal Article] Diverse genome‐wide DNA methylation alterations in canine hepatocellular tumours2023
Author(s)
Asari Yu、Yamazaki Jumpei、Thandar Oo、Suzuki Tamami、Aoshima Keisuke、Takeuchi Kyosuke、Kinoshita Ryohei、Kim Sangho、Hosoya Kenji、Ishizaki Teita、Kagawa Yumiko、Jelinek Jaroslav、Yokoyama Shoko、Sasaki Noboru、Ohta Hiroshi、Nakamura Kensuke、Takiguchi Mitsuyoshi
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Journal Title
Veterinary Medicine and Science
Volume: 9
Issue: 5
Pages: 2006-2014
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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